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2023年12月

2023年12月31日 (日)

2023年、美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第353回
フランソワ・ジェラール『アモルとプシュケ』1798年
プシュケはある王国の三女であったが 、プシュケはあまりの美貌ゆえに求婚するものが現れず、神託により人身御供に捧げられた。ヴィーナスが美しさに嫉妬して遣わした息子アモルは見惚れる。自分の矢で傷つき、アモルによって天上の宮殿に略奪された。アモルを見ることを禁じられたプシュケは、アモルの姿をある夜、見てしまい、アモルを探し求めて世界中を彷徨う。ヴィーナスに4つの苦難を与えられたプシュケ。
【最後の難題は、冥界の女王ペルセポネから、美の函を地獄から持ち帰ること】プシュケはほとんど地上まで持ち帰るが、好奇心に勝てず、開けてしまう。しかしその函には、美のかわりに深い眠りが入っていて、プシュケは深い眠りにつく。プシュケは第4の苦難を解き、他方、アモルはプシュケを探している。眠っているプシュケを見つけ、その矢でついて目覚めさせる。プシュケは、アモルと天上界で結ばれる。
ルーヴル美術館、愛を描く・・・愛の絵画、愛と美の迷宮
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【理念を追求する精神】邪知暴虐な権力と戦い、この世の闇の彼方に理想と美を求める。輝く天の仕事を成し遂げる。空海、孟子、織田信長、李白、プラトン。即身成仏、仁義礼智信、武の七徳、桃花流水杳然去、美の海の彼方の美のイデア、存在の彼方の善のイデア。
【師を選ぶ、学ぶことは重要だが、最も重要なのは先生の質である】【先生を選ぶ】師が優れているか否かが最も重要な要素である【学びの違い】学校、大学では先生を選べない【先生が持っている地図の大きさ】【先生が持つ基礎認知力、先生が持っている体系】空海は、大学寮明経科に入学したが退学、山林修行の旅に出る『聾瞽指帰』
【美の根拠はどこにあるのか】思想が美しいということは、美の根拠である。
【美しい詩の根拠】①内容が深い、②映像が鮮烈、③連想イメージの豊饒、④余韻が深い、⑤思想が高い、高い知性、⑥物語が深い、⑦容姿が美しい。ウィリアム・ブレイク『毒のある木』、宮澤賢治『インドラの網』、藤原定家「夢の浮橋」、プラトン『饗宴』、空海『三教指帰』序文
藤原定家『定家十体』藤原定家著と伝えられる。1213年以前に成立か。和歌を幽玄様・有心様などの一〇体に分類し、例歌を示す。幽玄様 長高様 有心様 事可然様 麗様 見様 面白様 濃様 有一節様 拉鬼様。
『毎月抄』藤原定家、承久元年(1219)中心は、和歌を十体(じってい)に分けて説き、その中心として「有心体(うしんてい)」をたてた点であるが、それは十体の一つであるとともに十体のすべてにもわたるとする。「有心」として説くのは作歌にあたっての観想の深さで、それが表現上に表れていることである。理想的な完成態は「秀逸体」として十体とは別に説かれる。藤平春男。そのほか心詞・花実の論,秀逸体論,本歌取りの技巧,題詠の方法,歌病,詠歌態度などについて説く。
【無心の境地】思想の中に、藝術の中に、美を発見するとき、学問僧は無心の境地になる。思想の書を書き、洗練していくことに没頭するとき、無心の境地に至ることができる。密教の三密、身密、口密、意蜜、の修行に没頭するとき、無心の境地に至る。大谷翔平の技を支える業は、修行僧のようである。秘密の身・口・意の三業。すなわち、仏の身体と言語と心によってなされる不思議なはたらき。また、密教の行者が手に契印を結ぶ身密、口に真言を唱える口密、心に大日如来を観ずる意密。三密加持すれば速疾に顕わる『即身成仏義』(823-824頃)
【富は、苦労してかいた汗からではなく、深い思考から生まれる】人生に最も重要なのは俯瞰と設計。人生の方向性を考えること。設計図を持たない人、人生を飛躍させるためには、些細な事に時間を浪費してはいけない【壮大な計画を考えよ。人生の究極目的は魂を磨くことである】
どうする家康・・・織田信長、運命の美女、信長の葬儀、天を追求する一族
【利益重視の女はどんなにきれいでも嫁にしてはいけない。カマキリの雌は交尾後、雄を食べる。ハリガネムシとなって寄生する】アル中の向上心のない男と結婚する女はクズ。騙そうとする人は心地よい、体に悪いものは美味い、酒は万病の元。ガン、脳梗塞、痴呆症の原因は飲酒癖。
どうする家康、三井記念美術館・・・孤独な少年、竹千代、家康10の決断
長楽萬年 大願成就、健康長寿、良縁成就、学芸成就、事業成功、怨敵退散。大日如来、愛染明王の守護がありますように。幸運の女神が舞い降りる。真言陀羅尼を唱える。
2023年12月31日
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
1、
「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」・・・源氏物語絵巻の闇、日月四季山水図屏風、神護寺三像、平家納経
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-1388ed.html
2、
ルーヴル美術館、愛を描く・・・1、愛の絵画、愛と美の迷宮
https://bit.ly/3U0Hpoh
ルーヴル美術館展、愛を描く・・・2、キリスト教の愛、オランダ黄金時代、画中画の秘密
https://bit.ly/3Gjenu8
新古典主義、ダヴィッドと弟子たち・・・「ソクラテスの死」「アモルとプシュケ」
https://bit.ly/40uIiI2
3、
「永遠の都ローマ展」・・・カピトリーノのヴィーナス
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/09/post-29f875.html
「永遠の都ローマ」2・・・フォロ・ロマーノ
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-450352.html
ルーヴル美術館、愛を描く・・・1、愛の絵画、愛と美の迷宮
4
ガウディとサグラダ・ファミリア展・・・ガウディ「降誕の正面」、森を表現した内部空間、石のバイブル
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/06/post-f98c8f.html
5
どうする家康、三井記念美術館・・・孤独な少年、竹千代、家康10の決断
https://bit.ly/3oBk8NX
どうする家康・・・織田信長、運命の美女、信長の葬儀、天を追求する一族
https://bit.ly/3njDXJm
6
東洋陶磁、安宅コレクション名品選101・・・狂気と礼節のコレクター、美的な価値の基準はどこにあるのか
https://bit.ly/40u9Bl4
不変/普遍の造形—中国青銅器名品選・・・饕餮文、鴟鴞文、殷周の謎の文様
https://bit.ly/3HmqojF
楽しい隠遁生活・・・山水に遊ぶ、桃源郷、李白「望廬山観瀑」、北斎「李白観瀑図」
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/09/post-e3a559.html
7
親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞—生涯と名宝・・・『歎異抄』善人なほもて往生をとぐ
https://bit.ly/3B53Xvn
特別展、東福寺・・・円爾、九条道家、吉山明兆、無準師範
https://bit.ly/3JmEdye
8
甲斐荘楠音の全貌・・・退廃の美薫る、謎多き画家、東映京都の時代考証家、趣味人、レオナルドの面影
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/07/post-6cb36a.html
佐伯祐三 自画像としての風景・・・世紀末の旅人
https://bit.ly/3wx4tQw
9
虫めづる日本の人々・・・喜多川歌麿「夏姿美人図」鳴かぬ蛍が身を焦がす
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/07/post-6032f9.html
激動の時代 幕末明治の絵師たち・・・狩野一信、歌川国芳、歌川芳艶、芳年、小林清規
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-8f11b0.html
10
モネ 連作の情景・・・人生の光と影
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-220389.html
キュビスム展─美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ・・・美の根拠はどこにある
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-8e9885.html
イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル・・・ファッション・デザイナーは、なぜゲイなのか
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-2092fe.html
憧憬の地 ブルターニュ・・・最果ての地と画家たち
https://bit.ly/3ZkZsX8
諏訪敦「眼窩裏の火事」・・・亡き人の魂の召喚、生と死の狭間の対話
https://bit.ly/3I6MRjM
マリー・ローランサンとモード・・・ココ・シャネル、1920狂乱のパリ、カール・ラガーフェルド
https://bit.ly/3YirToj
春陽会誕生100年 それぞれの闘い、岡鹿之助、長谷川潔、岸田劉生・・・孤高の藝術家、静謐な空間、時の旅人
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-4d7b04.html
芳幾・芳年-国芳門下の2大ライバル・・・世紀末の浮世絵、歌川国芳、落合芳幾、月岡芳年、残虐の世界
https://bit.ly/3ZX1r4Q
「日本画聖地巡礼 ―東山魁夷の京都、奥村土牛の鳴門―」・・・速水御舟 『名樹散椿』、美の根拠はどこに
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-3c178f.html
大阪の日本画・・・北野恒富、妖艶、退廃的、悪魔派、白耀社
https://bit.ly/3NYlPzD
「恐竜博2023」、装盾類、鎧竜ズール、ティラノサウルス・タイソン
http://bit.ly/3N1fQYT
「小林古径と速水御舟 ─画壇を揺るがした二人の天才─」・・・生涯の友
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/06/post-faf95f.html
テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ・・・ウィリアム・ブレイクの幻想
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-754901.html
ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/06/post-00e373.html
マティス展・・・南仏の光《豪奢、静寂、逸楽》、色彩と線への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-c2781f.html
エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才・・・ウィーン世紀末、分離派、象徴派、退廃藝術
https://bit.ly/3RuioRb
激動の時代 幕末明治の絵師たち・・・狩野一信、歌川国芳、歌川芳艶、芳年、小林清規
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-8f11b0.html
特別展 日本画に挑んだ精鋭たち ―菱田春草、上村松園、川端龍子から松尾敏男へ―
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-cc9c4e.html
★★★
研究編
プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-83ae10.html
新古典主義、ダヴィッドと弟子たち・・・「ソクラテスの死」「アモルとプシュケ」
https://bit.ly/40uIiI2
★★★
仏教史
仏教2500年の旅 仏陀入滅、アレクサンドロス大王、瑜伽行唯識学派、密教
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-d241f1.html
運慶の旅、金剛界、大日如来・・・東寺講堂、円城寺、光得寺、彼方へ
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-f2daa5.html
★★★
ルネサンスの美
ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス、シャンボール城、アンボワーズ城、フォンテーヌブロー宮殿、シュノンソー城
ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス
https://bit.ly/40wwlBW
メディチ家とフランソワ1世・・・レオナルド、塔の城、ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ、ジョルジョーネ
https://bit.ly/3K1mZs7
★★★
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
https://bit.ly/3xYWHQv
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
https://bit.ly/3Tcilcj
★★★
講演会
中野晃一講演会『強者の支配か自由な共存か』【質疑応答】問題篇、上智大学、ソフィア文化芸術ネットワーク
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/06/post-75634b.html
中野晃一講演会『強者の支配か自由な共存か』【質疑応答】解答篇、上智大学、ソフィア文化芸術ネットワーク
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-1a73db.html
――
2023年、美術展ベスト10・・・旅する哲学者、美への旅
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-e79299.html

2023年12月28日 (木)

プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第352回
メディチ家のプラトン・アカデミーと反ルネサンスの戦いの歴史は、今も続いている。形而上学は『純粋理性批判』(1781)によって解体された。イデア論の困難はプラトン『パルメニデス』に予見されている。
「ヨーロッパの哲学的伝統はプラトンへの一連の脚注から成り立っている」ホワイトヘッド『過程と実在』1929。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
1
【プラトン哲学の戦い】【プラトン哲学とアリストテレス哲学のディレンマ】プラトン哲学は本質主義であり、精神主義。アリストテレス哲学は個体主義(物質主義であり、経験主義。【方法論】プラトン哲学『パイドン』は「現象をエイドスにおいて観る」、アリストテレス哲学『自然学』は「現象を救う」【論争、矛盾】プラトン『パルメニデス』「個と個を眺めて共通点を見出し、エイドスを求める。第三のエイドスが現れ無限背進に陥る」アリストテレス『形而上学』「定義(ホリスモス)はエイドスについてのみ成り立つ」
【哲学者の死 ソクラテス(BC469-399)70歳、プラトン(BC 427-347)74歳、アリストテレス(BC 384-322)62歳】【ソクラテス以前の哲学者】タレス(BC624-546)、ピュタゴラス(BC6C)、パルメニデス(BC544-501)、ヘラクレイトス(BC540)、エムペドクレス(BC493-423)、デモクリトス(BC460-370)、アナクシマンドロス(BC670-546)、アナクシメネス(?-BC525)、アナクサゴラス【ソフィスト】プロタゴラス(BC500-430)、ゴルギアス(BC496-376)
アリストテレス『第一哲学』の分裂
【アリストテレス『第一哲学』「ある」ト・オンの第一原因を探究する】「ある」ト・オンは、カテゴリアイ(述語)について多義的に語られる『カテゴリアイ』。事物の何であるか、「実体」を主語に語られる。「存在とは何か」「第一原因」を問うことは、「実体とは何か」を問うことに帰一。『形而上学』第7巻「実体論」は、「本質」と「離存」を実体の二要件として、「形相」こそが「第一実体」と結論する。「個」「基体」は第二実体である。第12巻「神学」、第一の不動の動者、質料をもたない完全現実態(エンテレケイア)としての「神」を論述。だが、アリストテレスは存在探究の第一原因に神を求めながら、神を原理とする哲学体系を構築しない。出隆『アリストテレス哲学』『形而上学』G.E.R.ロイド『アリストテレス』
【プラトン哲学とアリストテレス哲学の対立】1,方法論、「ロゴスにおいて考察する」(エン・トイス・ロゴイス・スコペイン)プラトン『パイドン』、「ソーゼイン・タ・パイノメナ(現象を救う)」アリストテレス『自然学』『形而上学』、2,存在論「生成消滅するものと存在するものとの対比」「変化するものと不変のものとの対比」プラトン『パイドン』『国家』『パイドロス』『饗宴』『パルメニデス』、「四原因論、本質、質料、始動、目的」アリストテレス『自然学』『形而上学』、「実体とは個物(トデ・ティ)である」「実体とは基体(ヒュポケイメノン)である」アリストテレス『形而上学』『カテゴリアイ』、3、イデア論、「第3人間論」プラトン『パルメニデス』、イデア論に対するアリストテレスの批判。アリストテレス『形而上学』、20世紀アリストテレス主義=中期プラトン哲学否定説=GEL.Owenアリストテリアン・ソサエティ
【古代ギリシア懐疑主義の出発点】懐疑主義(ホイ・スケプティコイ)は、教義主義(ホイ・ドグマティコイ)を論敵とし、考察(スケプシス)、探求を停止させる元凶として批判した。判断保留(エポケー)して無動揺・平静・安心(アタラクシア)に至ろうとした。古代ギリシア懐疑主義の出発点、書物を書かなかったピュロン(BC365-270)の弟子ティモン(BC325-235)は判断中止(エポケー)によって無動揺・平静・安心(アタラクシア)に至ることを説き、生活、実践した。【アカデメイア派の懐疑主義(スケプティコイ)化】
アルケシラオス(BC315-240)は、プラトン初期対話篇、『パルメニデス』イデア論批判、『テアイテトス』知識の定義の挫折によって判断留保を説く。ゼノン(BC335-263)が創設したドグマティスト学派、ストア派を論駁した。
【アカデメイア派とストア派の論戦、100年BC3C-2C】
アカデメイア派のアルケシラオスとカルネアデス(BC214-129)とストア派のクリュシッポス(BC280-207)
【ヘレニズム諸学派、物質主義と経験主義】
【ストア派の認識】物質的な魂の統括的部分が感覚的に受ける物質的変容=表象、現れ(パンタシアー)であるとした。表象に対して、同意・承認(シュンカタテシス)を行う。虚偽を避け、真理を得るために、真理の基準(クリテリオン)を必要とする。ストア派は、知識構築の土台の基準として把握的表象(カタレープティケー・パンタシア)とした。把握的表象を承認することによって把握(カタレープシス)が成立する。
【アカデメイア派のストア派に対する批判】把握的表象についても、真実の表象と虚偽の表象が存在する。判断留保(エポケー)しなければならない。
【ストア派のアカデメイア派に対する反論】ストア派の賢者は、把握的表象のみを承認し、それ以外の判断を留保する。【アカデメイア派のストア派に対する批判】真なる信念としてなにかを知ることは不可能だとするアカデメイア的懐疑論。
【ピュロン主義、懐疑主義の300年】アイネシデモス(1C)は、アカデメイア派を離れ、ピュロン主義の名のもとに、【懐疑主義の10の方式】懐疑主義の10の方式(トロポス)を導入した。方式(トロポス)とは、対立する現れを提示し、現れ双方の信憑性が等しく、優劣がつかないことを示すことを示すことによって、判断留保に導く議論の方法である。現れの対立を、動物の種類、人間、感覚器官、状況、等、10の条件に基づいて10の方式を体系的に示した。
【『ピュロン主義哲学の概要』セクストス・エンペイリコス】(Σέξτος Ἐμπειρικός: Sextus Empiricus, 2世紀~3世紀)は、ローマ帝国期ギリシアの懐疑主義。セクストスは、信念を放棄すること、すなわち何かを知ることができるかどうかという判断を停止することを提案する。判断停止することによってのみ、我々はアタラクシア(心の平安)を得ることができる。セクストスは知識そのものの可能性を否定することはしない。真なる信念としてなにかを知ることは不可能だとするアカデメイア的懐疑論の立場をセクストスは批判する。
――
プラトン哲学の戦い
2
【神々の黄昏、プラトン哲学とローマ帝国との戦い】
新プラトン主義【プロティノス『エンネアデス』301】プロティノス(205-270)の弟子ポリュフュリオス(『プロティノス伝』)が編集、シリア派の新プラトン主義イアンブリコス(プラトン哲学とアリストテレス哲学の一致を目指すローマ期ポリュフュリオスの弟子であった)に思想的対決するため、プロティノスの死後30年、ポリュフュリオスはプロティノス全集を公刊に踏み切った。ピュタゴラス・プラトン派は「書かれた文字」への不信のゆえ、ポリュフュリオスは弟子に勧められて49歳から著述を始めた。
【プロティノスの思想】【三つの原理】一者(ト・ヘン)→知性(ヌース)→魂(プシューケー)
【万物の根源】一は万物であり、一つではない。「一」は万物の原理であって、万物と同一ではない。第5巻第2篇。【流出説】運動するものには、そこに向けて動く目的がなければならない。しかし、あの神にはいかなる目的もないのだから、神は運動しないとわれわれは定立するのである。第5巻第1篇。【神秘的合一としての脱我】(第一の観照は)たぶん観照ではないであろう。それは出会いの別の方式であって、いやしくも至聖所にあるものを見ようとするならば、脱我であり、純化であり、自己贈与であり、触れることに身を延ばすことであり、静止であり、合一への精神集中である。
【コンスタンティヌス1世(在位:306年-337年)、313年発布『ミラノ勅令』】【それまでローマ帝国はキリスト教を拒否】コンスタンティヌス1世【キリスト教に好意的であった理由、その改宗の動機は判然とは分っていない】
【コンスタンティヌス1世】(270頃2月27日-337年5月22日)67歳で死す。(在位:306年-337年)、313年発布『ミラノ勅令』】ローマ帝国においてキリスト教を公認したとされる。非正統宗派への弾圧にも初めて手を付けた。325年にキリスト教の歴史で最初の全教会規模の公会議(第1ニカイア公会議)を招集した。この会議とその後の経過によってニカイア派(アタナシウス派)が正統の地位を占めていく
351年、ガッルスは東方のサーサーン朝の脅威に対するため、副帝としてコンスタンティウス2世に登用された。その一方で、ユリアヌスは変わらず勉学に勤しみ、ペルガモンにいたアエデシオス (Aedesius) や、エペソスのマクシムス (Maximus) [注釈 6]など、小アジアの新プラトン主義の大家のもとを訪れている。
――
【皇帝ユリアヌス、キリスト教との戦い】皇帝ユリアヌス(331年⁻ 363年6月26日) 『皇帝饗宴』『ガリラヤ人を駁す』『王なる太陽への賛歌』。在位2年。36歳で死す。
コンスタンティノポリスで修辞学を学んだのち、ニコメディアへ留学した。この地で哲学者リバニオス (Libanius) の講義を、間接的にではあるが受けることができ[注釈 5]、ユリアヌスは新プラトン主義の影響を強く受けるようになる。342年、追放地にて、カッパドキアのゲオルギウス (Georgius) の蔵書を用いて勉学に励んでいた。351年、ペルガモンにいたアエデシオス (Aedesius) や、エペソスのマクシムス (Maximus) [注釈 6]など、小アジアの新プラトン主義の大家のもとを訪れている。
【皇帝ユリアヌス、新プラトン主義、】コンスタンティヌス大帝の甥。コンスタンティウス2世により父と母を暗殺される。ニコメディアの哲学者リバニオス (Libanius) 、カッパドキアのゲオルギウス (Georgius) 、ペルガモンにいたアエデシオス (Aedesius) 、エペソスのマクシムス (Maximus) に学ぶ。(331年⁻363年6月26日) 在位2年。36歳で死す。
【皇帝ユリアヌス、新プラトン主義、背教者と呼ぶのは不当である】 (331年⁻ 在位361-363年6月26日) 『皇帝饗宴』『ガリラヤ人を駁す』『王なる太陽への賛歌』。在位2年。36歳で死す。コンスタンティヌス朝の皇帝の一人で、皇帝コンスタンティヌス1世(大帝)の甥。最後の「異教徒皇帝」。異教復興を掲げキリスト教への優遇を改めたため「背教者(Apostata)」とも呼ばれる。皇帝コンスタンティウス2世の陰謀により家族を暗殺された。
【プラトン哲学の戦い、6世紀】【皇帝ユスティニアヌス1世、アテナイのアカデメイア閉鎖】529年、皇帝ユスティニアヌス1世(483-565)は、アテナイのアカデメイア閉鎖を命令。プラトンがBC387年に開いて以來、アカデメイア9百年の歴史が息の根を止められる。
【プラトン哲学とアリストテレス哲学の戦い、14世紀】プラトン哲学は本質主義、アリストテレス哲学は個体主義である【『神学大全』1273】トマス=アクィナスが、キリスト教神学をアリストテレス哲学で解釈、神の存在証明、1270年と死後の1277年、パリ司教の手で異端宣告【普遍論争】トマス・アクィナス(1225年頃⁻1274年)実在論、ウィリアム・オッカム(1285年⁻1347年)唯名論【オッカムの剃刀】「個が唯一の実在、説明されるべきは個体のみ」【神学崩壊】神の存在証明の破綻、個体化の原理の破綻。
【プラトン哲学とアリストテレス哲学の戦い、プラトン哲学のイデアとアリストテレスの個体主義=基体主義】
――
3
【プラトン哲学の戦い、15-16世紀】【ルネサンス、メディチ家とバチカンとの戦い、1439-1499】ルネサンスはなぜ終わったのか。
【ルネサンスの死 1499】1492年、ロレンツォ・デ・メディチ43歳。1478年4月26日、ジュリアーノ・デ・メディチ25歳。アンジェロ・ポリツィアーノ39歳。ミランドラ31歳。フ1499,フィチーノ62歳。1510、ボッティチェリ65歳。1564、ミケランジェロ88歳。
【メディチ家、プラトン・アカデミー、思想家の死1499年】1439、コジモ・デ・メディチ、プラトン・アカデミーを構想。1464、コジモ・デ・メディチ74歳。1492、ロレンツォ・デ・メディチ43歳。1499,フィチーノ62歳。1519年レオナルド・ダ・ヴィンチ66歳。1520年ラファエロ11歳で孤児37歳死す。1564年ミケランジェロ88歳。1600年ジョルダーノ・ブルーノ52歳
【ジョルダーノ・ブルーノ『無限、宇宙と諸世界について』1584】【異端審問、ジョルダーノ・ブルーノ(1546-1600)処刑】【知性と権力】
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【プラトン哲学の戦い、15-18世紀】【理性主義と経験主義の戦い】デカルト『方法序説』1637、ベーコン『新機関』1620ジョン・ロック『人間知性論』1689ジョージ・バークリー『人知原理論』1709デイヴィッド・ヒューム『人性論』1739
【プラトン哲学の戦い、18-19世紀】【カントとドイツ観念論】カント『純粋理性批判』1781、ヘーゲル『精神現象学』1807、フィヒテ『全知識学の基礎』1794シェリング『先験的観念論の体系』1800【生の哲学】『意志と表象としての世界』1819、『ツァラトゥストラ』1885『悲劇の誕生』1872
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【フィヒテ『全知識学の基礎』1794】人間のすべての認識を基礎づける知識学は絶対に確実な認識に依拠しなければならない。「私は存在する」という私の意識(自我)こそがそれである。知る働きと知られる対象とが同じ私だからである。「自我」は三つの契機を含んでおり、それが知識学の三つの根本命題となる。「知識学」の第一原則「自我は根源的・端的に自分自身を定立する」。第二原則〔定立する〕自我に対して端的に非我が反定立される。第三原則「自我は自我の中において、可分的自我に対して可分的非我を反定立する」
【シェリング『先験的観念論の体系』1800】精神(自我)と自然(非我)を超克するには、精神を原理として自然を生み出すか、自然を原理として精神を生み出す。理想と現実、精神と自然の矛盾を超えることができるのは、藝術においてである。赤松元通訳『先験的観念論の体系』蒼樹社
【ヘーゲル『精神現象学』1807】絶対者は精神であり、有限なる者と無限なる者を止揚(Aufheben)した統一者である。絶対精神の自己意識の自己展開の歩みが歴史である。
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参考文献
ルネサンス、メディチ家の戦い
孤高の藝術家、ミケランジェロ・・・メディチ家の戦いと美の探求、プラトンアカデミー
大久保正雄「メディチ家とプラトン・アカデミー イタリア・ルネサンスの美と世界遺産」
メディチ家の容貌、ルネサンスの美貌 理念を追求する一族
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
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宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
プラトン哲学の戦い アカデメイア派対ペリパトス派、ローマ帝国、普遍論争、ルネサンス、フランス革命
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-83ae10.html

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