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2021年5月 2日 (日)

高山寺「鳥獣戯画」・・・快僧、明恵の夢、40年間、夢記を記録

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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第242回

八重桜咲く森を歩いて、博物館に行く。うこん桜、御衣黄桜、咲き乱れ、紫の躑躅燃える森。1200年で最も早く桜が開花した春。拈華微笑御衣黄桜ひらきけり。春愁のかぎりを躑躅燃えにけり(秋桜子)。明恵上人自身も絵巻を目にしていない。
【明恵上人と犬】明恵にとって犬は特別な存在で、しばしば明恵「夢記」にあらわれる。元久2(1205)年6月18日の夢に2匹の子犬があらわれる。明恵は犬を慈しんだ。子犬(湛慶作)は明恵に所属する。明恵は慶派の仏師と交流した。(皿井舞)
――
遁世僧、華厳学問僧、明恵
【「夢記」で18歳から59歳まで41年間、夢を記録。世界でも希な夢判断の創始者として稀有なる存在。夢により自己を見つめ、仏陀の精神を獲得。明恵34歳のときに「十五六歳許りの美女」現れる。以来「命生れさせ給へ」で「姫君の夢」をみる。
1220年承久2年の「善妙の夢」がある。華厳経は宇宙的な壮大な思想を表現した。752年開眼された東大寺毘盧遮那仏である。
【明恵「夢記」48歳。美女が現れ、毘盧遮那仏であると分かる】1220(承久2)年11月3日、6日。
【「鳥獣人物戯画」高山寺】兎と猿が水遊び、兎と蛙が相撲を取り、弓を的に当て合戦する、蛙が田楽を踊り、双六盤を担いだ猿が画面を横切る。蛙本尊の法会に猿が参加する。擬人化された動物たちの愉快で滑稽な姿を、白描画、墨一色で自由闊達に描いた。12世紀平安時代末期、13世紀鎌倉時代。明恵上人自身も絵巻を目にしていない。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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明恵(1173年2月21日 - 1232年2月11日)60歳で没す。
【両親と別れ】1173年、明恵は紀州有田郡に生まれる。この年、親鸞と湛慶が生まれた。治承4年(1180年)、9歳(数え年)にして両親を失い、翌年、高雄山神護寺に叔父の上覚に師事(文覚にも師事)、華厳五教章・倶舎頌を読む。文治4年(1188年)16歳、出家、東大寺で具足戒を受けた。
1190年(建久元年)18歳 、「夢記」を書き始める。41年間描き続ける。
【紀州白峰で修行】1196年(建久七年)24歳、東白上に移り、自ら右耳を切る。翌日、文殊菩薩が現れ霊感を得る。
【釈迦への思慕、天竺への憧れ】元久元年(1205年)、釈迦への思慕の念が深い明恵は『大唐天竺里程記』をつくり、天竺へ渡って仏跡巡礼を企画。
【高山寺、成立】遁世僧、明恵、1206年(建永元年)34歳、後鳥羽上皇から栂尾の地を下賜され、華厳宗興隆の地として高山寺を開山。
【承久の乱、女人救済、善妙寺】承久3 (1221 )年、承久の乱、後鳥羽上皇が北条義時に敗れる。後鳥羽上皇側の女人たちが明恵を頼った。西園寺公経の助力を得て尼寺、善妙寺を建てた。1223年、高山寺金堂にあった快慶作の釈迦如来坐像を善妙寺の本尊とした。
華厳教学の研究、学問や坐禅修行などの観行にはげみ、戒律を重んじて顕密の復興に尽力。明恵は華厳の教えと密教との統一・融合をはかり、この教えはのちに華厳密教と称された。
1232年(貞永元年)60歳 、1月19日、高山寺禅堂院にて示寂。
高山寺の寺号は、『華厳経』の「日出でて先ず高山を照らす」という句による。
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展示作品の一部
国宝「華厳宗祖師絵伝」。古代朝鮮で華厳宗の祖となった義湘(ぎしょう)と元暁(がんぎょう)の求法の旅が描かれる。義湘絵と元暁絵があり、明恵上人の事跡とも重なるテーマを異国の高僧を借りて描いた長編ドラマ。
【義湘に美女、善妙が、一目惚れ】
唐の時代。朝鮮半島の新羅の国から、ひとりの優秀な修行僧が、唐の国に留学して、修行を積んでいた。その修行僧に一目惚れした、高貴な身分の女性が、勇気を出して、『私はあなたを、愛しています。』と告白。その修行僧は、『私は仏に仕える僧侶です。しかも留学中で、女性を愛することは出来ない。』と、丁寧に断る。そこで、その女性は、『私に出来る限りのことをさせて下さい。』と言って、修行僧が唐の国に滞在中、経済的な援助を十二分にする。やがて時を経て、その修行僧はその女性に別れを告げずに、新羅に帰って行きます。それを知った彼女は、大切な経典や仏具を持って、港まで追いかけて行くのですが、港に就いたら、すでに修行僧の乗った船は、沖合まで出て行ってしまっています。そこで、その女性は嘆き哀しんで、持ってきた大切な経典や仏具は海に投げ捨て、海の中に身を投げて、空飛ぶ龍になって、その修行僧が乗っている船を背にして、安全に新羅の国まで送り届ける。
重要文化財 明恵上人坐像 鎌倉時代 13世紀 京都・高山寺 通期
重要文化財 湛慶作、子犬 鎌倉時代 13世紀 京都・高山寺 通期
明恵「夢記」鎌倉時代・承久2年、京都・高山寺蔵。1232年(貞永元年)。
国宝「明恵上人歌集 高信筆」鎌倉時代・宝治2年(1248) 京都国立博物館蔵
詠草 明恵筆 鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺蔵
重要文化財 仏涅槃図 鎌倉時代 13世紀 京都・高山寺蔵
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参考文献
図録「国宝 鳥獣戯画のすべて」東京国立博物館2021
図録「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」東京国立博物館2015
特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」2015年4月28日(火)から2015年6月7日(日)まで
「鳥獣戯画のすべて」・・・謎の絵巻、怪僧・明恵
https://bit.ly/32XqQ2H
高山寺「鳥獣戯画」・・・快僧、明恵の夢、40年間、夢記を記録
https://bit.ly/3xCNL1o

図録「国宝 鳥獣戯画のすべて」東京国立博物館2021
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2009
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「国宝 鳥獣戯画のすべて」東京国立博物館、2021年4月13日(火)~5月30日(日)

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