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2023年2月

2023年2月19日 (日)

諏訪敦「眼窩裏の火事」・・・亡き人の魂の召喚、生と死の狭間の対話

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諏訪敦「眼窩裏の火事」・・・亡き人の魂の召喚、生と死の狭間の対話
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第315回
諏訪敦氏と名刺交換したのは、2010年1月、佐藤美術館である。新進気鋭の写実画家として活躍していた。その時は、今のような方向に展開するとは想像できなかった。生と死の狭間を生きる、亡き人の召喚、亡き人の記憶を写実絵画に描く。写実絵画は、リアリズムの絵画だが、それを超える試みである。宮澤賢治、プラトン哲学、空海の密教のような試みである。
亡き人の魂の召喚 亡き人の魂との対話
宮澤賢治『銀河鉄道の夜』『雁の童子』『インドラの網』は亡き人の魂の物語、亡き人の魂の召喚である。プラトン『パイドン』『饗宴』『国家』『パイドロス』は、亡き人の魂との対話である。プラトン哲学は生と死を超える知恵の探求であり、密教真言はこの世を超える法身、魔訶毘盧遮那仏への祈りである。
――
旅する哲学者、美への旅。海を超え、砂漠を越えて、美しい人と歩く黄昏の地中海。この世の最も美しいものは何か。
在りし日の己を愛するために思い出は美しくある。遠い過去よりまだ見ぬ人生は夢を実現するためにある。運命の扉を開けるのはあなた。鍵は手のひらの上にある。
黄昏の密教寺院、大日如来、愛染明王、密教真言を唱える。
美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護精霊が天人を救う。美しい魂は、輝く天の仕事を成し遂げる。
運命の美女が現れる。諦めずに鍛えてきたことが、次の舞台へ、運命の扉を開く。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
1,
『father』1996年は、父が死にゆく病院の姿である。父の脳裏には戦争末期、異国に残してきた祖母の姿が生きている。
『HARBIN1945WINTER』1995-96年は、父がハルビンに50年前残してきた、雪原に祖母が朽ち果てていく姿である。
『依代』2016-17年は、朽ち果てた祖母のありし日の蘇った姿である。
亡き人の召喚 亡き人の記憶を体験する
緻密な描写は写真と見紛うほど精細、生と死の狭間を行き交うイメージ、精緻に描き出された美しい女性や老齢の男女たち、この世ならぬ現実離れした印象である。
諏訪敦氏は、日本の写実絵画界の第一人者とされる画家である。写実絵画は、いかに描く対象に従順、忠実に写し出すかが使命である。諏訪敦氏が取り組んできたのは「写実性からの脱却」。絵画を制作するうえでの認識の質を追求し、写実主義の限界を越える取り組みを続けている。「基本的に美術は視覚がつかさどり、絵画は特に視覚に偏重したメディアです。ですが、誰が観ても同じと思われているものは、果たして本当に同じでしょうか?」。
2、
「眼窩裏(がんかうら)の火事」2020
18世紀に作られたワイングラスと、現代に作られたグラスとを描き分けたこの絵画には白濁した閃光が描かれている。画家が長年悩まされてきた、閃輝暗点(せんきあんてん)の症状を絵画に取り込んで描いたもの。実際には存在しない光だが、作者には見える現実が描かれている。
3、
「Mimesis」2022 亡き舞踏家の召喚 
舞踏家大野一雄は2010年に亡くなるが、パフォーマー川口隆夫の協力を得て、亡き舞踏家の召喚を試みる。
満州で病死した祖母をはじめとする家族の歴史を描いた第1章『棄民』、第2章『静物画について』、第3章『わたしたちはふたたびであう』で描かれた舞踏家・大野一雄氏の作品群のプロジェクトは、膨大な調査を要する取材過程を経て、写実絵画として制作されている。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
展示作品の一部
諏訪敦『HARBIN1945WINTER』1995-96年、広島市現代美術館蔵
『目の中の火事』2020年 白亜地パネルに油彩 27.3 × 45.5cm、東屋蔵
『Mimesis』2022年 キャンバス、パネルに油彩 259.0×162.0cm、作家蔵
『Solalis』2017年、作家蔵
『大野一雄立像』 1999 / 2022年 綿布、パネルに油彩 145.5×112cm、作家蔵
《大野一雄》2007。1200 × 1939 mm。Oil on Canvas、作家蔵
『father』1996年 パネルに油彩、テンペラ 122.6×200.0cm、佐藤美術館寄託
『依代』2016-17年 紙、パネルにミクストメディア 86.1×195.8cm、個人蔵
――
参考文献
諏訪敦「眼窩裏の火事」、府中市美術館HP
「諏訪敦、複眼リアリスト」佐藤美術館 2008
『諏訪敦作品集 Blue』2017
「芸術新潮」2023年2月号100年前のパンデミックで逝ったあの男が、いま甦る!エゴン・シーレ特集
諏訪敦さん「『画家の眼』で認識を問い直す」:KKH-BRIDGE.com-KKH-BRIDGE 文化の枠を越えるメディア
諏訪敦「眼窩裏の火事」・・・亡き人の魂の召喚、生と死の狭間の対話
https://bit.ly/3I6MRjM
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諏訪敦「眼窩裏の火事」、府中市美術館
《依代》2016-17年 紙、パネルにミクストメディア 86.1×195.8cm 個人蔵
緻密で再現性の高い画風で知られる諏訪敦は、しばしば写実絵画のトップランナーと目されてきました。
しかしその作品を紐解いていくと彼は、「実在する対象を、目に映るとおりに写す」という膠着した写実のジャンル性から脱却し、認識の質を問い直す意欲的な取り組みをしていることが解ります。
諏訪は、亡き人の肖像や過去の歴史的な出来事など、不在の対象を描いた経験値が高い画家です。丹念な調査の実践と過剰ともいえる取材量が特徴で、画家としては珍しい制作スタイルといえるでしょう。彼は眼では捉えきれない題材に肉薄し、新たな視覚像として提示しています。
今回の展覧会では、終戦直後の満州で病死した祖母をテーマにしたプロジェクト《棄民》、コロナ禍のなかで取り組んだ静物画の探究、そして絵画制作を通した像主との関係の永続性を示す作品群を紹介します。
それらの作品からは、「視ること、そして現すこと」を問い続け、絵画制作における認識の意味を拡張しようとする画家の姿が立ち上がってきます。
展示構成
第1章 棄民
死を悟った父が残した手記を手がかりに、幾人もの協力者を得ながら現地取材にのぞみ、諏訪はかつて明かされてこなかった家族の歴史を知り、絵画化していきます。
敗戦直後、旧満州の日本人難民収容所で母と弟を失った、少年時代の父が見たものとは。
《father》1996年 パネルに油彩、テンペラ 122.6×200.0cm 佐藤美術館寄託
《HARBIN 1945 WINTER》 2015-16年 キャンバス、パネルに油彩 145.5×227.3cm 広島市現代美術館蔵
第2章 静物画について
《不在》2015年 キャンバス、パネルに油彩 32.5×45.3cm 個人蔵
《まるさんかくしかく》2020-22年 キャンバスに油彩 50.0×72.7cm 作家蔵
コロナ禍のさなか諏訪は、猿山修と森岡督行の3人で「藝術探検隊(仮)」というユニットを結成し、『芸術新潮』(2020年6月~8月号)誌上で静物画をテーマにした集中連載に取り組みました。静物画にまつわる歴史を遡行し制作された作品の数々。そこには、写実絵画の歴史を俯瞰した考察が込められています。
第3章 わたしたちはふたたびであう
《Solaris》 2017-21年 白亜地パネルに油彩 91.0×60.7cm 作家蔵
人間を描くとは如何なることか?絵画にできることは何か?
途切れることのない肖像画の依頼、着手を待つ制作途中の作品たち。ときには像主を死によって失うなど、忘れがたい人たちとの協働を繰り返してきた諏訪がたどり着いたのは「描き続ける限り、その人が立ち去ることはない」という確信にも似た感覚でした。
1999年から描き続けていた舞踏家・大野一雄は2010年に亡くなってしまいます。しかし、諏訪はさらに、気鋭のパフォーマー・川口隆夫の協力を得て亡き舞踏家の召喚を試み、異なる時間軸を生きた対象を写し描くことの意味を再検討します。
《Mimesis》2022年 キャンバス、パネルに油彩 259.0×162.0cm 作家蔵
展覧会タイトル「眼窩裏の火事」について
《目の中の火事》2020年 白亜地パネルに油彩 27.3×45.5cm 東屋蔵
ときに視野の中心が溶解する現象や、辺縁で脈打つ強烈な光に悩まされることが諏訪にはある。それは閃輝暗点という脳の血流に関係する症状で、一般的には光輪やギザギザした光り輝く歯車のようなものが視野にあらわれるという。したがってここに描かれているガラス器を歪め覆う靄のような光は現実には存在しない。しかしそれは画家が体験したビジョンに他ならない。
諏訪敦(すわあつし)画家
1967年北海道生まれ。
1994年に文化庁派遣芸術家在外研修員としてスペイン・マドリードに滞在。帰国後、舞踏家の大野一雄・慶人親子を描いたシリーズ作品を制作。制作にあたり、緻密なリサーチを行った上で対象を描くスタイルで、祖父母一家の満州引き揚げの足跡を辿った《棄民》シリーズなどを展開している。成山画廊、Kwai Fung Hin Art Gallery(香港)など、内外で発表を続けている。
2011年NHK『日曜美術館 記憶に辿り着く絵画〜亡き人を描く画家〜』で単独特集、2016年NHKETV特集『忘れられた人々の肖像〜画家・諏訪敦“満州難民”を描く〜』が放送された。2018年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授に就任。画集に『どうせなにもみえない』『Blue』など。
(2020年11月16日大野一雄舞踏研究所にて川口隆夫を描く諏訪敦 撮影:野村佐紀子)
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諏訪敦「眼窩裏の火事」、府中市美術館、12月17日(土)〜2月26日(日)

2023年2月10日 (金)

メディチ家の戦い・・・フランソワ1世、塔の城、ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ、ジョルジョーネ

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第314回
旅する哲学者、美への旅。海を超え、砂漠を越えて、美しい人と歩く黄昏の地中海。この世の最も美しいものは何か。
在りし日の己を愛するために思い出は美しくある。遠い過去よりまだ見ぬ人生は夢を実現するためにある。運命の扉を開けるのはあなた。鍵は手のひらの上に。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。本質は目で見えない。人が本当に見ることができるのは心によってだけである。
黄昏の密教寺院、大日如来、愛染明王、密教真言を唱える。
美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護精霊が天人を救う。美しい魂は、輝く天の仕事を成し遂げる。
運命の美女が現れる。諦めずに鍛えてきたことが、次の舞台へ、運命の扉を開く。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【シャンボール城、フランソワ1世、塔の城】フランス・ルネッサンス建築の最高傑作。ロワール渓谷に犇めく古城のなかで最大、パリ市規模「イントラミュロス・パリ(城壁の中のパリ)」。部屋の数は440、階段は約80、365本の塔を持つ。天井や壁、城の至る所に、フランソワ1世の紋章であるサラマンダーの装飾が刻まれている。サラマンダーは「我は善なる火を燃え上がらせ、悪なる火を消し去る」という格言がある。
【レオナルド】1516年、64歳の時から、1519年に67歳で亡くなるまで、フランスで暮らした。即位して間もないフランソワ1世が、ダ・ヴィンチを「王の最初の画家、建築家、技術者」としてフランスに招いた。パトロン、スフォルツァが亡くなり、イタリアで不遇の日々を送っており、20歳を過ぎたばかりの若きフランス王の招待に応じた。『モナリザ』『聖アンナ』『洗礼者ヨハネ』を携えてフランスを訪れ、フランソワ1世から提供されたロワール川沿いの都市アンポワーズのクルー館で、晩年を過ごした。レオナルドは、2重螺旋階段の設計をした。
【シュノンソー城 Chateau de Chenonceau】16世紀の創設以来、代々の城主が女性「6人の女の城」と呼ばれている。ロワール川の支流シェール川にかかるように建つ城で、3番目の城主カトリーヌ・ド・メディシス(1519~1589年)によって橋の上にギャラリーが造られ、現在の姿となる。夫であるアンリ2世から愛された2番目の城主、ディアヌ・ド・ポワティエ(1499~1566年)とカトリーヌの相克の果て、手に入れた。
――
1、メディチ家、プラトン・アカデミー
【メディチ家と法王との戦い】メディチ家はシクストゥス4世と戦い、ミケランジェロはユリウス2世と対決。メディチ家ジュリアーノはパッツィ家の陰謀で暗殺され、ロレンツォは1492年死に、詩人ポリツィアーノは毒殺され、ピコも毒殺、フィチーノは1499年死ぬ
【ボッティチェリ『春』1482】春の花の女神フローラのモデルは、ジュリアーノの恋人、シモネッタ・ヴェスプッチ(1453-1476)。メリクリウスのモデルはジュリアーノ・デ・メディチ(1453-1478)。1478年、25歳で殺害されたジュリアーノの青春の墓標。
――
2、ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ
【ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ(1479-1516)】友人はレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、アリオスト。レオナルド「モナ・リザ」を発注。ラファエロに肖像画を描かれ、ミケランジェロに彫刻に刻まれる。ロレンツォの3男、37歳で死す。
フランス王フランソワ1世の母方の叔母フィリベルタとフランス宮廷で結婚。フランス王フランソワ1世はジュリアーノにヌムール公位を授けた。文化人、宮廷人、友人にレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ルドヴィーコ・アリオスト、フランチェスコ・デル・ジョコンド。レオナルド「モナ・リザ」は、ジュリアーノからの依頼とされる。モデルは彼の愛人ではなく、フィレンツェの商人の妻ジョコンド夫人。ラファエロに肖像画を描かれ、ミケランジェロに彫刻に刻まれる。
――
3、レオナルドダとヴェネツィア、ジョルジョーネ
·【ジョルジョーネ、相思相愛】ジョルジョーネは楽才をもって多くの友を喜ばそうとせっせとサロンに出入りし、そのうちある女を恋するに至った。相思相愛であったが、1511年、女がペストにかかった。女はそれに気づかずにジョルジョーネと逢瀬を楽しみ、ジョルジョーネはペストに感染、34歳にしてあの世にみまかってしまった。ヴァザーリ『芸術家列伝』
ジョルジョーネ『眠れるヴィーナス』1510
レオナルド・ダ・ヴィンチは1500年、ヴェネツィアに行き、スフマート技法を教えた。1505年、ラファエロはフィレンツェで、レオナルド・ダ・ヴィンチ工房に行き、『レダ』『モナリザ』を見た。
レオナルド・ダ・ヴィンチは音楽もいくらか勉強したが、リラを弾くのを学ぼうと決心するや、この上なく気高く優雅な精神の持ち主らしく、すぐにそれに合わせて即興的に天使のように歌うのであった。ヴァザーリ『芸術家列伝』
――
参考文献
レオナルド・ダ・ヴィンチ『糸巻きの聖母』・・・レオナルド最後の旅
ロワールの古城めぐり フランソワ1世、カトリーヌ・ド・メディシス
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第79回ロワールの古城めぐりP38-42
ルネサンス年代記 レオナルド最後の旅、フランソワ1世
孤高の藝術家、ミケランジェロ・・・メディチ家の戦いと美の探求、プラトンアカデミー
「ミケランジェロと理想の身体」・・・孤高の藝術家、ミケランジェロ、生涯と藝術
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス、シャンボール城、アンボワーズ城、フォンテーヌブロー宮殿、シュノンソー城
ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス
メディチ家の戦い・・・フランソワ1世、塔の城、ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ、ジョルジョーネ
――
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長
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2023年2月 4日 (土)

ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』第313回

旅する哲学者、美への旅。詩の国、黄昏の国、愛の国、美の国、本質の国、海を超え、砂漠を越えて、愛を語る夕べの宴。美しい人と歩く黄昏の地中海。この世の最も美しいものは何か。
在りし日の己を愛するために思い出は美しくある。遠い過去よりまだ見ぬ人生は夢を実現するためにある。運命の扉を開けるのはあなた。鍵はもう手のひらの上に。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。本質は目で見えない。人が本当に見ることができるのは心によってだけである。
黄昏の密教寺院、大日如来、愛染明王、密教真言を唱える。
美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護精霊が天人を救う。美しい魂は、輝く天の仕事を成し遂げる。
運命の美女が現れる。諦めずに鍛えてきたことが、次のステージへ、運命の扉を開く。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
フランソワ1世とルネサンス、フランソワ1世とレオナルド、シャンボール城、アンボワーズ城、フォンテーヌブロー宮殿、カトリーヌ・ド・メディシスとシュノンソー城
――
1、フランソワ1世とルネサンス、フランソワ1世とレオナルド、シャンボール城
【シャンボール城】ロワール渓谷の森に聳える。フランスルネサンスの最高傑作。狩猟の館、365の塔、440個の部屋に、282基の暖炉、暖炉へと繋がる365本の煙突に83の階段。フランソワ1世は20歳にして1515年即位。1516年レオナルドを招いてアンボワーズ城の館
【シャンボール城】ロワール渓谷の森に聳える。フランスルネサンスの最高傑作。狩猟の館、365の塔、440個の部屋に、282基の暖炉、暖炉へと繋がる365本の煙突に83の階段。フランソワ1世は20歳にして1515年即位。1516年、イタリアからレオナルド・ダ・ヴィンチを招いてアンボワーズ城の近くにあるクロ・リュセ城に、住まわせる。レオナルド設計構想、1519年から20年近くの月日をかけ1536年に完成。二重の螺旋階段は、万能の天才と呼ばれた「レオナルド・ダ・ヴィンチ」が設計した。二重の螺旋階段は、人と人がすれ違わずに昇降できるデザイン。
太陽王ルイ14世、5歳にして王に即位してから72年間にもわたって国王の座についていたルイ14世。絶対王政を確立し、フランスの絶対王制の象徴であるヴェルサイユ宮殿を建てることを計画した。
【火とかげ(サラマンダー)】フランソワ1世のイニシャル「F」 の文字と、彼の紋章である火とかげ(サラマンダー)、母親のルイース・ドュ・サヴォアの紋章、修道士の縄帯の結び目がデザインになっている。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
2、アンボワーズ城
【アンボワーズ城】シャルル8世には男性の相続人がいなかったため、従兄弟のオルレアン公爵がルイ12世としてヴァロワ朝第8代目王となり、フランソワ・ダングレーム(後のフランソワ1世)はアンボワーズ城で育てられる。1515年、ヴァロワ朝第9代目、王フランソワ1世が即位、ルイ12世の建設した翼棟を改築。
フランソワ1世は、アンボワーズ城の近くにあるクロ・リュセ城に、イタリアからレオナルド・ダ・ヴィンチを招いて住まわせる。
【フランソワ1世】宮廷文化を開花させ、藝術にも明るくレオナルド・ダ・ヴィンチの庇護者。一方で、繰り返しイタリア戦争を起こし野心家。クロ・リュセ城はアンボワーズ城から約400mの距離にあり地下道でつながっている
【アンボワーズ城】フランソワ1世は、レオナルド・ダ・ヴィンチを招き、クルー館に住ませる。1516年にフランソワ1世に招かれ、3年間暮らす。1519年、アンボワーズ城クルーの館(クロ・リュセ)で死去。
1519年、レオナルド、アンボワーズ城に、3枚の絵画、『聖アンナと聖母子』『モナリザ』『洗礼者ヨハネ』を残す。
その他、フランスに残された絵画。
レオナルド『レダ』17世紀1694年まで、フォンテーヌブロー宮殿所蔵品目録に存在した記録がある。
――
3、フォンテーヌブロー宮殿
【フォンテーヌブロー宮殿、フランソワ1世の回廊】イタリア・ルネサンス藝術に魅せられたフランソワ1世が、その想いを込めて創らせた夢の空間。国王の住居棟と聖王ルイの建てた三位一体礼拝堂を結ぶ目的で1528年に建てられた翼館の中にある。藝術家ロッソ・フィオレンティーノ。
――
4、カトリーヌ・ド・メディシスとシュノンソー城
【カトリーヌ・ド・メディシス】長男フランソワを筆頭に10人の子供を産む。39歳の時、娘の祝婚の馬上槍試合にて、王アンリ2世、モンゴメリ伯に刺され死す。40歳。ノストラダムスの予言の成就。王の愛人ディアーヌ・ド・ポワティエへ復讐開始。
【カトリーヌ・ド・メディシスの陰謀】ローマ法王クレメンス7世の画策により、14歳にして、フランス王家に嫁いだカトリーヌは、フィレンツェ商人の娘と冷笑された。1559年、娘エリザベートの婚礼の馬上槍試合で夫アンリ2世死亡。25年の結婚生活に終止符。
【シュノンソー城、3人の女の城】ディアーヌ・ド・ポワティエ、カトリーヌ、フランス王アンリ2世(1519〜1559)の寵姫であった2人目の城主ディアーヌ・ド・ポワティエ(1499~1566)と、王の正妻であった3人目の城主カトリーヌ・ド・メディシス(1519~1589)が織りなした愛憎劇。愛妾のディアーヌは、「60歳を過ぎても30代にしか見えなかった」という逸話、「美魔女」。アンリ2世より20歳も年上でありながら、王の寵愛を一身に集めた。正妻カトリーヌが、喉から手が出るほど欲しがっていたシュノンソー城を贈られ、2人目の城主となった。カトリーヌ・ド・メディシスは、その名の通り世界的な大富豪でフィレンツェの名門メディチ家の娘である。カトリーヌは、アンリ2世を一目見た瞬間から恋に落ち、それからずっと熱愛し続けた。1559年に夫が亡くなると立場が逆転する。カトリーヌは、ディアーヌにシュノンソー城とショーモン城を交換させ、自らが3人目の城主。ディアーヌ・ド・ポワティエはアーチ型の石橋を造らせ、カトリーヌ・ド・メディシスが石橋の上にルネッサンス様式の回廊を建設。

【シュノンソー城、6人の奥方の城】「マルクの塔」、シュノンソー城の建設前からあったマルク家の塔を、1人目の女性城主とされるカトリーヌ・プリソネとその夫が、ルネッサンス様式に造り替えた。ディアーヌ・ド・ポワティエ、カトリーヌ。塔側にカトリーヌ・ド・メディシス庭園、その反対側にディアーヌ・ド・ポワティエ庭園、愛憎劇を演じた2人の城主の名を冠した2つのフランス式庭園が、競うように対峙。円形の池と5つの芝生の庭からなるカトリーヌ庭園、造園当時の噴水が再現されたディアーヌ庭園、三角関係の愛憎劇。4人目の城主は、フランス王アンリ3世の妃ルイーズ・ド・ロレーヌ(1553~1601年)だ。アンリ3世は、アンリ2世とカトリーヌ・ド・メディシスの子。ロレーヌは、1589年に夫が暗殺されると、シュノンソー城に引きこもり、王家の喪服である白い服をまとい続けた。ロレーヌを、人々は「白い王妃」と呼んだ。
そのため、白い喪服の幽霊が出るという噂がある、ロレーヌが死後も夫を忘れられず、城内をさまよっているのかもしれない。ロレーヌ以後は、王族以外の女性が城主の座に就く。5人目の城主ルイーズ・デュパン(1706~1799年)は、フランスの作家ジョルジュ・サンドの祖母。デュパン夫人はフランス革命時に、城の礼拝堂を薪の貯蔵庫として使って宗教性を隠すという機知を働かせ、城を破壊から守った。6人目の城主マルグリット・ペルーズ(1836~1902年)は、産業資産家の出身。
――
参考文献
レオナルド・ダ・ヴィンチ『糸巻きの聖母』・・・レオナルド最後の旅
ロワールの古城めぐり フランソワ1世、カトリーヌ・ド・メディシス
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第79回ロワールの古城めぐりP38-42
ルネサンス年代記 レオナルド最後の旅、フランソワ1世
「ミケランジェロと理想の身体」・・・孤高の藝術家、ミケランジェロ、生涯と藝術
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
ロワールの古城めぐり・・・フランソワ1世とルネサンス
https://bit.ly/40wwlBW

――
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥、天平、最澄と空海
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第2巻、アカデメイア、ルネサンス、織田信長

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