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ギリシア美術

2026年8月29日 (土)

クリストファー・ノーラン監督「オデュッセイア」・・・叙事詩の謎、神々の企みは何か

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第446回

【トロイ戦争の原因は何か。ヘレンの略奪、パリスの審判、三女神の争い、神々の饗宴、ではない。神々の企みは何か】大久保正雄「旅する哲学者、美への旅」
【「オデュッセイア」】
「オデュッセイア」は、紀元前8世紀、吟遊詩人ホメロスが書いた、紀元前1200年のトロイ戦争の叙事詩「イリアス」の後日談。トロイの木馬の計略を発案したオデュッセウスのイタケーへの帰還。トロイからイタケーは近い。なぜ、10年かかったのか。魔女たち、怪物に襲われた。
【オデュッセウスの失敗】酒で酔わせたポリュペモスの唯一の目を潰し、オデュッセウスは最後に重大な失敗を犯す。彼は逃げる際、自分の本名を叫んでしまった。すると、ポリュペモスは父である海神ポセイドンへ復讐を願う。ポセイドンの報復が、10年漂流の原因の一つ。
【美しい魔女】仙女カリュプソ、永遠の命を与え、自分の島で永遠に暮らすよう望む。甘美な誘惑の魔女。カリュプソとオデュッセウスは7年間暮らす。キルケと1年暮らす。放浪していたのは2年間。魔女キルケ―、部下を豚に変えた。オデュッセウスは神ヘルメスから薬草を授かり、キルケの魔法は効かず、逆にオデュッセウスは剣を抜き、キルケを屈服させる。セイレーンは美女の鳥、美しい声で船を難破させる。美しい声の人魚に変形した。キルケの島から筏で脱出、10代のナウシカ、美しい姫に出会い、次に、女神アテナに出会う。【魔女、美女が次々、オデュッセウスたちを誘惑し悩ませる。】「オデュッセイア」の美女たちはラファエル前派によく描かれた。オデュッセウスの妻ペネロペは、10年間、機を織り、ほどいて、彼の帰りを待つ。ペネロペも。ラファエル前派によく描かれた。クリストファー・ノーランでは、アン・ハサウエイが演じる。
【魔女カリュプソの、永遠の命と甘美な生活よりも、ペネロペが待つイタケーを選ぶのは何故か】
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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1、若い美しい姫ナウシカに出会い、オデュッセウスが回顧する。オデュッセウスだけ生き残り回想する。オデュッセウスの作り話かもしれない。トロイ戦争は【ヘレンの略奪】に始まる10年戦争であり、オデュッセウスの帰還は【カリュプソと7年間キルケと1年、8年間】。オデュッセウスの漂流は2年間。【女が人類を滅亡、女が人類を漂流】
 【ゼウスの掟】クリストファー・ノーランは、「異国人を大切すること」。【パレスチナ人イラン人絶滅】を批判。「オッペンハイマー」原爆作製者が後悔して罪悪感に苛まれる。「オデュッセイア」トロイを滅亡させた英雄の苦しみ。【ゼウスは異国人の守護神】神が異邦人の物乞いとして現れる。【よきサマリア人】【蘇民将来子孫也】スサノオノミコト(牛頭天王)が旅の途中、裕福な弟の巨旦将来(こたんしょうらい)に宿を断られた際、貧しい兄の蘇民将来が手厚くもてなしました。喜んだ神様は蘇民将来に、「将来、疫病が流行ったときには『蘇民将来子孫也』と書いた札を掲げれば難を逃れられる」と約束した。
オデュッセウスの妻はペネロペ、美しいペネロペに多くの求婚者が現れる。老人の姿で帰還したオデュッセウスは12の斧の穴を弓矢で射貫く。ホメロスの「斧の穴」は何を意味するのか。青銅の斧が発刊されて決着した。
「イリアス」は、イリオン落城の物語。スパルタ王の王妃、ヘレンをトロイの王子、パリスが、誘拐し、トロイに連れ帰ったためトロイ戦争が起こった。ギリシアの総大将・アガメムノンは、ヘレンを奪還するためにギリシア連合軍を率いてトロイに向かった。トロイ戦争は、海辺に疫病が蔓延し、10年間膠着状態に陥り、一計を案じたのがオデュッセウスのトロイの木馬である。アガメムノンの弟はメネラオス、その妻ヘレンがパリスに略奪された。アガメムノンは、妻クリュタイムネストラと愛人によって殺害される(アイスキュロス「アガメムノン」)。
参考文献 町山智浩@TomoMachi 『オデュッセイア』が100倍楽しくなる、オデッセイ映画の世界!
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2、クリストファー・ノーラン監督:帰還というコンセプトを、ギリシア人たちは”Nostos”(英雄の帰還)と呼んでいました。この物語は登場人物の帰還、そして感情の変化を描いています。その人物にも変化が訪れ、故郷にも変化は見られる。長く故郷を離れることの意味、長旅が人や環境に与える影響を語っている。「モンテ・クリスト伯」は、実はもとは「オデュッセイア」だった。ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」は1920年代ダブリンを舞台にした「オデュッセイア」。「2001年、スペース・オデッセイ」。1つ目の巨人キュクロプスや6つの頭を持つ怪物スキュラ、。西洋文学の原点である「オデュッセイア」が愛されてきた魅力の一つは、ファンタジー要素や登場するクリーチャー。映画作りがなかったら、正直どうしていいか分かりません。それ以外にやりたいと感じたものがないからです。人生の目的を見つけられたことは、非常に幸運だと思っています。
参考文献
クリストファー・ノーラン監督インタビュー 韓国・ソウル取材会場
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参考文献
クリストファー・ノーラン監督「オデュッセイア」・・・叙事詩の謎、神々の企みは何か
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2026/08/post-82522f.html
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-062e20.html
https://bit.ly/3C2fXNP
【叙事詩の円環】
運命の美人姉妹、クリュタイムネストラ、ヘレネー
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Cycle
大久保正雄『地中海紀行』第61回トロイア戦争 パリスの審判P29
岡道男『ホメロスにおける伝統の継承と創造』
岡道男『ホメロスと叙事詩の環』1976 京都大学文学部紀要1976.16.55-338,
安村 典子『ゼウスの覇権 反逆のギリシア神話』京都大学学術出版会
城江良知「ガイアの嘆願と『イリアス』」西洋古典学研究
『キュプリア』によれば,ガイアは、増えすぎた人間の重みに耐えかね,. しかも人間には神 を畏敬する心がまったくなかったため, ゼウスにこの重荷.を軽減してくれるようにと願い出た. ゼウスは同情してまずテーバイ戦争を起こし多数の人間を滅ぼした。
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/68585/1/KJ00004263559.pdf

2025年3月24日 (月)

アグリジェント、神殿の谷・・・コンコルディア神殿、アグリジェントのクーロス

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第393回
アクラガスの哲学者エンペドクレスは、金冠を戴き、紫色の衣に金のベルトを巻いて、デルポイの花冠を携えて諸都市を巡り歩いた。魂の不死不滅、輪廻転生の思想をもち、自由と美しい魂を愛した。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。はちみつ色の夕暮れ、黄昏の丘、黄昏の森を歩き、森の図書館に行く。糸杉の丘、知の神殿。美しい魂は、光輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第100回アクロポリスの少女
蘇るアクロポリスの少女、アルカイックの微笑み、二千年の眠り
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
人生の目標と夢と余暇の趣味を問う人あり。詩には人類の叡智が現れる、静謐で品が善い詩を書き残す。上智は下愚に移らず。
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【アグリジェント、神殿の谷】アグリジェントはかつてアクラガスと呼ばれる古代ギリシアの植民都市だった。南東に70kmほど離れた都市ジェーラ(Gela)とロドス島からの移住者によって紀元前581年に建設されたアクラガスは、競馬の飼育で知られる富める町だった。僭主テロンが支配した最盛期(紀元前488〜472年)には人口20万人にも及ぶ大都市に発展していた(現在のアグリジェントの人口は6万人弱)。この町に生まれた哲学者エンペドクレスは、アクラガス市民は「まるで明日死ぬかのように食べ、永久に生きるかのような家を建てていた」と描写した。
紀元前406年にカルタゴ軍によって破壊されるまでは、市民は相当にゴージャスな暮らしぶりだったらしい。アグリジェント市の南部にはそうした古代都市アクラガスの栄華を感じさせるギリシア神殿群が残る。アグリジェント(Agrigento)の考古学地区、「神殿の谷(Valle dei Templi) 【アグリジェントの神殿の谷】1、コンコルディア神殿。ドーリス式神殿の中で最も保存状態の良い神殿 の一つ。1748年に復元された。2、神殿の谷で最も古い(紀元前6世紀建設)ヘラクレス神殿。3、崖の上にそびえるユノ・ラキニア神殿。4、カストレ•ポルーチェ神殿。5、ゼウス神殿
ヴィラ・アテナ・ホテル コンコルディア神殿の近くにある。
比較美術学、文化は、比較すると、特質が明晰になります。ギリシア人とイタリア人は、美に溺れる。フランス人は、性欲に溺れる。ドイツ人は、権力に溺れる。スペインじんは、情熱に溺れる。日本人は、テクニックに溺れる。精神より様式。伊藤若冲、円山応挙、。精神の美を追求する人は、国と文明を越えて、超一級。
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【アグリジェント州立考古学博物館】博物館の近くには、武骨な煉瓦造りの中世の教会と、ヘレニズム時代(古代ギリシアから古代ローマへの過渡期の時代)と思われる円形劇場の跡。1「アグリジェントの若者(クーロス)」と呼ばれる大理石像。世界でもごくわずかしかない古代ギリシア時代のオリジナル、紀元前5世紀の作。古代アグリジェント(アクラガス)の最盛期に造られた藝術品。2 ジョーヴェ(ゼウス)神殿の遺跡、ジョーヴェ神殿の列柱には、このような巨人像がはめ込まれていた全長7.6メートルの巨人像。
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【人生における目標や夢】人生の目標と夢と余暇の趣味を問う人あり。
あなたの人生における目標や夢は何ですか。仕事は何ですか。余暇には何をしますか。
仕事は『美とは何か』、人の魂を救済する『慈悲とは何か』、『至高の叡智とは何か』『真実の愛とは何か』を研究すること。
ギリシア人とイタリア人は、美に溺れる。フランス人は愛欲に溺れる。スペイン人は、情熱に溺れる。ドイツ人は、権力に溺れる。日本人は、テクニックに溺れる。
私の趣味は、美しい森と海辺を散歩すること、美しい本を読むこと、美術を見ること、著作活動すること、詩を書くこと、友人とコンサートの後、宴をすること。精神の美を探究すること。『旅する哲学者、美への旅』というブログ書いている。
余暇の仕事として「お金と地位では買えない価値とは何か」を探求すること。次の旅の目的地を研究すること。アグリジェントの神殿の谷、コンコルディア神殿、アグリジェント州立博物館。
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『比較宗教学研究』プラトン哲学と空海、哲学史、密教学、古代ギリシア語、古典サンスクリット語、美術史、図像学、多数の学問を要する。
私の夢の一つは、「真実の愛」を探求する。美しい魂を探求すること。
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参考文献
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス
「ミケランジェロと理想の身体」・・・孤高の藝術家、ミケランジェロ、生涯と藝術
孤高の藝術家、ミケランジェロ・・・メディチ家の戦いと美の探求、プラトンアカデミー
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第100回アクロポリスの少女
蘇るアクロポリスの少女、アルカイックの微笑み、二千年の眠り
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宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
アグリジェント、神殿の谷・・・コンコルディア神殿、アグリジェントのクーロス
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-f6d967.html
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【ルネサンス復讐劇の起源】王を弟が殺人、王権を奪う、王の亡霊が真実を告げる、王子ハムレットが復讐を誓う、劇中劇で真実を解明、権力の相続争い、王妃の不義密通、一族の殺し合い、王家舞台の殺人。シェイクスピア『ハムレット』の原型
【セネカ『テュエステス』】源泉はギリシア悲劇アトレウス王家、兄アトレウスと弟テュエステス、テュエステスがミケナイ王になったという知らせを聞いたアトレウスの息子アガメムノンは、スパルタ王デュンダレオスの力を借りるためスパルタへやってきた(『アガメムノン』)。【アトレウス王家5世代の殺戮】1・タンタロス · 2・ペロプスとニオベー · 3・アトレウスとテュエステス · 4・アガメムノン · 5・エレクトラとオレステス. その後のオレステスはクリュタイムネストラに復讐、アガメムノンの雪辱を晴らす。
【アトレウスは弟に復讐、テュエステスに食わせた】(アポロドロス)『摘要第2章』アトレウスは、妻が弟テュエステスと姦通したのを知り、テュエステスの3人の児をひそかに殺しその身体を煮て、テュエステスに食わせた。
【なぜ、弟は兄に謀反し殺害するのか】『ハムレット』レイアティーズ、ハムレットの父を殺し、ガートルードと姦通する。『テュエステス』テュエステスはミュケナイの王位をめぐり、姦通と偽誓によって兄であるアトレウスを陥れ、アトレウスは妻と姦通したテュエステスを許すことができず、和解と称して呼び戻し、テュエステスの子供たちを殺してテュエステスの食卓に饗した。テュエステスは喜んで食べ尽し、アトレウスの悪行のために太陽は進路を変えた。
【なぜ、弟は兄に謀反、復讐されるのか】『テンペスト』プロスペローはミラノ大公であったが、学問に没頭、弟アントニオに公爵位を奪われる。弟はナポリ王アロンゾに臣従し兄と娘ミランダを孤島に島流し。12年孤島籠城の兄はナポリ王と弟一行の船を魔術で難破させる。
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『トロイ』(2004年 監督ウォルフガング・ぺーターゼン 主演ブラッド・ピット)
トロイとスパルタの間で和平が結ばれた宴の席で、トロイの王子パリスはスパルタの王妃ヘレン(ダイアン・クルーガー)と恋に落ち、二人は駆け落ちしてトロイの城に戻る。スパルタの王メネラオスは激怒して兄アガメヌノンに訴える。アガメムノンはトロイを征服する絶好の機会だと考え、ギリシアの大軍を率いてトロイに侵攻。勇者アキレス(ブラッド・ピット)は気が進まなかったが親友オデュッセウスの勧めもあり、従兄弟パトロクロスと共にギリシア軍の戦闘に立って戦う…。
 ギリシア神話の中に登場する「トロイ戦争」。神話や叙事詩上のストーリーであって現実の世界ではなく、登場人物(ギリシア神話に馴染みない人間には固有名詞がややこしい)もまた神々や英雄なのだが、本作は彼等を「人間」として描いている。『Uボート』(81)で注目され、ハリウッドに迎えられてからは商業映画のヒットメイカーとした活躍したドイツ人監督ウォルフガング・ペーターゼン(去年逝去)が監督を担当しブラッド・ピットが主役を務めた。オールスターキャストでエリック・バナ、オーランド・ブルーム、大ベテランのピーター・オトゥール他の出演。ヒロインのダイアン・クルーガーは『イングロリアス・バスターズ』(08)でもブラッド・ピットと共演。
 最初の戦いはアキレスらの活躍によりギリシア軍優勢。パリスの従姉妹ブリセイスはアキレスに囚われ本来奴隷にされる所だが、やがてアキレスに惹かれていく。それに怒ったアガメヌノンとアキレス間は険間になり、アキレスは次の戦いに参戦しない事を決意。パリスは民衆を戦いに巻き込まない為メネラオスとの一騎打ちで決着つけようとする。しかし戦闘経験が少ないパリスはメネラオスの敵でなく、劣勢に立たされた弟を見兼ねて兄ヘクトル(エリック・バナ)が助太刀してメネラオスを殺した。これによってギリシア軍とトロイとの全面戦争は避けられない物に。戦功を挙げる好機なのに腰を挙げないアキレスに痺れを切らしたパトロクロスは…。
 有名な「トロイの木馬」シーンは登場するけど、他は本作オリジナルのシチュエーションらしい。スパルタ王妃とトロイ王子の不倫関係が全面戦争に発展するのは確かに分かり易いが、スぺクタル史劇の割には安ぽいな…と思わぬでもない。戦争と愛が対立構造で描かれており、前述の不倫愛のみならず兄弟愛、普通の男女愛、従兄弟同士の同性愛?がフィーチャー。誰にも支配されず自分を貫くアキレスのキャラは立っているけど、ラストシーンの凡庸さには呆れてしまった。神話ではなく人間ドラマにするとこんなになっちゃった…という事になるのかもしれないが、ブラッド・ピット目当てに観た人は絶対ガッカリする。ヒット作だが面白くない。
作品評価
(ブラッド・ピットは本心から出演したのではないのでは…という疑問符が公開当時に出ていたらしいが、俺も同感だ。彼だけは人間ではなく伝説的なスーパーヒーローとして描いた方がベターだったのでは? ダイアン・クルーガーとの再共演はブラット・ピットの希望だった?)『原達也の映画日誌2025』
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2016年7月15日 (金)

「古代ギリシア、時空を超える旅」東京国立博物館・・・永遠を旅する哲学者

Greece_20160621Greece_201606大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
夕暮れ散歩、夕暮れの森を歩いて、博物館に行く。ギリシアを旅した輝ける日々を思い出す。アテネ、デルフォイ、テッサロニキ、メテオラ、ロドス島、クレタ島、エーゲ海クルーズ。黄昏の丘のアテナ神殿。黄昏の神殿に、木の香りが漂う。黄昏の丘を歩いた日々。
ギリシア全土をめぐって、美術館でみた美しい軌跡。アクロポリスのコレー、デルポイの御者、アルテミシオンのゼウス、うずくまるヴィーナス、クレタ島のファイストスの円盤、ミノス王の迷宮、ロドス島のリンドス、クレタ島の蛇をもつ女。クノッソス宮殿。黄昏の丘を歩いた日々。美しい記憶。失ったものは永遠に美しい。星の輝く夜、美しい天使が舞い降りる。
旅立とう。エーゲ海へ。美しい人とともに。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』より
―――
哲学者は永遠を旅する。フォンテーヌブローの森の貴族の館で幻の『レダ』をみる。
レオナルドの微笑みをみると、ボロマンドラのクーロス、アクロポリスのコレーを思い出す。ペプロフォロス、ヒュマティオンを纏うイオニアの少女。
レオナルドのレダの微笑みは、ギリシアのアルカイック・スマイルと同じ根源である。
内なる心において美しい人になることを希求するソクラテスの祈りのように、根源の美への旅である。
永遠を旅する哲学者は、永劫の翼に乗って、古代へ旅する。
―――
世界の果てに辿りつき、美の泉を手に入れても、立ち上って、さらに、歩いて行かなければならない。美のイデアに向かって。
永遠を旅する哲学者 魂の果てへの旅
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
わたしは自分自身を探求した。(Fr.‏101)魂の限界は、それに行き着こうとして、たとえあらゆる道を踏破しても、見つけ出せない。それほど深いロゴス(理)を、魂は持っている。(Fr.45)高慢の焔は、燃える火よりも鎮めなければならない。(Fr.43)
われに聞くにあらず、ロゴスに聞いて、万物が一であることを認める。(Fr.50)
*Diels-Kranz,Die Fragment der Vorsokratiker
『ソクラテス以前の哲学者の断片』ヘラクレイトス ‏より
「永劫の時の広く張った翼以外、ヘラクレイトスは己が立つべき場所を全く知らない。現在や瞬間に属するものには敬意を払わぬということ、これこそ偉大な哲学的天秤の本質である。」*Nietzsche, Friedrich, Die Philosophie im tragischen Zeitalter der Griechen
ニーチェ『ギリシア人の悲劇時代における哲学』
*大久保正雄『地中海紀行 旅する哲学者 美への旅』より
アルカイックのクーロスとレオナルド派「レダ」
大久保正雄「旅する詩人、エウリピデス ギリシア悲劇の極致」
https://t.co/BIXeFsq7GS
―――
アクロポリスの丘の北側に立つエレクテイオン神殿、美しい柱がある。屋根を支える女人柱、6体のコレー(乙女)像。 カリアティデスと呼ばれる。
エレクテイオン神殿は、イオニア式柱頭を戴き、優美な佇まいである。エレクテイオン神殿には南面柱廊に、6体の女人柱(カリアティデス)が屋根を支える、乙女のテラスがある。柱廊のカリアティデス、柱となった6人の女人が限りなく優美である。エレクテイオンの一角に聖なるオリーヴの木の跡がある。大理石の白亞の列柱に、眞昼の日差しが烈しく降り注ぎ、光と影が烈しい対比を織り成し、眞昼の丘は、溜め息が出るほど美しい。
エレクテイオン神殿、カリアティデス(女人柱)
大久保正雄「アクロポリスの光と影 パルテノン神殿」
https://t.co/nmDmRi4sGN
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★主要な展示作品
キュクラデス型女性像BC 2800~BC 2300年
スペドス型女性像BC 2800~BC 2300年
海洋様式の葡萄酒甕BC1450年
牛頭型リュトン BC1450年
ユリと花瓶のフレスコ画BC17C サントリーニ島ティラ
アッティカ幾何学様式アンフォラ
コレー BC530アテネ、アクロポリス、エレクテイオン出土
ボイオティアのクーロスBC520 アポロン神域
テミストクレスの名前のオストラコン(陶片) BC482年の陶片追放
アルキビアデスの名前のオストラコン(陶片) BC60年の陶片追放
アッティカ黒像様式ピュクシス
ギンバイカの金冠
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★「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」東京国立博物館
2016年6月21日 ~ 9月19日
https://t.co/00mJ5avxKQ

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