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2025年1月

2025年1月23日 (木)

「旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画」・・・嵯峨天皇と空海、運命の美女

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「旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画」・・・嵯峨天皇と空海、運命の美女

大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第389回
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美術探訪、美への旅、大覚寺と運命の美女、大久保正雄
大覚寺 嵯峨天皇と空海の精神文化、安土桃山文化・狩野山楽の残照、戦いの陰に運命の美女あり。
特別展 開創1150年「旧嵯峨御所 大覚寺 ―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」が東京国立博物館で2025年1月21日から3月16日まで、開催される。
表面的に美を撫でるのではなく美の本質を、賢明な君主嵯峨天皇と運命の美女橘嘉智子、戦国一の美女の血を引く美女と徳川権力、人間の愛と苦悩のドラマ、空海の即身成仏義の思想の智慧と慈悲、この世の美と理想の美を探る。
序、大覚寺、3つの時代
大覚寺は、3つの時代、歴史の舞台となった。9世紀、嵯峨天皇と空海の時代、鎌倉時代・14世紀大覚寺統(後の南朝)の本拠、16世紀安土桃山時代、狩野山楽(1559-1635 )の時代。重要文化財「紅白梅図」狩野山楽筆、重要文化財「牡丹図」狩野山楽筆は、圧倒的である。
空海(774-835)の勧めで持仏堂に五大明王像(現存せず)を安置。その後、貞観18年(876)に皇女・正子内親王(まさこないしんのう)の願いにより寺に改められ、大覚寺が開創された。
一、嵯峨天皇と空海
空海と嵯峨天皇は、香茶を酌み交わした。嵯峨天皇と空海は秋の一日、大沢池に舟を浮かべ、茶を汲み交わし逍遥、夕方、空海が山に帰るにあたり、嵯峨天皇が詠まれた詩「道俗相分かれて数年を経たり。今秋晤語するもまた良縁なり。香茶酌みやすみて日ここに暮れる。稽首してわかれを傷み雲煙を望む。」「海公と茶を飲みて山に帰るを送る」嵯峨天皇詠がある。(『経国集』巻十)。
嵯峨天皇と空海は、809年10月嵯峨天皇の命で世説の屏風を献上。810年(弘仁元)3月。816年7月、勅許を得て高野山金剛峯寺を開創。823年正月、東寺を賜り真言密教の根本道場とする。嵯峨天皇(786~842)、在位(809~823)14年。嵯峨院。院政・淳和天皇、在位10年(823~833)。24年間、君臨した。
【平城上皇の乱】譲位した平城上皇が太政官人半ばを率いて平城旧京に遷り、寵妃・藤原薬子とその兄仲成に擁せられ朝政に干渉した。天皇は巨勢野足・藤原冬嗣を蔵人頭に補するなどによって対抗。弘仁元年(八一〇)九月、上皇の平城遷都の命を機として坂上田村麻呂以下の兵を派遣、上皇方を制圧した。上皇は入道、薬子は自殺、仲成は射殺、皇太子高丘親王は廃され、阿保親王・藤原真夏らは左遷。「平城上皇の乱」810後、弘仁・天長・承和の約三十年間、嵯峨天皇(上皇)の権威と指導のもとに太平が続き、空海・小野岑守・同篁・良岑安世らの人材が輩出。
【弘仁・貞観文化】嵯峨天皇は、藝術と精神文化を愛す王、自ら詩を書き、空海と交友した。詩文の粋を集めた『凌雲集』『文華秀麗集』『経国集』はその精華である。嵯峨天皇は、「光定戒牒」などの遺品があり、空海・橘逸勢とともに三筆と称せられる。承和九年(八四二)七月十五日崩じた。五十七歳。遺詔、「思う欲無位無号詣 山水 而逍遙、無事無為翫 琴書 以澹泊」と心境を述べた。目崎徳衛「政治史上の嵯峨上皇」
【嵯峨院、院政】弘仁十四年四月十六日皇太弟大伴親王(淳和天皇)に譲位後は、皇太后橘嘉智子とともに冷然院に住み、嵯峨院、さらに天長十年(833)淳和天皇が皇太子正良親王(仁明天皇)に譲位すると、洛西の嵯峨院に隠棲し、腹心の藤原三守・安倍安仁らを院司として、風流韻事を成し遂げた。弘仁・天長・承和の約三十年間、君臨した。『本朝皇胤紹運録』に五十名の皇子女がみえ、弘仁五年その一部は源朝臣の姓をもって臣籍に降り、信・常・融ら【嵯峨源氏】は一時大いに廟堂に活躍した。
【承和の変、皇位継承争い】淳和、嵯峨両上皇が亡くなると皇位継承争いで恒貞親王の身に危険が及ぶと危惧した橘逸勢や伴氏一派が親王を東国へ移す事を画策し阿保親王に相談したが、阿保は組みせず嘉智子皇太后に報告、皇太后は良房に伝えた為、逸勢や伴氏一派は謀反人として逮捕され、恒貞親王は皇太子を廃止。(謀反は濡れ衣で藤原良房の謀略との説あり)。天長十年(八三三)皇太子正良親王、嵯峨天皇と橘嘉智子の皇子・第54代・仁明天皇が即位。
【戦いの陰に運命の美女あり、嵯峨天皇皇后、橘嘉智子】
嘉智子は、嵯峨天皇と六角堂の柳の下で出会い、手が長くて膝の下まであるという身体的特徴があった。まれにみる美人であり、会った人はあまりに美しいので感動したと伝わる。
【妃選び】嵯峨天皇は、妃選びで、なぜ橘美千代を選んだのか。カネと権力の美女か、知性と戦略の美女か、美貌とエロスの美女か。『パリスの審判』女神ヘラか、女神アテナか、美女ヘレンか、選択問題がある。
権勢の美女、美貌とエロスの故ではない。謎の女、嘉智子は文化的魅力を秘めている。光明子、県犬養三千代の血を引く知性。橘嘉智子(たちばなの かちこ、延暦5年(786年)-嘉祥3年(850年))は、第52代嵯峨天皇皇后。皇后橘嘉智子との間に生まれた仁明天皇が即位。嘉祥3年(850年)3月に落飾。冷然院において崩御。享年65。橘奈良麻呂の孫、橘清友の娘。兄弟に右大臣・橘氏公がいる。諡号は檀林皇后。嘉智子は死に臨んで、自らの遺体を埋葬せず路傍に放置せよと遺言した。
橘嘉智子は少女のころ法華寺の尼から天子および皇后の母となることを予言されたと云われ、まれにみる美女で一説に【法華寺の国宝、十一面観音】は橘嘉智子皇后がモデル。平安美人であったと偲ばれる。聖武天皇の皇后、光明皇后は県犬養橘三千代の娘、二人の女性は共に橘氏祖 県犬養橘三千代の血を受けているので似ている。
【県犬養橘三千代】県犬養三千代(?〜733)は天武朝から命婦として仕え、文武天皇の乳母を務めた、後宮の実力者として皇室と深い関係にある。三千代は初め敏達天皇後裔の曽孫美努(みぬ)王の妻となり、葛城王や佐為王、橘諸兄を生んだ。694年に美努(みぬ)王が大宰帥として九州へ赴任すると、藤原不比等の夫人となり、藤原光明子(光明皇后)らを生んだ。光明皇后に大きな影響を与えた。
和銅元年(708年)元明天皇の大嘗祭に際して、天武天皇治世期から永く仕えてきた三千代の功績が称えられ、橘の浮かんだ杯とともに「橘宿禰(すくね)」の姓が賜与された。
【光明皇后】不比等の没後子供の四兄弟がそれぞれ南家、北家、式家、京家の祖となり、自分達の異母妹で聖武天皇の妃である藤原光明子を史上初の皇族以外出自の皇后(光明皇后)に立て、朝廷内で権力を掌握したが、天然痘で相次いで亡くなる。光明皇后の娘、安倍内親王は、県犬養三千代の孫、【阿修羅像】のモデルである、14歳の美少女。
二、大覚寺、狩野山楽の襖図、運命の美女
狩野山楽の襖図は、元和6年(1620 )に後水尾(ごみずのお)天皇に入内した和子(まさこ) (東福門院)、二代将軍徳川秀忠の娘五女、の御所にあったものである。
【戦国一の美女の遺児】福門院の母は、浅井三姉妹の三女・江。織田信長の妹お市の孫。太閤豊臣秀吉の養女・達子、崇源院。三度目の結婚で、徳川秀忠との間に慶長2年(1597年)の千姫を筆頭に家光・忠長、和子など2男5女を儲けた。
【浅井三姉妹、運命の美女三姉妹】三度、落城【小谷城落城】天正元年9月1日(1573年9月26日)、浅井長政がお市の兄である織田信長と対立、小谷城が攻め落とされ、長政らは自害、浅井氏は滅亡。江は母の市や姉の茶々、初とともに藤掛永勝らによって救出され、信長の保護の下岐阜城に留まる。【北ノ庄城落城】天正11年(1583年)には賤ヶ岳の戦いで北ノ庄城が落城、お市は勝家共々自害。北ノ庄城を脱出、三姉妹を保護したのは秀吉ではなく織田信雄。【大阪城落城】慶長二〇年(1615)大坂夏の陣によって全城灰燼に帰した。淀君は、自刃。豊臣家滅亡。千姫、救出作戦実行。
1627年(寛永4年)「後水尾天皇」の退位後、徳川秀忠の孫娘が「明正天皇」(めいしょうてんのう)として即位。朝廷への影響力を強める。
【織田信長、絶世の美女】織田信長の最愛の妻、生駒佳乃は3人の子を産む。【信忠、信雄、五徳(徳姫)】信忠は本能寺の変で自刃。【信長、最愛の長女、五徳(徳姫)】五徳(徳姫)は、徳川家康の嫡男・信康と政略結婚するが、天正七年(1579)九月、徳姫は信長に「11ヶ条の書状」により謀反を知らせる、家康の重臣、酒井忠次が、徳姫の言う通りであることを確認。信康、自刃。家康に見送られて、安土城に向かう。安土城下に住む。天正十二年(1584)小牧長久手の戦いで、信雄は家康と連合軍を組むが、信雄は秀吉と和睦。徳姫、徳川家から化粧料を賜り1636年、78歳まで生き残る。信長、光秀、秀吉、家康、信雄、人々の死を見届ける。
【嵯峨院、大覚寺】
京都西北に位置する嵯峨は、古くより風光明媚な王朝貴族遊覧の地として愛されてきた。平安時代初期、嵯峨天皇(786-842)はこの地に離宮・嵯峨院を造営し、空海(774-835)の勧めで持仏堂に五大明王像(現存せず)を安置。その後、貞観18年(876)に皇女・正子内親王まさこないしんのうの願いにより寺に改められ、大覚寺が開創された。
■展示作品の一部
明円作「五大明王像」平安時代後期
重要文化財 松鷹図(部分) 狩野山楽筆 安土桃山~江戸時代・16~17世紀 大覚寺蔵展示期間:1月21日(火)~2月16日(日)
重要文化財 紅白梅図 狩野山楽筆 江戸時代・17世紀 大覚寺蔵
重要文化財 牡丹図(部分) 狩野山楽筆 江戸時代・17世紀 大覚寺蔵
重要文化財 後宇多天皇像 鎌倉時代・14世紀 大覚寺蔵
国宝 後宇多天皇宸翰 弘法大師伝(部分) 後宇多天皇筆 鎌倉時代・正和4年(1315) 大覚寺蔵
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展覧会情報
開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」
会場:東京国立博物館 平成館
会期:2025年1月21日(火)~3月16日(日)
※会期中、一部作品の展示替あり
前期展示:1月21日(火)~2月16日(日)
後期展示:2月18日(火)~3月16日(日)
休館日:月曜日(ただし2月10日、24日は開館)、2月25日(火)
開館時間:午前9時30分~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
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著者プロフィール 大久保正雄 哲学、美学、比較宗教学、図像学。美術評論。著書『ことばによる戦いの歴史としての哲学史』理想社。質疑応答、島薗進×大久保正雄『死生学 ファンタジーと魂の物語』2019、島薗進×大久保正雄『死生学 宗教の名著』2018、島薗進×大久保正雄『死生学 ファンタジーと宗教』2017.、島薗進×大久保正雄『死生学 人の心の痛み』2016、『比較宗教学研究』2023-2024。
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参考文献
「旧嵯峨御所大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画」・・・嵯峨天皇と空海、運命の美女
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-075dfa.html
学問僧、空海 ・・・空海の生涯と思想
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/05/post-964d84.html

 

2025年1月17日 (金)

美術館スケジュール2025・・・旅する哲学者、美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第388回
藝術作品は、魂の愛と苦悩のドラマの痕跡であり、時代の証言である。旅人はそこに魂の美を求める。【旅する哲学者、美への旅】【藝術家、思想家の運命との戦い】表面に美しい美を撫でるのではない、美は魂の陰影(エイコーン)であり光である(シェイクスピア『ソネット』)。美を生み出す人間のドラマ、精神文化を生み出す人間の魂の美とは何か。藝術家、思想家の運命との戦い。藝術家、思想家が運命と戦い、苦悩するドラマ、愛と叡智は精神文化の礎である。精神文化の源泉を探究する旅。
【失われた美を求めて】ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ、レオナルドに『婦人の肖像』を発注。ラファエロに肖像画を描かれる。ミケランジェロに霊廟を彫刻される。ジュリアーノ・デ・メディチは失われた時を求めた。【失われた美を求めて、藝術家、思想家、皇帝は失われた価値を探求する】【失われた名城、安土城】5層7階、天正7年完成、天正10年、本能寺の変以後、消失。【曜変天目茶碗】足利義政が所有した。織田信長が手に入れ、本能寺の変以後、消失。
【失われた美、藝術家、思想家、皇帝は失われた価値を探求する】ヘレニズム彫刻を探求したミケランジェロ、ピュタゴラス文書を探求したプラトン、アルカイック彫刻を求めたローマ人、王羲之『蘭亭序』を求めた太宗皇帝李世民、古代の美を求めたレオナルド『レダ』1505
【ロレンツォ・デ・メディチ】青春とは何と美しいものか。だが見る間に過ぎ去ってしまう。美しい時を楽しみなさい。明日は定めなきものゆえ。ロレンツォ・デ・メディチ「謝肉祭のためのバッカスとアリアドネの勝利の歌」1490【ロレンツォ1492年、43歳で死す】
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【人類の至宝、コンコルディア神殿】アグリジェント、神殿の谷に聳える。最も完璧なギリシア神殿。古代ギリシアの詩人ピンダロスが「人の造りし最も美しき都市」と謳った都市アクラガス。神殿の谷は、稜線に20の神殿が聳える。丘に神殿遺跡がそこここに残る古代都市遺産群を廻る、広大な地。憧れの古代都市。偉大な哲学者エンペドクレスが、生まれた地。
アクラガスは、ギリシア人の植民都市、前 580年頃ゲラの市民によって建設され、前6~5世紀僭主ファラリスやテロンのもとに繁栄した、アクロポリスの丘の上のアルカイック期神殿群の遺跡はこの時期に属し、180年栄えた。紀元前406年、カルタゴに滅ぼされた。カルタゴ軍が、シケリア西部のカルタゴ殖民都市に対する攻撃の報復として、【アクラガス包囲】ドーリア人都市であるアクラガス(アグリジェント)を包囲した。
【伊藤若冲】正徳6年(1716)、京都・錦小路にあった青物問屋「枡屋」の長男として生を受け。青物問屋とは各地の野菜など生鮮食品を集めて小売(八百屋)に卸して販売させる一種の流通業で、当時でも有力な町衆のひとつ。なかでも「枡屋」は錦小路を代表する青物問屋で、代々の当主の名「源左衛門」から「枡源」とも呼ばれた。23歳のとき、若冲は父の死去に伴い、4代目枡屋(伊藤)源左衛門を襲名。よく知られる「若冲」の号は、彼が特に懇意としていた相国寺の禅僧・大典顕常から後に与えられた居士号。
【売茶翁】1675~1763江戸中期の黄檗宗の僧。肥前の人。俗名、柴山元昭。万福寺で修行。京都東山で売茶業を営みながら生涯を送った。煎茶道を広めた。晩年は高遊外と称した。
【動植綵絵1765】伊藤若冲は三十歳代半ばから、大典顕常和尚との親交を通して、相国寺と密接な関係にあった。期間はほぼ二十年及ぶ。40~50歳で若冲が描いた代表作であり、大典が住持を務める相国寺に寄進された「動植綵絵」を描いた時期。若冲という名は大典顕常から教えられた。明和2年(1765)、枡屋の跡取りにしようと考えていた末弟・宗寂が死去した年、「動植綵絵」(全30幅のうちの)24幅と「釈迦三尊図」3幅を相国寺に寄進。
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「ゴッホとゴーギャン」ゴーギャン「ひまわりを見ると、君を想い出す」。ゴッホ「君のために、椅子を買った」。1887年出会う。1888年アルルぶつかり合い すれ違う、破局の物語。ゴッホはなぜ「ひまわり」を描いたのか。なぜ耳を切ったのか。ゴッホはハーグ派、バルビゾン派を経て印象派へ。「宗教は廃れ、神は残る」。1990年自殺。ゴーギャンは株式仲買人を辞めバルビゾン派からピサロの影響で印象派へ。
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1月
「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」東京都現代美術館、12月21日(土)〜2025年3月30日(日)
「瑞祥のかたち」皇居三の丸尚蔵館、1月4日(土)~3月2日(日)
「細川家の日本陶磁—河井寬次郎と茶道具コレクション—」永青文庫、1月11日(土)〜4月13日(日)
「旧嵯峨御所 大覚寺 —百花繚乱 御所ゆかりの絵画—」東京国立博物館、1月21日(火)~3月16日(日)
開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 —百花繚乱 御所ゆかりの絵画—」
「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」、森アーツセンターギャラリーにて、2025年1月25日(土) 〜4月6日(日)
「花器のある風景」泉屋博古館東京、1月25日(土)〜3月16日(日)
「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」東京ステーションギャラリー、1月25日(土)〜3月16日(日)
2月
魂を込めた 円空仏―飛騨・千光寺を中心にして―、三井記念美術館、2月1日(土)~ 3月30日(日)
『「おかえり、ヨコハマ」横浜美術館、2月8日~
「オーブリー・ビアズリー展」三菱一号館美術館、2月15日(土)~5月11日(日)
エミール・ガレ 、サントリー美術館、2月15日(土)~4月13日(日)
3月
「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」アーティゾン美術館、3月1日(土)〜6月1日(日) 「硲伊之助展」アーティゾン美術館
「ヒルマ・アフ・クリント展」東京国立近代美術館、3月4日(火)〜6月15日(日)
手塚治虫『火の鳥』展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命の象徴-」六本木ヒルズ・東京シティビュー、3月7日~5月25日。
桜 さくら SAKURA 2025 ―美術館でお花見!、山種美術館、3月8日(土)~5月11日(日)まで
「ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金」、豊洲のクレヴィアベース東京、3月8日(土)から9月7日(日)まで
西洋絵画、どこから見るか、国立西洋美術館、3月11日~6月8日
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」、国立新美術館、3月19日~6月30日
相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史、東京藝術大学大学美術館、3月29日[土]~5 月 25 日[日]
4月
タピオ・ヴィルカラ 世界の果て、東京ステーションギャラリー、4月5日~6月15日
国宝の名刀と甲冑・武者絵 特集展示 三井家の五月人形、三井記念美術館、4月12日(土)~ 6月15日(日)
「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」東京国立博物館4月22日(火)〜6月15日(日)
肥後熊本の絶景、永青文庫、4月26日~6月22日
5月
「オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより ルノワール×セザンヌ —モダンを拓いた2人の巨匠」三菱一号館美術館、5月29日(木)〜9月7日(日)
7月
スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで、国立西洋美術館、7月1日(火)〜9月28日(日)
「藤田嗣治 絵画と写真」、東京ステーションギャラリー、7月5日~8月31日
美術の遊びとこころⅨ 花と鳥、三井記念美術館、7月1日(火)~ 9月7日(日)
「江戸☆大奥」、東京国立博物館、7月19日(土)~9月21日(日)
文房四宝と喫煙具の美、永青文庫、7月3日~8月31日
8月
「現代マイセンの磁器芸術 —巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)—」泉屋博古館東京、8月30日(土)〜11月3日(月・祝)
9月
日本の現代美術と世界 1989‒2010(仮称)、国立新美術館、2025 年 9 月 3 日 ( 水 ) ~12 月 8 日 ( 月 )
「運慶 祈りの空間—興福寺北円堂」東京国立博物館、9月9日(火)~11月30日(日)
幕末土佐の天才絵師 絵金、サントリー美術館、9月10日(水)~11月3日(月・祝)
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」、東京都美術館、9月12日〜12月21日
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
「インド更紗」、東京ステーションギャラリー、9月13日~11月9日
「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」、国立新美術館、9月17~12月15日
円山応挙―革新者から巨匠へ、三井記念美術館、9月26日(金)~ 11月24日(月・振休)
大ゴッホ展、I、夜のカフェテラス、神戸市立博物館、2025年9月20日 福島県立美術館、2026年2月21日 5月10日、上野の森美術館、2026年5月29日 8月12日
II.アルルの跳ね橋、上野の森美術館、2027年10月 2028年1月
10月
「黒き猫」永青文庫、近代日本画の粋、永青文庫、10月4日~11月30日
「オルセー美術館所蔵 印象派—室内をめぐる物語」、国立西洋美術館、10月25日(土)〜2月15日(日)
11月
「小林徳三郎」、東京ステーションギャラリー、11月22日~2026年1月18日
NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし、11月22日(土)~2026年1月12日(月・祝)
12月
国宝 熊野御幸記と藤原定家の書、三井記念美術館、12月6日(土)~ 2026年2月1日(日)
英英紅綠 第50回 白日会会員選抜展、日本橋三越6階、美術特選画廊、12月17日(水)~12月22日(月)
英英紅緑展、山本大貴『宵待ち3』8号、176万円、1982生まれ。
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美術館スケジュール2025・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-284bac.html
2024美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/12/post-3dea7b.html
2025 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-3c0431.html

2025年1月 1日 (水)

2025 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第387回

藝術作品は、人の愛と苦悩のドラマの痕跡であり、時代の証言である。旅人はそこに魂の美を求める。大久保正雄
取材計画【アグリジェント、神殿の谷】コンコルディア神殿が聳える。最も完璧な神殿。古代ギリシアの詩人ピンダロスが「人の造りし最も美しき都市」と謳った都市。神殿の谷は、稜線に20の神殿が聳える。丘に神殿遺跡がそこここに残る古代都市遺産群を廻る、広大な地。憧れの古代都市。哲学者エンペドクレスが、生まれた地。
アクラガスは、ギリシア人の植民都市、前 580年頃ゲラの市民によって建設され、前6~5世紀僭主ファラリスやテロンのもとに繁栄した、アクロポリスの丘の上のアルカイック期神殿群の遺跡はこの時期に属し、180年栄えた。紀元前406年、カルタゴに滅ぼされた。カルタゴ軍が、シケリア西部のカルタゴ殖民都市に対する攻撃の報復として、【アクラガス包囲】ドーリア人都市であるアクラガス(アグリジェント)を包囲した。
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【時間論】3つの世界観の時間論。時間には、回帰的時間と終末観的時間と進化的時間がある。(渡辺慧『時』第3章、時間の起源と機能)(回帰的時間は、エンペドクレス、ニーチェ『ツァラトゥストラ』。終末観的時間はキリスト教。進化的時間は、ベルクソン『創造的進化』)。あなたはどの世界観を選ぶのか。
*ベルクソン1974、初刊1948年。*エンペドクレスの宇宙円環(Cosmic Cycle)、ヘラクレイトスの回帰的宇宙、ニーチェの永劫回帰(Ewig Wiederkehren)、ピュタゴラスの輪廻転生。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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1、美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。美しい魂は、輝く天の仕事をなし遂げる。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。永遠を旅する哲学者は、時を超えて、理念を追求する。美のイデアへの旅。
2、
【理念と現実の一致】思想家は、理念を現実において成就することを追求する。プラトン哲学は、国家において知恵が実現することを追求する。空海は、即身成仏を追求する。
3、
【空海、悪霊調伏】不空『理趣釈経』【『般若理趣経』第三段】「金剛手よ、もしこの理趣を聞きて受持し読誦することあらば、たとひ三界の一切の有情を害すも悪趣に堕せず」天人は三悪趣*と戦う。(地獄・餓鬼・畜生)【空海、聖なるものは悪を滅ぼす】空海は三界の衆生を害することとは三界の無明を断じることに他ならないとしている。*三毒。貪欲・瞋恚・愚痴。貪瞋痴。
4、
【愛と復讐の叙事詩】アレクサンドロス大王、父フィリッポス2世を暗殺。クレオパトラ7世、弟プトレマイオス14世を暗殺。プロイセンのフリードリッヒ大王、織田信長、偉大な人生は、復讐から始まる。絶望に立ち向かう。絶望を超えて、復讐を果たし、天の仕事を成し遂げる。
【偉大なる王の死】アレクサンドロス3世、33歳。ダレイオス1世66歳。ダレイオス3世60歳。ラムセス2世92歳、子供100人を残す。ハトシャプスト女王49歳。アクエンアテ ン王29歳。ツタンカーメン18歳。アンケセナーメン27歳。美しきネフェルティティ63歳。絶対権力者が手に入れられない4つの秘宝がある。
5、
【理念を追求する精神】理念を探求する人は、邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。空海、孔子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、忠恕、仁義礼智信、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
【理念を追求する精神】空海は理念を探求して旅した。空海の24歳の苦悩は『聾瞽指帰』に刻まれている。空海、ロレンツォ・デ・メディチ、プラトン、玄奘三蔵、李白、王羲之、嵯峨天皇、ソクラテス、理念に向かって、旅した人。理念を追求する人は、この世の闇の彼方に美を求める。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
【理念を探求する精神、美と復讐の精神史】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年74歳。空海835年61歳。李白 762年61歳。孔子紀元前479年74歳。織田信長1582年49歳。アレクサンドロス大王紀元前323年33歳。嵯峨天皇842年56歳
【思想家、藝術家、運命との戦い】ソクラテス、紀元前399年70歳。プラトン紀元前347年74歳。アリストテレス紀元前322年62歳。孔子紀元前479年74歳。空海835年61歳。藤原定家1241年79歳。李白 762年61歳。北斎1849年90歳。
6、
【東西文化交渉史】ミケーネ文明、ミノア文明とトロイア文明を滅ぼす。ギリシア美術、紀元前5-4世紀、最盛期、BC334アレクサンドロス大王の遠征、ペルシア帝国征服、インド遠征、ガンダーラ美術、ペルガモン王国誕生、シルクロード経由、7世紀北魏南梁から飛鳥彫刻、8世紀天平彫刻、9世紀、弘仁貞観、密教美術、12世紀、運慶彫刻
7、
【六道輪廻と六観音菩薩】如意輪観音菩薩、天道の天人を救う。聖観音菩薩、地獄道の者を救う。千手観音菩薩、飢えと渇きの餓鬼道の者を救う。馬頭観音菩薩、動物の弱肉強食の畜生道の者を救う。十一面観音菩薩、怒りと争いの修羅道の者を救う。准胝観音菩薩(不空羂索観音菩薩)、人道の者を救う。
8、
【人生の舞台、16の性格】外交官グループ、提唱者、仲介者、主唱者、広報運動家。番人グループ、管理者、擁護者、幹部、領事官。探検隊グループ、巨匠、冒険家、起業家、エンターテイナー。分析家グループ、建築家、論理学者、指揮官、討論者。人生の舞台、必殺技をどう披露するか。卓越した技、強み弱み、どう発揮する。織田信長は、明晰透徹な指揮官、武の七徳を探求する。
9,
愛と智慧と慈悲の高みに到着する。藝術家と思想家の運命との戦い。大久保正雄『旅する哲学者、美への旅』
――
【フランソワ・ジェラール『アモルとプシュケ』1798年】
プシュケはある王国の三女であったが 、プシュケはあまりの美貌ゆえに求婚するものが現れず、神託により人身御供に捧げられた。ヴィーナスが美しさに嫉妬して遣わした息子アモルは見惚れる。自分の矢で傷つき、アモルによって天上の宮殿に略奪された。アモル を見ることを禁じられたプシュケは、アモルの姿をある夜、見てしまい、アモルを探し求めて世界中を彷徨う。ヴィーナスに4つの苦難を与えられたプシュケ。
【最後の難題は、冥界の女王ペルセポネから、美の函を地獄から持ち帰ること】プシュケはほとんど地上まで持ち帰るが、好奇心に勝てず、開けてしまう。しかしその函には、美のかわりに深い眠りが入っていて、プシュケは深い眠りにつく。プシュケは第4の苦難を解き、他方、アモルはプシュケを探している。眠っているプシュケを見つけ、その矢でついて目覚めさせる。プシュケは、アモルと天上界で結ばれる。
ルーヴル美術館、愛を描く・・・愛の絵画、愛と美の迷宮
https://bit.ly/3U0Hpoh
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参考文献
大久保正雄「ルネサンス、メディチ家と織田信長」
https://t.co/J6q12oMYUX
織田信長、天の理念のための戦い。徳姫の戦い・・・愛と美と復讐
https://bit.ly/3MGfJAS
織田信長、理念を探求する精神・・・美と復讐
https://bit.ly/3ryn9gI
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
密教経典『理趣経』・・・空海と金剛界曼荼羅
https://bit.ly/2H2diKc
旅する哲学者、ソクラテスの戦い ソクラテスの祈り
https://t.co/gW05rsb44i
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
https://bit.ly/3sIf3RW
大久保 正雄『ことばによる戦いの歴史としての哲学史 理性の微笑み』 理想社
https://bit.ly/3qv01OA
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宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
https://bit.ly/3Tcilcj
ツタンカーメン発掘100年・・・古代エジプトの王と王妃と女王
https://bit.ly/3usmqyp
2023年、美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-e79299.html
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新古典主義、ダヴィッドと弟子たち・・・「ソクラテスの死」「アモルとプシュケ」
https://bit.ly/40uIiI2
★★★
仏教史、哲学史
仏教2500年の旅 仏陀入滅、アレクサンドロス大王、瑜伽行唯識学派、密教
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-d241f1.html
運慶の旅、金剛界、大日如来・・・東寺講堂、円城寺、光得寺、彼方へ
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-f2daa5.html
プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-83ae10.html
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2024美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/12/post-3dea7b.html
2025 長楽万年 蘇る不滅の精神 美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-3c0431.html

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