無料ブログはココログ

« 醍醐寺 国宝展・・・理源大師聖宝、秀吉の醍醐の花見 | トップページ | 『仏説魔訶般若波羅蜜多心経』 »

2024年8月 8日 (木)

田名網敬一 記憶の冒険・・・永遠に熟さず、老いず、極彩色の彼岸と此岸

Tanaamikeiichi-0-nact-2024
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第374回
田名網敬一は、45歳の時、大病するが生還。生死の境を彷徨し、以後、死を意識して今がある。いつまでも熟さず、老いず。不熟。1936年生まれ、88歳で、サイケデリックなデザイナー。横尾忠則、村上隆、彼らも、老いず。混沌、豊穣、奇想天外なモチーフと極彩色。極彩色の彼岸と此岸。
「彼岸と此岸」をつなぐ橋
展示室の始めに「聖なるものと俗なるもの」「彼岸と此岸」をつなぐ暗喩としての太鼓橋がうず高く積み上げられた新作インスタレーション《百橋図》がお出迎え。内覧会に、田名網敬一の水色と黄色の極彩色の着物を着た若い女性がやってきた。
You are never too old to learn.学ぶのに老いすぎているということはない。いくつになっても学ぶことはできる。
老いるまで生き、老いるまで学ぶ。人不会因为上了年纪而不能学习,活到老学到老。(年老いたからといって学べないということは無い、一生勉強)
【イメージディレクター】武蔵野美術大学デザイン科に入学後、篠原有司男、赤瀬川原平、荒川修作らと出会い、彼らの活動に最前線で触れながら、1957年に日本宣伝美術会主催の日宣美展で特選を受賞。在学中からデザイナーとして仕事を依頼されるようになり、卒業後は博報堂に入社。2年ほどで退職した後は画廊での展示に固執せず、1966年にはアーティストとしての出発点ともいえる作品集『田名網敬一の肖像』を出版。自らを「イメージディレクター」と名乗る。
――
勝利に溺れる人々。スポーツ・映画・性欲に溺れる大衆。勝つこと、名誉を崇拝する勝利主義に異議を唱えるソクラテス・プラトンは現代社会で軽蔑される。成功は人生の価値であるか。考えるべき時である。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
展示作品の一部
《Gold Fish》1975年、アクリル絵具/イラストレーションボード、36.4×51.5cm
《キリコ劇場》2009年、アクリル絵具/カンヴァス、195×145.5cm
《彼岸の空間と此岸の空間》2017年
《森の掟》2024年、顔料インク、アクリル・シルクスクリーン、ガラスの粉末、ラメ、アクリル/カンヴァス、251×200cm
――
参考文献
田名網敬一 記憶の冒険・・・永遠に熟さず、老いず、極彩色の彼岸と此岸
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-44855a.html
――
現代の越境者 田名網敬一
近年、急速に再評価が進む日本人アーティスト、田名網敬一。武蔵野美術大学在学中にデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、1975年には日本版月刊『PLAYBOY』の初代アートディレクターを務めるなど、雑誌や広告を主な舞台に日本のアンダーグラウンドなアートシーンを牽引してきました。その一方で、1960年代よりデザイナーとして培った方法論、技術を駆使し、現在に至るまで絵画、コラージュ、立体作品、アニメーション、実験映像、インスタレーションなど、ジャンルや既存のルールに捉われることなく精力的に制作を続け、美術史の文脈にとって重要な爪痕を残してきました。 本展は、現代的アーティスト像のロールモデルとも呼べる田名網の60年以上にわたる創作活動に、初公開の最新作を含む膨大な作品数で迫る、初の大規模回顧展です。
――
田名網敬一(たなあみ けいいち)
1936 年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、実験映像及びアニメーション作家、アーティストなど、そのジャンルを横断した類まれな創作活動により、他の追随を許さない地位を築いている。近年の田名網の主要な展覧会として、「パラヴェンティ: 田名網 敬一」(プラダ青山店、東京、2023 年)、「マンハッタン・ユニヴァース」(ヴィーナス・オーヴァー・マンハッタン、ニューヨーク、2022 年)、「世界を映す鏡」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2022 年)、「Keiichi Tanaami」(ルツェルン美術館、スイス、2019 年)、「Keiichi Tanaami」(ジェフリー・ダイチ、ニューヨーク、2019 年)。また、グループ展としてポップアートの大回顧展「インターナショナル・ポップ」(ウォーカー・アート・センター、ダラス美術館、フィラデルフィア美術館、アメリカ、2015-2016 年)、「世界はポップになる」(テート・モダン、ロンドン、2015 年) などがある。パブリックコレクションに、ニューヨーク近代美術館(アメリカ)、ウォーカー・アート・センター(アメリカ)、シカゴ美術館(アメリカ)、M+(香港)、ナショナル・ポートレート・ギャラリー(アメリカ)、ハンブルガー・バーンホフ(ドイツ) など多数。
――
田名網敬一 記憶の冒険
Keiichi Tanaami: Adventures in Memory
国立新美術館、2024年8月7日(水) ~ 2024年11月11日(月)

« 醍醐寺 国宝展・・・理源大師聖宝、秀吉の醍醐の花見 | トップページ | 『仏説魔訶般若波羅蜜多心経』 »

現代美術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 醍醐寺 国宝展・・・理源大師聖宝、秀吉の醍醐の花見 | トップページ | 『仏説魔訶般若波羅蜜多心経』 »

最近のトラックバック

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30