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2022年7月10日 (日)

孤高の画家、フリードリヒ、精神の旅、地の果て、崇高な自然と精神

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大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』284回

雲海の上の旅人はどこへ旅するのか。樫の森の中の僧院、雪の僧院の墓地、孤独な木、夕暮れの丘、月を眺める哲学者、海辺の月の出、海辺の五隻の帆船、彼方へ。
地中海の果て、イタリアの古代神殿に佇み、古代の哲学者の精神、舞い降りる。哲学者は、自由精神を重んじ、権力に屈せず、支配階級の圧政に復讐する。天空の果てに、宇宙円環と魂の円環を眺める。地の果て、崇高な自然と精神に邂逅する。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
【樫の森の中の僧院】夕暮れ、廃墟の僧院に、修道僧たちが列をなして集まる、これから夜、の闇に沈む。秘密の儀式を天に捧げる。自然宗教の秘密の儀式、崇高な自然と人間の精神の合一。老僧は「肉体の眼を閉じて」心の闇のなかで見たものを表現せよ、と教示する。
【雪のなかの修道院墓地】荒野の果てにある、雪の中の修道院墓地に、修道僧たちが集まる。廃墟のゴシック寺院で、自然宗教の儀式、老僧は教える「人生の目的は人格を磨くことである。人間の価値は魂の美にある。魂の卓越性は知恵、節制、勇気、正義である。」
夕暮れの丘、二人の男が丘に登る、哲学者と友人、二人は丘の上から月を眺める。山の下に、夕暮れの海が見える。海辺の入り江に五隻の帆船、海洋に出帆する準備中である。
【『孤独な木』『海辺の月の出』1822】『孤独な木』、孤独な木と木の下に佇む羊飼い、独り雄々しく天に向かって聳える樫の木の英雄的佇まい、背後の山と空の崇高な無限。『海辺の月の出』、月の出に見入る男女、海上の旅を終え、岸辺に帰り来る帆船、人生航路の果てに、安らぎを見出した人間の魂、瞑想的人生。この二幅の絵画は、朝日と夕月の対比、ベルリンの注文主のために制作された。
【月を眺める二人】月を眺める哲学者と友人、夕暮れの丘を下り、明け方の海辺に佇む。五隻の帆船、海洋に出帆する。大西洋から地中海航路へ航海する。アグリジェントの神殿の谷、コンコルディア神殿の丘に立つ。紀元前406年、カルタゴに滅ぼされた廃墟の神殿。アルカイック様式の彫刻。エムペドクレスの魂が蘇る。
【内なる闇の藝術】「肉体の限界を閉じよ。そうすればまず最初に精神の眼で自分の絵を見ることができるだろう。そうして次には、暗闇で見たものを白日のもとに表現するのだ。そうすれば、その作品は外側から人々の内奥に向かって作用することだろう」。
【「人生の諸階段」1835】海辺に佇む5人と海上の5隻の帆船、航海から帰ってきたのか、これから出帆するのか。一組の男女、二人の子供たち、一人の友人。5人の人物はフリードリヒ本人とその家族、湾に向かって静かに進む5隻の船が彼らに呼応。人生の航路を比喩的に描いた。ヴィークのウトキーク海岸は、グライフスヴァルト港に入港する船。旅の終わりは、地中海を航海し、南イタリアに到達する。
【「アグリジェントのコンコルディア神殿」】画家と哲学者、旅路の果て、輪廻転生する。古代神殿に辿りつき、紀元前5世紀、エンペドクレスの魂がよみがえる。エンペドクレスの魂と対話する。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
世界は舞台だ。人は役割を果たす。All the world's a stage,And all the men and women merely players .As you like it
藝術家は、探検家の道を歩み職人であるが、哲学者に出会う。哲学者は分析家であり、指揮官であり建築家である。哲学者は、階級社会と戦う指揮官、新しい社会を構築する。
――
彼方への旅、宇宙円環(cosmic cycle)と魂の円環(psyche cycle)
【古代の偉大な哲学者、エンペドクレス】古代の哲学者、医者、詩人、政治家。アクラガス出身。ピタゴラス学派に学びパルメニデスの教えを受けた。自由精神を重んじ、権力に屈せず。支配階級の圧政に復讐した。金冠を頭に戴き、紫色の衣に金のベルトを巻いて、デルポイの花冠を携えて諸都市を巡り歩いた。
四元素説を唱える。万物の四つの根(リゾーマタ)、火、水、空気、土の離合集散によって宇宙は生成消滅する。宇宙の生成消滅の愛の伸長期・消滅期と憎の伸長期・消滅期、4期がある。宇宙円環(cosmic cycle)と魂の円環(psyche cycle)が調和する。詩篇「自然について」(peri pyseos)と「カタルモイ」(katarmoi)を書いた。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護霊が救う。美しい魂は、輝く天の仕事をなす。
【花吹雪】家の庭に、母が植えた木の花が咲き、風に吹かれて、花吹雪となって、庭に舞う。母の愛犬、トイプードル、高校時代から大学院まで、私を守ってくれたのを思い出す。「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする」。私は何を残すことができるのか。
【学問僧と愛犬】昼寝をしていると、愛犬、トイプードル、匂いを嗅ぎながらやって来た「帰ってきたよ」。私「戦国時代になった。敵を滅ぼしてほしい。生涯、学問を続けるために邪魔な敵がいる」と言うと愛犬「解った。滅亡させてくる」とお手をした。守護精霊、如意輪観音。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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★カスパー・ダヴィッド・フリードリヒ(1774年-1840年)
『山上の十字架』1808ドレスデン国立美術館
『海辺の修道士』『樫の森の中の修道院』1810ベルリン博物館
『雲海の上の旅人』1818ハンブルク美術館
『月を眺める二人の男』1819ドレスデン国立美術館
『雪の中の修道院墓地』1819 Friedlich Klosterruine im Schnee 1819
『孤独な木』『海辺の月の出』1822ベルリン博物館
『窓辺の女』1822ベルリン博物館
『氷の海』1824ハンブルク美術館
「アグリジェントのユーノー神殿」1830
『人生の諸段階』1835ライプツィヒ美術館
――
★参考文献
Caspar David Friedrich - Wikipedia
Caspar David Friedrich (5 September 1774 – 7 May 1840) was a 19th-century German Romantic landscape painter, generally considered the most important German
https://en.wikipedia.org/wiki/Caspar_David_Friedrich
*1千足伸行「ロマン主義絵画と聖なるもの」p.213
ノルベ
ルト・ヴォルフ『カスパー・ダヴィッド・フリードリヒ 静寂の画家1774-1840』2006
「ベルリンの至宝展 よみがえる美の聖域」図録、東京国立博物館2005
千足伸行「ロマン主義絵画と聖なるもの」2005
後藤健「古代人は「聖なるもの」をどう感じ表現したか」2005
マリオ・プラーツ『ロマンティック・アゴニー』MarioPraz.RomanticAgony.1933、ロマン派から象徴派、世紀末デカダン派にいたるヨーロッパ藝術
「象徴派の絵画 」中山 公男、高階 秀爾【編】朝日新聞出版1992
ロマン主義の愛と苦悩・・・ロマン派から象徴派、美は乱調にあり
https://bit.ly/3O4fq3d
「シャセリオー展」国立西洋美術館
https://t.co/eUkZk1RfaW
ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢・・・愛と美の深淵
https://bit.ly/2MGcs9l
自然と人のダイアローグ、国立西洋美術館、彼方への旅 
https://bit.ly/3mv4SOc 
白井晟一・・・孤立の城、荒野の礼拝堂、ロマン主義建築家の反逆
https://bit.ly/3rZzIAY
孤高の思想家と藝術家の苦悩、孫崎享×大久保正雄『藝術対談、美と復讐』
https://bit.ly/2AxsN84
理念を探求する精神・・・ギリシアの理想、知恵、勇気、節制、正義、美と復讐
https://bit.ly/3sIf3RW
孤高の画家、フリードリヒ、ロマン主義、生涯と藝術
https://bit.ly/3boAtyL
孤高の画家、フリードリヒ、精神の旅、地の果て、崇高な自然と精神
https://bit.ly/3PfKgGd
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自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで、国立西洋美術館・・・彼方への旅
https://bit.ly/3mv4SOc

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