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2021年6月

2021年6月28日 (月)

隈研吾展・・・迷宮建築への旅、雲の上のホテル

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第246回

文明は興廃する。都市は滅亡し、建築は廃墟となり、詩人の言葉は残り、哲学者の観念の塔が残る。
私は14歳の時、パルテノン神殿の知性の美に出会った。アルハンブラ宮殿、クレタ島のクノッソス宮殿、ヴェネツィア、サンマルコ寺院、ハギアソフィア寺院へと旅した。パルテノン神殿の建築家フェイディアスは、何を志向するのか。建築家皇帝ハドリアヌスのパンテオンは何を志向するのか。アルハンブラ宮殿は、地上の楽園を目指すのか。クフ王のピラミッドは、王墓なのか。
超高層建築への疑いから迷宮的建築を志向した建築家は何を考えているのか。
パルテノン神殿には、ギリシア人の知性と誇りがある。
【魂のことば 孔雀のプライド】孔雀は、人前でその美しい尾羽根を隠す。これは、孔雀の矜持と呼ばれる。孔雀のような動物でもそうなのだから、わたしたちは人間として、一層の慎みと矜持を持つべきである。『善悪の彼岸』
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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隈研吾のキャリアの転回点となった梼原町、雲の上のホテル1994年、雲の上のレストラン、雲の上の図書館2018年。
建築は、モニュメント的建築と洞窟的建築とに分類される。「超高層のモニュメント的建築に対する懐疑から「孔」としての建築への関心が芽生え始める。」隈研吾。バーナード・チュミ「ピラミッド的迷宮」。マンフレッド・タフーリ「球と迷宮」の二項対立として建築史を観る。秩序を指向する建築的方法論が「球」を生み、無秩序や偶然を指向する方法論が「迷宮」を生むとタフーリは整理した。
隈研吾展「新しい公共性をつくるためのネコの5原則」孔、粒子、やわらかい、斜め、時間。
1990年代のバブル崩壊で仕事がなかった隈研吾は、知り合いから声をかけられ、古い木造の芝居小屋を保存する運動にかかわる。高知県の山間部にある森林の町、梼原(ゆすはら)だった。以降、隈は地方の仕事を多く手がけるようになり、木を用いた作品が増えていく。そして梼原町で1994年竣工の「雲の上のホテル」をはじめに、町役場や図書館など6件の建築を設計した。『隈研吾 はじまりの物語』青幻社2021
隈研吾「ネコに学び、ハコを出よう」。建築家は、猫の行動に何を学ぶのか。
――
作品の一部
高輪ゲートウェイ駅、2020年
雲の上のホテル、梼原町、1994年
雲の上のレストラン、梼原町、1994年
雲の上の図書館、2018年
隈研吾が高知県梼原町で設計した建築「雲の上の図書館 / YURURIゆすはら」2018年 コピーライトKawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office
瀧本幹也「梼原のインスタレーションのためのプラン」2020年 コピーライトMikiya Takimoto
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シェイクスピア「ロミオとジュリエット」「猫王どの、九つあるというおぬしの命がたった一つだけ所望したいが」(Mer.Good King of Cats, nothing but one of your nine lives)
【エジプト九柱神(エネアド)】アトゥム(天地創造の神)、シュウ(大気の神)、テフネト(湿気の神)、ゲブ(大地の神)、ヌト(天空の神)、オシリス(生産の神)、イシス(豊穣の神)、セト(砂漠と異邦の神)、ネフティス(夜の神)
1930年に著された「猫と魔術と神話事典」(柏書房)では、「紀元前450年頃にエジプトを旅したヘロドトスは、当時のエジプトにおいてオシリスとイシスの娘がバステトであるとみなす通念があった」としています。「バステト」とは猫の姿をした女神で、エジプトにおける猫崇拝の中心的存在でした。ここで九柱神とバステトとの間に接点が生まれます。バステトと九柱神、すなわち数字の「9」との間に接点が生まれたということは、神の化身としてとらえられていた猫と「9」との間にも接点が生まれたということでもあります。以後数千年に渡って受け継がれる、猫と「9」との切っても切れない縁は、このような流れで生まれたのだと推測されます。
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参考文献
『隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則』公式カタログ
宮脇檀「建築家の眼・好奇心への旅」、世界文化社、1991
宮脇檀「最後の昼餐」、新潮社、1997
大久保正雄「地中海紀行、旅する哲学者 美への旅」
アクロポリスの光と影 パルテノン神殿
https://t.co/nmDmRi4sGN
パルテノン神殿 彫刻家フェイディアス アクロポリスのコレー
アクロポリスのコレー 時を超えて蘇る少女
https://t.co/H9JyoTOReE
梵寿綱、生命の賛歌 輝き溢れる芸術建築
https://bit.ly/3A5Ko46
『隈研吾 はじまりの物語』青幻社2021
隈研吾展・・・迷宮建築への旅、雲の上のホテル
https://bit.ly/35STPGx
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隈研吾展、東京国立近代美術館、6月18日(金)~9月26日(日)
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/kumakengo/?twclid=11408878817754566661

2021年6月22日 (火)

「国宝 聖林寺十一面観音」・・・十一面観音、疫病退散の祈りを込めた秘仏

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第245回
六月の青天、ゆりの木の緑陰に、微風吹く日、東京国立博物館、に行く。
十一面観音は、怒りと争いの修羅を救う。美しい魂は、輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、美しい精神を救う。
大神神社、大神寺の十一面観音は、東京国立博物館の研究員によれば、奈良時代8世紀、東大寺仏師によって制作された。奈良時代、十一面観音が流行した。十一面観音は、疫病退散の祈りを込めた秘仏である。大神寺の十一面観音は、東大寺二月堂、秘仏十一面観音と関係があると考えられる。東大寺、修二会は、十一面観音に疫病退散の祈りをささげる火と水の行法である。
【東大寺、修二会、韃靼の行法】752年大仏開眼の年に天下泰安・疫病退散を願って始まって 以来、1270年一度も途絶えず続けられてきた。不退行法。二月堂、修二会、【練行衆、11人、和上、大導師、堂司、咒師、総衆之一、南座衆之一、北座衆之二、南座衆之二、中灯之一、権処世界。処世界】。しっちへん、走り。752年始まる。厨子の周りを周る。敦煌、莫高窟、韃靼の行法が淵源である。
【二月堂、秘仏、十一面観音】【天平の疫病、藤原四子の死】735年(天平7年)から738年(天平10年)。聖武天皇、光明子は、天平の疫病退散のため、東大寺を建立した。
永遠の 果てしない野に 夢みる 睡蓮よ 現在に めざめるな 宝石の限りない 眠りのように(西脇順三郎 宝石の眠り「宝石の眠り」)
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
聖林寺十一面観音は、薬師寺聖観音の姿形に相似する。薬師寺聖観音は、日光菩薩、月光菩薩、薬師如来と薬師三尊像の一群である。
【藤原京、薬師寺】奈良の西の京にある薬師寺の前身、本薬師寺は、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願して藤原京に建立した薬師寺である。この後、持統天皇として 即位した鸕野讚良皇后が夫の意志を継ぎ建立を続け、持統11年(697)開眼仏会、そして着工からおよそ16年の月日を要して建立。【平城京、薬師寺】養老2年(718)平城京の西ノ京で薬師寺は建立を開始された。
【六道輪廻、衆生の運命】すべての衆生が生前の業因によって生死を繰り返す六道の世界。地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天人。衆生を救う六体の観世音菩薩。密教では、地獄に聖観音、餓鬼に千手観音、畜生に馬頭観音、修羅に十一面観音、人間に准胝または不空羂索観音、天人を如意輪観音が救う。六観音の思想
【六観音菩薩】聖観音菩薩は、地獄道を救う。千手観音菩薩、飢えと渇きの餓鬼道を救う。馬頭観音菩薩、動物の弱肉強食の畜生道を救う。十一面観音菩薩、怒りと争いの修羅道を救う。准胝観音菩薩(不空羂索観音)、四苦八苦の人道を救う。如意輪観音菩薩、神通力をもつ天人を救う。
【『日本書紀』崇神天皇5年条】〈国内に疾疫(えのやまい)多くして、民死亡(まか)れる者有りて、且大半(なかばにす)ぎなむとす。(国内に疫病が流行し、死ぬ者が多く、民の半分ほどだった)〉ハツクニシラススメラミコト(御肇国天皇)と称され、ヤマト王権の実質的初代天皇とされる第10代崇神は、磯城の瑞籬宮(みずがきのみや)に宮都を定めた。
次の年、崇神は天神地祇に祈ったが民の離反は止まらない。その後、夢やお告げの通り、太田田根子を探して(三輪山の)大物主神を、長尾市(ながおち)に倭大国魂神を祀らせたところ、崇神7年に疫病は収まり、五穀が実り国内は安定した。
■十一面観音
十一面観音は、その深い慈悲により衆生から一切の苦しみを抜き去る功徳を施す菩薩である。観音菩薩の変化身の一つ。
十一面観音(ekadaśamukha)の容姿は、通例、頭頂に仏面、頭上の正面に菩薩面(3面)、左側に瞋怒面(3面)、右側に狗牙上出面(3面)、背面に大笑面(1面)をもつ。右手を垂下し、左手には蓮華を生けた花瓶を持っている。(玄奘訳『十一面神咒心経』に基づく)。
■『十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経』によれば、
10種類の現世での利益(十種勝利)と4種類の来世での果報(四種功徳)をもたらすと言われる。病気にかからない、一切の怨敵から害を受けない、毒薬や虫の毒に当たらず、悪寒や発熱等の病にならない、一切の凶器によって害を受けない、不慮の事故で死なない。
【三界、無色界、色界、欲界】織田信長は、欲界第六天魔王と自称した。
【欲界、第六天。他化自在天。六道の天道(天上界)の最下部である、六欲天の第六天。欲界の天主大魔王である第六天魔王波旬(はじゅん、Pāpīyas)の住処。天人の身長は三里、寿命は1万6千歳という。ただし、その一尽夜は人間の1600年に相当するという。天人としての他化自在天は、弓を持った姿で描かれる】
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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【十一面観音菩薩立像、7世紀】大化改新で名を馳せた中臣(藤原)鎌足の長男・定恵(次男は不比等)が唐の留学から帰国した時に持ち帰った。【藤原氏長子出家の謎】中臣真人、定恵、飛鳥時代の学僧。653年(白雉4年)5月、遣唐使とともに唐へ渡る。長安懐徳坊にある慧日道場に住し、玄奘の弟子の神泰法師に師事した。(皇極天皇2年(643年)- 天智天皇4年12月23日666年2月2日)。唐時代、玄奘三蔵や王玄索が天竺から持ち帰ったことが契機でインド風の仏像が流行した。東京国立博物館
――
展示作品の一部
国宝聖林寺十一面観音、奈良時代、8世紀
日光菩薩、正暦寺、平安時代、10~11世紀
月光菩薩、正暦寺、平安時代、10~11世紀
――
参考文献
六観音菩薩「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」東京国立博物館、・・・純粋な美しい魂に舞い降りる
https://bit.ly/2C0ZL2f
法華寺「十一面観音」の美・・・純粋な魂に舞い降りる
https://bit.ly/2NKS5IP
「国宝 薬師寺展」・・・月光菩薩、日光菩薩、白鳳文化の美の香り
https://bit.ly/2Ovw4gs
図録「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」2021
「国宝 聖林寺十一面観音」・・・十一面観音、疫病退散の祈りを込めた秘仏
https://bit.ly/3d1h6Kh
――
特別展「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」
『国宝 十一面観音菩薩立像 奈良時代・8世紀 奈良・聖林寺蔵』
本館 特別5室 :2021年6月22日(火) ~ 2021年9月12日(日)
仏教伝来以前の古い日本では、神は山、滝、岩や樹木等に宿ると信じられ、本殿などの建築や、神の像はつくらず、自然のままの依り代を拝んでいました。その形が現在まで続いているのが三輪山を御神体とする大神神社です。その後、国家的に仏教を興隆した奈良時代には神仏関係の接近が見られ、神に密接にかかわる寺がつくられました。三輪山にも大神寺(鎌倉時代以降は大御輪寺)が造られ、仏像が安置されました。幕末、新政府により神仏分離令が発せられると、廃仏毀釈の危機にさらされますが、大御輪寺の仏像は、同寺の住職や周辺の人々の手によって、近傍の寺院に移され、今日に至ります。
本展では、かつて大神寺にあった国宝 十一面観音菩薩立像(聖林寺蔵)、国宝 地蔵菩薩立像(法隆寺蔵)などの仏像と、仏教伝来以前の日本の自然信仰を示す三輪山禁足地の出土品などを展示します。国宝 十一面観音菩薩立像が奈良県から出るのは初めてのことです。その比類ない美しさをこの機会にぜひご覧ください。
――
三輪山信仰
日本人は古来自然に畏敬の念を抱き、神が宿る依り代として、山や滝、岩、樹木などを信仰しました。三輪山はその代表的な例で、大神神社には神をまつる本殿はなく、三輪山を御神体として礼拝します。
『古事記』の神話に、大物主大神が大国主神に、国造りに協力するから「吾をば倭の青垣、東の山の上にいつきまつれ」(私を、大和を囲む青い垣根のように連なる山々の東の山にまつりなさい)と望み、三輪山にまつられたと語られています。三輪山には人々が入ることができない禁足地があり、そこから古代の祭祀を物語る子持勾玉や、造酒に用いる器具の小さな土製模型が出土しており、古くからの信仰の存在を確認できます。
大神神社の由緒には、三輪山の頂上の磐座(神の宿所)に大物主大神、中腹の磐座に大己貴神、麓の磐座には少彦名神(すくなひこなのかみ)が鎮まるとあります。三輪山を御神体とする大神神社拝殿とその奥の禁足地の間には結界として鳥居と瑞垣が設けられています。その鳥居は、一列に3つ組み合わせた独特の形式で「三ツ鳥居」といい、中央には扉が付けられています。拝殿がはじめてつくられたのは鎌倉時代のことで、現在の拝殿は寛文4年(1664)徳川家綱が再建したものです。国宝 聖林寺十一面観音菩薩立像をかつて安置していた大御輪寺は、大直禰子(おおたたねこ)神社(若宮)となっています。
「国宝聖林寺十一面観音」東京国立博物館
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2013
――
「国宝聖林寺十一面観音」東京国立博物館6月22日(火)~9月12日
2021年6月22日(火)~9月12日(日)、東京国立博物館 本館特別5室
2022年2月5日(土)~3月27日(日)、奈良国立博物館 東新館

2021年6月 3日 (木)

生きものと共生する、神々、仏陀、動物と人間・・・守護精霊は降臨する

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第244回

美しい海が見える森。美しい人と歩く、黄昏の丘、黄昏の神殿、黄昏の森。犬がどこかで吠えている。敵が近づいたのか。主を呼んでいるだろう。
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。地中海の旅は、美への旅、知恵の旅、時空の果てへの旅、魂への旅。旅する哲学者は、至高の美へ旅する。美しい魂は、輝く天の仕事をなし遂げる。
美しい魂は、輝く天の仕事をなす。美しい女神が舞い下りる。美しい守護精霊が、あなたを救う。
【学問僧と愛犬】昼寝していると、愛犬、プードル、鼻で嗅ぎながらやって来た「帰ってきたよ」。私「戦国時代になった。敵を滅ぼしてほしい。生涯、学問を続けるために邪魔な敵がいる」と言うと愛犬「解った。滅亡させてくる」とお手をした。
【学問僧と愛犬】昼寝をしていると、愛犬、プードル、やってきた「帰ってきたよ」。お手をした。「その後、戦国時代になった。学問の邪魔者がいる。敵を滅ぼして欲しい」というと、愛犬「解った。滅ぼしてくる」と出撃した。天人の敵を滅ぼすため帰還した。愛犬、守護精霊となって帰還。天人の守護霊、如意輪観音のように。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
――
エジプト神話の神々。山犬姿の神、アヌビス、冥界の案内神、墓地の神。ハヤブサ姿のハトホル、天空の神。ライオン姿のプタハ、創造の女神。牝牛の姿、ハトホル女神、愛と美、豊饒の女神。頭上に聖蛇のつく日輪を戴くハヤブサ姿のラー、太陽神。雌猫姿の女神、バステト。三日月姿、コンス神。
【冥界王オシリス神】オシリスは、弟セトに殺されバラバラにされるが、妻イシスの呪力によって復活を果たす。息子ホルスがセトに勝利し、地上の王として君臨する。
冥界王オシリスと母なる女神イシスから生まれたホルスはファラオとなる。
――
【狩りの女神ダイアナと犬、フォンテーヌブロー派1550、ルーヴル美術館】
ギリシア・ローマ神話に取材した寓意画は、フォンテーヌブロー派の画家たちが好んで描いた主題である。狩の道具を手にして猟犬を連れた月と狩の女神ディアナが、森のはずれを歩いている。モデルはフランス国王アンリ2世の寵姫、ディアヌ・ド・ポワティエで、彼女は、しばしばフォンテーヌブロー派の神話画のモデルを務めている。
ディアナ、ローマ神話に登場する、狩猟、貞節と月の女神。ユーピテルとラートーナの娘で、アポローンの妹とする説がある。新月の銀の弓を手にする処女の姿が特徴。
――
仏教と動物たち
白象に乗るインドラ、7頭の獅子に坐す大日如来、白象に乗る普賢菩薩、動物に乗る虚空蔵菩薩、仏涅槃図に集まる動物たち。
【白象に乗るインドラ、東寺講堂】梵語名シャクローデーバーナーム・インドラ、 音訳で釈迦提婆因陀羅と呼ばれる。「シャクロー」の音訳「釈」と、インドラの意訳「帝王」から 帝釈天と呼ばれる。 古代神話の戦いの神インドラが元となり、 甲冑をまとい象に乗り金剛杵(ヴァジュラ)をとって毒龍と戦い、阿修羅に勝利し仏門に帰依させた英雄。一面三目二臂で金剛杵を持ち、白象に乗って半跏踏み下げの姿勢をとっている。(平安時代承和6年 839年)。
平安時代、承和6年(839年)に完成しましたが、頭部はすべて後補
【七頭の獅子に坐す大日如来】大日如来の台座に獅子を表す根拠。「中心毘瑠遮那如来。頭載五智宝冠、坐七獅子座上結跏趺坐、結界法印」(善無畏訳「尊勝仏頂修瑜伽法儀軌」巻上)。運慶は、建久8年(1197)に東寺の講堂の仏像の大規模な修復を行った。運慶が、密教の仏像の原点、東寺講堂の大日如来を意識していたことは間違いない。その姿にならってこの像と台座を作った。
――
北斎と霊獣、宇宙の源泉、鳳凰、麒麟、富士、波濤
【不屈の画狂老人卍】74歳にして画狂老人卍『鳳凰図屏風』(1835)、88歳『弘法大師修法図』、89歳『八方睨み鳳凰図』(1848)、90歳『富士越龍図』(1849)。90歳にして「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」「画工北斎は畸人なり。年九十にして居を移すこと九十三所。」飯島虚心『葛飾北斎伝』。
――
【愛染明王真言】「唵、偉大なる愛染明王よ。決して破壊されない最高の仏智を備えた金剛薩埵よ。金剛薩埵と同一の、金剛鉤菩薩、金剛索菩薩、金剛鎖菩薩、金剛鈴菩薩よ。我々を仏智に導いて下さい。」
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
――
参考文献
著者:大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』
https://bit.ly/34KTzZo
ベルリン・エジプト博物館所蔵「古代エジプト展 天地創造の神話」・・・絶世の美女ネフェルティティ王妃とアマルナ美術の謎
https://bit.ly/39mttQ1
「密教彫刻の世界」東京国立博物館・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt
「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」・・・空海、理念と象徴
https://bit.ly/3fyOaYF
「鳥獣戯画のすべて」・・・謎の絵巻、怪僧・明恵
https://bit.ly/32XqQ2H
高山寺「鳥獣戯画」・・・快僧、明恵の夢、40年間『夢記』
https://bit.ly/3xCNL1o
「新・北斎展」森アーツセンターギャラリー・・・悪霊調伏する空海、『弘法大師修法図』
https://bit.ly/2HAZJ5y 
「筆魂 線の引力・色の魔力─又兵衛から北斎・国芳まで─」・・・画狂老人卍『鳳凰図屏風』の思い出
https://bit.ly/3sfpb35
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』・・・守護精霊をもつ者、運命の羅針盤はどこに
https://bit.ly/3pe25K3
生きものと共生する、神々、仏陀、動物と人間・・・守護精霊は降臨する
https://bit.ly/34JOIb2

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