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2020年8月

2020年8月10日 (月)

「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚

Ukiyoe-moriart-2020
Andou-hiroshige-mariko
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』222回

夏の午後、六本木に行く。人影まばらである。資本主義史上、最大のウィルス感染危機に襲われている。人の密集した都市文明は異常であるが、江戸人は、料理茶屋、歌舞伎、花見の宴、料亭の遊宴、都市人の楽しみに耽溺した。今、東京人は人形町「㐂寿司」、銀座「久兵衛」飯倉「野田岩」銀座「てんぷら近藤」に行く。
浮世絵は、有岡城主、荒木村重の遺児、岩佐又兵衛『洛中洛外図屏風』舟木本(1614‐15)が起源とされるが、菱川師宣(1618‐1694)が浮世絵の祖とされ、美人画が江戸人に流行した。
浮世絵の題材は、美人画、役者絵、芝居絵、名所絵、春画、花鳥画、多岐にわたるが、江戸の風俗史に欠かせない食事も、多くの絵師によって描かれたテーマである。
東京、日本橋には今も名店が軒を連ねる。すし・うなぎ・天ぷら・そば、季節に移ろう江戸を代表する料理。描かれた「日本の料理を食する」場面。食を描いた浮世絵の魅力、現代の暮らしにも通じる江戸の食文化、そして四季折々、江戸人が楽しんだ食材と料理法。
葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳も、江戸の食事の風景を描いた。
嬉々とした表情で喜んですしを嗜好する女を描いた国芳「縞揃女辨慶 (松の鮨)」、うなぎを手にする女「春の虹蜺」、名絵師が描いた食の場面。
北斎の「北斎漫画」、そばを食する姿を描いた作品がある、満開の桜に宴を楽しむ男女の姿を活写した三代歌川豊国「見立源氏はなの宴」。
「東海道五十三次、鞠子、名物茶店」は「梅若菜、丸子の宿のとろろ汁」芭蕉。安藤広重は、江戸の名店を主題とした「江戸高名會亭盡 両国柳橋 河内屋」、東海道の宿場町の連作「東海道五十三次」には、料理を楽しむ人々がいる。
――
【後藤新平、島村抱月、松井須磨子、与謝野晶子】後藤新平は、125年前1895年、日清戦争帰還兵を似島で3か月で30万人、コレラを検査と隔離によって防疫に成功した。
1918年、島村抱月がスペイン風邪で死去、2カ月後、女優松井須磨子が後追い自殺。与謝野晶子は、子供11人がいたが、1人が学校で感染して、家族全員が感染。スペイン風邪は、世界で5000万人死亡した。(『NationalGeogrephics』)
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
葛飾北斎「北斎漫画」
安藤広重「東海道五十三次」「鞠子、名物茶店」
安藤広重「江戸高名會亭盡 両国柳橋 河内屋」
国芳「縞揃女辨慶 (松の鮨)」「春の虹蜺」
三代歌川豊国「見立源氏はなの宴」
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参考文献
「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」・・・江戸人の味覚
https://bit.ly/3kwMEK0
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」・・・浮き世の遊宴と享楽と美女
https://bit.ly/30JCdd2
「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」江戸東京博物館・・・謎の絵師写楽、画狂老人卍
https://bit.ly/35ywoAa
「大浮世絵展」・・・反骨の絵師、歌麿。不朽の名作『名所江戸百景』、奇想の絵師
https://bit.ly/34AB3Bz
「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」東京都美術館・・・世に背を向け道を探求する、孤高の藝術家
https://bit.ly/2BUy4rl
「新・北斎展」森アーツセンターギャラリー・・・悪霊調伏する空海、『弘法大師修法図』
https://bit.ly/2HAZJ5y 
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「おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~」
六本木ヒルズ52階、森アーツセンターギャラリーにて
2020年7月15日(水)~9月13日(日)〈事前予約制〉

2020年8月 1日 (土)

STARS展、現代美術のスターたち、森美術館 ・・・資本主義史上最大の感染爆発、混迷する人類、救済する智慧はどこにあるか

Stars-2020
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第221回
夏の午後、六本木ヒルズ、森美術館に行く。
【神の怒り】人類史をみると人の密集した都市文明は異常である*。神々は、カネと地位に執着する人間たちに天罰を下す。
人格なき学識(Knowledge without Character)、道徳なき商業(Commerce wihtout Morality)、人間性なき科学(Science without Humanity)は人間を滅ぼす。「マスコミは無知な大衆をだますことが仕事である」TV局社長。文明は死を超えて、利益を追求する。BC8000年、農耕牧畜が始まり、人獣共通感染症が出現。家鴨と豚を一緒に飼うことによって出現した。森林を伐採して農地を作り、そこに大量の肥料をまき文明が栄えた。BC4000年シュメールに都市文明が誕生、階級社会が生まれ、宗教と藝術と学問が生まれた。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
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時間の庭のひとりごと
100年に一度の感染爆発の危機にあって、現代美術のスターたちは、大衆をだます詐欺師か、天から舞い降りた創造者か。
私は、ひとり糸杉の森で、天災人災を調伏するため、大日如来、愛染明王に祈りをささげ、真言を唱える。
杉本博司《時間の庭のひとりごと》2020年は、人の少ない海と森のなかで人間が生きることの意味を考えさせる。杉本博司72歳の映像作品。
地球上で起こるすべての環境破壊は、人間の欲望によって生まれた。近代資本主義が築いた文明が無に帰すとき、人間が理想とすべき、生きかたの形、偉大な人類の精神が現れる。
アクロポリスのパルテノン神殿は、古代人の理想を刻む。現代人は、古代文化の精神に思いを馳せ憧れる。廃墟になっても美しい、人の心を打つ藝術を創造することが、真の藝術家の使命である。
現代美術のスターたちは、大衆をだます詐欺師か、天から舞い降りた創造者か。
【如意輪観音菩薩】「真実を語る人は黙殺される。虚偽を語り、人をだます者が尊重される鬼畜競争社会」「天から降りた天人はこの世の守銭奴に苦しめられる」「六道輪廻、天人は、餓鬼道の人間に虐められる。天人は、如意輪観音に救われる。六観音の教え。大報恩寺」
人生で、よい師と出逢うことは、重要なことだ。しかし、よき師に出逢うことは困難である。求めて出逢うことは、まれである。【ミケランジェロとロレンツォ】1489年メディチ家ロレンツォがギルランダイオを介して、ミケランジャロと出会う。1490年から1492年メディチ家が創設したプラトン・アカデミーに参加。ミケランジェロ藝術の原点。
【本質をみる学問】古代ギリシアの学問は、現象を捉えるだけの表面的な学問でなく根本的に知性を磨き教養を養い、精神的な価値を考えさせる学問。パルメニデス、ヘラクレイトス、エンペドクレス、ソクラテス、プラトン。哲学者の思想の回廊に刻まれた美しい日々。プラトン哲学の奥義を究めた。
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
*大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
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展示作品の一部
杉本博司《時間に庭のひとりごと》2020年、映像作品
杉本博司《シロクマ》1976年
村上 隆《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》1997年
奈良美智《Voyage of the Moon (Resting Moon) / Voyage of the Moon》2006年
李禹煥《関係項》1969/1982年
草間弥生《ピンクボート》1992
宮島達男《Sea of Time '98》1998年
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参考文献
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。
https://bit.ly/2XoaNcd
感染爆発、帝国と都市国家の戦い。この世の果てを超えて、旅する詩人・・・「時の関節が外れた」シェイクスピア
https://bit.ly/2XoaNcd
世界の果てへの旅:The World's End ・・・理念を探求する旅人
https://bit.ly/2WylxmE
ウィルスと人類の戦い・・・感染爆発の歴史、アテネのペリクレス、ルネサンス、厩戸皇子 、盧舎那仏
https://bit.ly/2z32Orl
「愛染明王像」康円作、鎌倉時代13世紀。京都神護寺から東京国立博物館に寄託。
「大日如来坐像」運慶作、鎌倉時代12世紀、栃木、光得寺
「密教彫刻の世界」東京国立博物館・・・愛染明王、金剛薩埵の化身
https://bit.ly/2WNIoNt

STARS展、現代美術のスターたち、森美術館 ・・・資本主義史上最大の感染爆発、混迷する人類、救済する智慧はどこにあるか
https://bit.ly/30g3TY4
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ガンジー『魂のことば』『七つの社会的罪』(Seven Social Sins)
理念なき政治(Politics without Principles)
労働なき富(Wealth without Work)
良心なき快楽(Pleasure without Conscience)
人格なき学識(Knowledge without Character)
道徳なき商業(Commerce wihtout Morality)
人間性なき科学(Science without Humanity)
献身なき信仰(Worship without Sacrifice)
(長谷川真理子)「人類史でみると人の密集した都市文明は異常である」
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STARS展、現代美術のスターたち、日本から世界へ、森美術館、2020.7.31(金)~ 2021.1.3(日)
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/stars/

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