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2022年9月

2022年9月28日 (水)

宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国とキリスト教、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥斑鳩寺と聖徳太子、東大寺と聖武天皇、最澄と空海

Valletempliagrigentodooid-2022
Venezia-2022
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』290回

【政治と宗教】人類の歴史は、人間と国家権力との戦い、思想との戦い、宗教との戦いである。宗教は人を救済することを謳うが、人をだましカネと権力を略奪する、邪教もある。宗教は、教義と思想のみならず、政治活動、経済活動、軍事力、信者と布教活動、真の目的は何か、分析、対応しなければならない。
【邪教に乗っ取られた国】報道特集が入手した内部文書によると、統一教会は2020年までに「国民の宗教」となり、連携する国会議員を362名に増やし、閣僚や総理大臣を選出して最終的には「国を動かす」という目的があった。国家乗っ取り計画。「TBS報道特集」9月24日。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【政治と宗教】
ギリシアの神々、エーゲ海文明の戦い、トロイ戦争の叙事詩の円環
ギリシア人はオリンポスの12神、ローマ人はユピテル・ユノーの12神、神々を祀り神殿を築いた。古代人の神々の神話には紀元前2000年のエーゲ海文明の戦いと試練から学ばれた知恵と経験、国家統治の知識が蓄積されている。トロイ戦争の叙事詩の円環は、エーゲ海文明の知恵の結集である。
参考文献
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
https://bit.ly/3C2fXNP
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Cycle
大久保正雄『地中海紀行』第61回トロイア戦争 パリスの審判P29
岡道男『ホメロスにおける伝統の継承と創造』
城江良知「ガイアの嘆願と『イリアス』」
『キュプリア』によれば,ガイアは、増えすぎた人間の重みに耐えかね,. しかも人間には神 を畏敬する心がまったくなかったため, ゼウスにこの重荷.を軽減してくれるようにと願い出た. ゼウスは同情してまずテーバイ戦争を起こし多数の人間を滅ぼした。・
――
2,ローマ帝国とキリスト教、テオドシウス帝
【テオドシウス帝、キリスト教国教化。異教弾圧】381年、キリスト教国教化。392年、テオドシウス帝は、アタナシウス派キリスト教以外の異教の祭礼と供犠を法的に禁止。この勅令によって、アタナシウス派キリスト教はローマの唯一の宗教、国教。伝統的なローマの神々や、ミトラ教の太陽神信仰等は禁止。393年にローマ領内のギリシアで、ゼウスを主神とするオリンポス十二神の祭礼が行なわれると、神殿の財産を没収して異教禁圧。
381年、第1コンスタンティノープル公会議において、「父と子と聖霊」は本質において同一であるというアタナシウス派の三位一体説を完成させ、キリスト教の正統として確定。
【テオドシウス帝、アタナシウス派】皇帝テオドシウス帝は、380年に、当時は分割統治だったので、他の二人の皇帝(グラティアヌス帝とウァレンティニアヌス帝との「三帝勅令」として、まずキリスト教の国教化を定めた。翌381年に開催された第1コンスタンティノープル公会議において、「父と子と聖霊」は本質において同一であるというアタナシウス派の三位一体説を完成させ、キリスト教の正統として確定。
【テオドシウス帝、異教弾圧、オリンピア競技会の終わり】キリスト教国教化に伴い、393年にローマ領内のギリシアで、ゼウスを主神とするオリンポス十二神の祭礼が行なわれると、神殿の財産を没収して異教禁圧への断固とした姿勢を示した。これに伴いギリシアの古代オリンピア競技会も終わりを告げた。
参考文献
神々の黄昏 皇帝テオドシウス 多神教祭儀を禁止。ローマ帝国滅亡。皇帝ユスティニアヌス1世、プラトンのアカデメイア閉鎖。529年*
https://t.co/OSyk6Kzoq3
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3,中国帝国史と儒教
【国家と宗教】秦の始皇帝、嬴政、紀元前213年、焚書、212年、坑儒、焚書坑儒、儒学弾圧。紀元前2世紀、漢の武帝、儒教国教化、五経博士。董仲舒献策。6世紀、官僚採用試験、科挙の四書五経教科目となる。科挙:中国、隋の文帝の587年ごろから清朝末期の1904年まで
科挙:中国、隋の文帝の587年ごろから清朝末期の1904年まで、行われた高級国家公務員資格の認定試験制度。
参考文献 堀敏一『中国通史』2000 講談社学術文庫 p.116
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4,日本思想史、国家権力と仏教
【大王の権力の源泉、殺人】
飛鳥と仏教
【聖徳太子、皇位継承権を持つ権力者、斑鳩寺】丁未の乱587年、物部守屋一族殺害、蘇我馬子と厩戸皇子。崇峻天皇暗殺592年。推古天皇、厩戸皇子、蘇我馬子の権力、四天王寺、斑鳩寺、飛鳥寺。厩戸皇子、病死。
白鳳の仏教
【天智と天武天皇】
山背大兄皇子一族全滅643年、皇極天皇と軽皇子。乙巳の変645年、中大兄皇子と中臣鎌足、蘇我入鹿殺害。蘇我蝦夷自刃。壬申の乱672年、天智の弟、大海人皇子は大友皇子を死に追いつめ自刃。天武として即位。記紀編纂を命じる。『日本書紀』天武の壬申の乱を記せず。
天平の仏教
【東大寺、聖武天皇、光明皇后、孝謙女帝】
東大寺大仏開眼供養、752年(天平勝宝4)4月9日、孝謙女帝、聖武太上天皇、光明皇太后。
孝謙女帝、天平勝宝9年(757年)橘奈良麻呂の変、764年(天平宝字8)9月恵美押勝(藤原仲麻呂)の乱。
延暦の仏教
【桓武天皇と最澄と空海】
桓武天皇、藤原種継射殺事件、早良親王謀反、延暦4年(785)9月24日、伊予親王謀反807年。延暦23(804)年、遣唐使、最澄と空海、入唐。延暦25(806)年、空海帰国。
弘仁貞観の仏教
【嵯峨天皇と空海】
平城上皇の乱810年、平城上皇と藤原薬子、嵯峨天皇に反乱。嵯峨天皇、征夷大将軍、坂上田村麻呂によって、平城上皇の乱を鎮圧。空海を、乙訓寺、別当、高雄山寺、別当に任じる。最澄、空海から胎蔵界灌頂を受ける。空海『灌頂暦名』。823年、空海、嵯峨天皇より、東寺を賜る。835年、空海、入定。
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参考文献
ヴィーナスの歴史、パリスの審判、三人の女神、トロイ戦争、叙事詩の円環・・・復讐劇の起源
https://bit.ly/3C2fXNP
トロイア戦争の始まり 失われた『叙事詩の円環』
https://t.co/JjeYXXOypq
https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Cycle
大久保正雄『地中海紀行』第61回トロイア戦争 パリスの審判P29
神々の黄昏 皇帝テオドシウス 多神教祭儀を禁止。ローマ帝国滅亡。皇帝ユスティニアヌス1世、プラトンのアカデメイア閉鎖。529年*
https://t.co/OSyk6Kzoq3
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聖徳太子と法隆寺、#東京国立博物館 
https://bit.ly/3kVnJSX
聖徳太子と法隆寺、東京国立博物館・・・法隆寺の謎、厩戸皇子の謎
https://bit.ly/3yCIpDo
聖徳太子と法隆寺、東京国立博物館・・・美術史の謎、飛鳥、白鳳、天平
https://bit.ly/2XE6s7q
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「最澄と天台宗のすべて」1・・・比叡山延暦寺、最澄と空海
https://bit.ly/2XDvTGt
「最澄と天台宗のすべて」2・・・比叡山、嵯峨天皇、慈円、鎌倉仏教、織田信長、覚恕、天海
https://bit.ly/3EkHqKn
「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」・・・空海、理念と象徴
https://bit.ly/3fyOaYF
東寺『金剛界曼荼羅』『胎蔵界曼荼羅』西院本・・・知恵と戦いの叙事詩、生命の根源
https://bit.ly/315UPn8
「密教彫刻の世界」・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt
空海の旅 旅する思想家、美への旅
https://t.co/HPPpp3e5iL
旅する思想家、孔子、王羲之、空海と嵯峨天皇
https://bit.ly/2zsD05T
――
「出雲と大和」東京国立博物館、日本書紀成立1300年
「出雲と大和」東京国立博物館・・・大海人皇子、大王から天皇へ
https://bit.ly/2ReO0wz 
――
宗教の謎、国家と宗教の戦い、第1巻、ギリシアの神々、ローマ帝国とキリスト教、秦の始皇帝、漢の武帝、飛鳥斑鳩寺と聖徳太子、東大寺と聖武天皇、最澄と空海
https://bit.ly/3xYWHQv

2022年9月25日 (日)

「アーツ・アンド・クラフツとデザイン  ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」・・・いちご泥棒 Strawberry Thief

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Arts-and-crafta-2022
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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』289回

「すべての人の生活に美を」ウィリアム・モリスは、ラファエル、D.G.ロセッティ、J.E.ミレイ、エドワード・バーン=ジョーンズらと生涯にわたる交流から藝術作品を生み出した。
【ウィリアム・モリス(William Morris,1834- 1896)】19世紀イギリスの詩人、デザイナー、マルクス主義者。モダンデザインの父と呼ばれる。職人はプロレタリアートになり、労働の喜びや手仕事の美しさも失われた時代にあって、中世に憧れ、プロレタリアートを解放し、生活を芸術化するために、根本的に社会を変えることが不可欠だと考えた。マルクス主義を熱烈に信奉し、エリノア・マルクスらと行動をともにし、社会主義協会を結成した。叙事詩『地上の楽園』、『世界の果ての泉』などの著書がある。
【アーツ&クラフツ】思想家ジョン・ラスキン(1819-1900)と、デザイナーで思想家、詩人でもあったウィリアム・モリス(1834-96)でした。ラファエル前派のD.G.ロセッティやエドワード・バーン=ジョーンズらが参加したモリス・マーシャル・フォークナー商会(のちにモリス商会)を中心に、装飾芸術をめぐって活発な活動がロンドンで繰り広げられました。1880年代末には運動の名称ともなったアーツ&クラフツ展協会が創設され、各地で意欲的な展覧会が開かれたり、工房が作られた。
【ラファエル前派、愛の迷宮、運命の女】
ロセッティとジェーン・バーデン、ロセッティと4人の女、
ジェーン・バーデンは、ロセッティ「プロセルピナ」のモデルである。ロセッティ、モリス、ジェーンの間には、不思議な三角関係がある。ウィリアム・モリス
1859年、25歳のウィリアム・モリス(1834-96)は、19歳のジェーン・バーデン(1839-1914)と結婚する。ロセッティは、エリザベス・シダル(1829-62)と1860年に結婚したが、彼女は1862年亡くなる。エリザベスは、ミレイ「オフィーリア」のモデルである。ロセッティの次のモデルは、ファニー・コンホース、その次のモデルは、アレックス・ワイルディングである。ロセッティ(1828-82)は、ジェーンを愛しつづけ、多彩な愛と藝術の果てに、53歳で死ぬ。エリザベス・シダルは32歳の若さで死ぬが、
ミレイ67歳、モリス62歳の死後、ジェーン・バーデンは、74歳まで生きる。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』
――
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン  ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」
【産業革命、19世紀後半】産業革命で大きく変化した19世紀後半のイギリス。便利になった反面、自然が失われ、人々の生活も機械的になっていった。これを危惧したモリスは「すべての人の生活に美を」と暮らしのデザインに踏み出す。会場ではモリスが手がけた様々なデザイン全20点から、彼の哲学を紐解く。粗悪品が許せないモリスは、素材や製法にもこだわった。
有名な「いちご泥棒」はそのひとつ。この作品には当時は大変な手間がかかったインディゴ染めが用いられている。モリスの美意識は、壁紙や布、そしてブックデザインに至るま で貫かれた。
【アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会】モリスの理念に共感した若い世代の建築家やデザイナー達は「アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会」を設立、さらなる啓蒙と芸術と工芸の向上に努めた。ウォルター・クレインやC・F・A・ヴォイジーなど主要メンバー5人の作品を通して協会の活動を紹介。
アーツ・アンド・クラフツ運動は次第に商会やメーカーにも波及していく。「リバティプリント」で知られるリバティ商会などが参入、より多くの人々に美しい商品を提供することに成功する。モリスの掲げた「すべての人の生活に美を」の理想が、次第に現実的になっていく。
【ティファニー・スタジオ、フランク・ロイド・ライト】イギリスで興ったデザインの革命は、アメリカへと広がる。「すべての人に美を」という民主的な芸術は、アメリカの風土に合った美意識だった。終盤ではティファニー・スタジオやフランク・ロイド・ライトら、アメリカにおけるアーツ・アンド・クラフツ運動の旗手へ。
【機械で大量生産】「多くの人に手頃な価格で供給=機械で大量生産」
「すべての人に美を」を理念に掲げたモリスは「良質なものを職人の手仕事で」それを成し遂げたかったのだが、そのやり方ではどうしても廉価で生産できないため、「すべての人に美を」が不可能になってしまうことに悩んでいた。
@art_ex_japan https://twitter.com/art_ex_japan/status/1573306683782496256
――
★展示作品の一部
ウィリアム・モリス《いちご泥棒》 1883年 個人蔵
ウィリアム・モリス、ケルムスコット・プレス、D.G.ロセッティ『ソネットと抒情詩』
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★参考文献
「ラファエル前派の軌跡展」・・・ロセッティ、ヴィーナスの魅惑と強烈な芳香
https://bit.ly/2Coy0jB
「生活と芸術 アーツ&クラフツ展」ウイリアム・モリスから民芸まで・・・いちご泥棒Strawberry Thief
https://bit.ly/2CHeS25
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン  ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」・・・いちご泥棒 Strawberry Thief
https://bit.ly/3LOqWzq

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近代化、工業化の進む19世紀のイギリスで、丁寧な手仕事による日常品で人々の暮らしを美しく彩ることを目指したウィリアム・モリス。その理念を受け継いだアーツ・アンド・クラフツ運動は、やがて世界各地に広がりました。家具、テキスタイル、ガラス器、ジュエリーなど、約150点によって、その世界をご覧いただきます。
https://city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakutenkaisai/index.html
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「アーツ・アンド・クラフツとデザイン  ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」、府中市美術館、9月23日から12月4日まで

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