「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』222回
夏の午後、六本木に行く。人影まばらである。資本主義史上、最大のウィルス感染危機に襲われている。人の密集した都市文明は異常であるが、江戸人は、料理茶屋、歌舞伎、花見の宴、料亭の遊宴、都市人の楽しみに耽溺した。今、東京人は人形町「㐂寿司」、銀座「久兵衛」飯倉「野田岩」銀座「てんぷら近藤」に行く。
浮世絵は、有岡城主、荒木村重の遺児、岩佐又兵衛『洛中洛外図屏風』舟木本(1614‐15)が起源とされるが、菱川師宣(1618‐1694)が浮世絵の祖とされ、美人画が江戸人に流行した。
浮世絵の題材は、美人画、役者絵、芝居絵、名所絵、春画、花鳥画、多岐にわたるが、江戸の風俗史に欠かせない食事も、多くの絵師によって描かれたテーマである。
東京、日本橋には今も名店が軒を連ねる。すし・うなぎ・天ぷら・そば、季節に移ろう江戸を代表する料理。描かれた「日本の料理を食する」場面。食を描いた浮世絵の魅力、現代の暮らしにも通じる江戸の食文化、そして四季折々、江戸人が楽しんだ食材と料理法。
葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳も、江戸の食事の風景を描いた。
嬉々とした表情で喜んですしを嗜好する女を描いた国芳「縞揃女辨慶 (松の鮨)」、うなぎを手にする女「春の虹蜺」、名絵師が描いた食の場面。
北斎の「北斎漫画」、そばを食する姿を描いた作品がある、満開の桜に宴を楽しむ男女の姿を活写した三代歌川豊国「見立源氏はなの宴」。
「東海道五十三次、鞠子、名物茶店」は「梅若菜、丸子の宿のとろろ汁」芭蕉。安藤広重は、江戸の名店を主題とした「江戸高名會亭盡 両国柳橋 河内屋」、東海道の宿場町の連作「東海道五十三次」には、料理を楽しむ人々がいる。
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【後藤新平、島村抱月、松井須磨子、与謝野晶子】後藤新平は、125年前1895年、日清戦争帰還兵を似島で3か月で30万人、コレラを検査と隔離によって防疫に成功した。
1918年、島村抱月がスペイン風邪で死去、2カ月後、女優松井須磨子が後追い自殺。与謝野晶子は、子供11人がいたが、1人が学校で感染して、家族全員が感染。スペイン風邪は、世界で5000万人死亡した。(『NationalGeogrephics』)
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
葛飾北斎「北斎漫画」
安藤広重「東海道五十三次」「鞠子、名物茶店」
安藤広重「江戸高名會亭盡 両国柳橋 河内屋」
国芳「縞揃女辨慶 (松の鮨)」「春の虹蜺」
三代歌川豊国「見立源氏はなの宴」
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参考文献
「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚
https://bit.ly/3kwMEK0
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」・・・浮き世の遊宴と享楽と美女
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「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」江戸東京博物館・・・謎の絵師写楽、画狂老人卍
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「大浮世絵展」・・・反骨の絵師、歌麿。不朽の名作『名所江戸百景』、奇想の絵師
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「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」東京都美術館・・・世に背を向け道を探求する、孤高の藝術家
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「新・北斎展」森アーツセンターギャラリー・・・悪霊調伏する空海、『弘法大師修法図』
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「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」
六本木ヒルズ52階、森アーツセンターギャラリーにて
2020年7月15日(水)~9月13日(日)〈事前予約制〉
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