ロンドン・ナショナル・ギャラリー展・・・ルネサンス、ヴェネツィアの放浪画家、マニエリスムの放浪画家
大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第217回
資本主義史上最大の感染爆発、美術館は閉鎖され、都市封鎖。世界は時の歩みを止めた。
3月8日、ヴェネツィア都市封鎖、3月17日、パリ都市封鎖、3月22日、NY都市封鎖。
感染爆発を止めるか経済活動か、全体主義か自由主義か、自由か死か、人類は解くことのできないディレンマに直面している。
国立西洋美術館は2月27日から閉鎖され、6月18日再開された。ルーヴル美術館は、3月閉鎖、7月6日、再開予定。
ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、ルネサンス美術をイギリスに紹介したことに1つの業績がある。レオナルド工房、ジョバンニ・アンブロージオ・デ・プレディス『岩窟の聖母』1508、はここにある。
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人の密集する文明は異常である。大地の女神からみると、人類は傲慢に繁栄しすぎた。人のいなくなった都市には、碧空、羊、鹿、鳥、動物が出てくる。 マリー・アントワネットのプチ・トリアノン宮には、300年前の風景が蘇った。
【人口削減計画】ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するためにテミスと試案を重ね、大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意をした。そして、トロイア戦争を起こした。
『キュプリア』によれば,ガイアは、増えすぎた人間の重みに耐えかね,. しかも人間には神 を畏敬する心がまったくなかったため, ゼウスにこの重荷.を軽減してくれるようにと願い出た. ゼウスは同情してまずテーバイ戦争を起こし多数の人間を滅ぼした。
【黒死病、ルネサンス】1348年、フィレンツェで黒死病が流行。『デカメロン』1351。1348から1577年ヴェネツィアまで、イギリス、パリ、6回、感染爆発が起こる。ヨーロッパ全土に黒死病が蔓延。全人口の5割が死亡。1億人。
ヴェネツィアにかかわる2人の、ルネサンスの放浪画家、カルロ・クリヴェリ、マニエリスムの放浪の画家、エル・グレコに、思いを馳せた。
エル・グレコ展・・・天上界と地上界の融合、 「昨夜私は永遠を見た」
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大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』より
*大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
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【放浪の奇才、装飾的で妖艶な祭壇画】カルロ・クリヴェリはヤコポ・クリヴェリの息子である。初めはジャコポ・ベリーニ、ヴィヴァリーニ工房、アントニオとバルトロメオ・ヴィヴァリーニ、ヴェネツィアに住むパドヴァ派の兄弟画家に学んだ。画風の特徴は、柔らかく艶麗な人物像、明確なモデリングと精密なディテール、金属的な装飾。パドヴァ派伝統の画風に触れ、アンドレア・マンテーニャの絵画の影響を受ける。
1457年、カルロ・クリヴェリは既婚女性を誘惑したとして、ヴェネツィアで姦通罪の刑期を務めた。
その後ヴェネツィアを去った。その後、彼はヴェネツィアの南にあるプロヴァンシア・ディ・アンコーナの都市で活動する。1487年からアスコリ・ビチェーノに住み、1482年3月25日、受胎告知の祝日、シクストゥス4世からこの都市が自治権を得たのを記念して『受胎告知』を描く。マルケ地方、ダルマチア地方で祭壇画の画家として「多翼祭壇画」を多数描く。1495年、65歳で死す。
Carlo Crivelli 1430-1495| 初期ルネサンス・ヴェネツィア派
Carlo Crivelli | Italian painter | Britannica
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【放浪の画家】エル・グレコEl Greco (1541年—1614年)、クレタ島に生まれ、1567年、ヴェネツィアへ渡航、ティツィアーノ工房で学ぶ。ローマに行く。アレッサンドロ・フェロネーゼ枢機卿の支援を受ける。1577年春、マドリードに渡航。エル・エスコリアル、トレドへ放浪した。ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1488年~1576年)が仕えた、フェリペ 2世のエル・エスコリアル宮殿(1563年~1584年)の絵画制作のために渡航。フェリペ2世の宮廷画家になれず。『聖衣剥奪』(1577-1579トレド大聖堂)が評価されず。トレドに住み工房を営む。ヘロニマ・デ・ラス・クエバスとの間にホルヘ・マヌエルを残す。73歳で死す。
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★主な展示作品
カルロ・クリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」1486
エル・グレコ「神殿から商人を追い払うキリスト」1600
クロード・ロラン「海港」1644
レンブラント・ファン・レイン「34歳の自画像」1640年
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《劇場にて(初めてのお出かけ)》 1876-77年 油彩・カンヴァス 65×49.5cm
ヨハネス・フェルメール 《ヴァージナルの前に座る若い女性》 1670-72年頃 油彩・カンヴァス 51.5×45.5cm
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ひまわり》 1888年 油彩・カンヴァス 92.1×73cm
クロード・モネ《睡蓮の池》(1899)
ジョゼフ・マロード・ ウィリアム・ターナー《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》(1829)
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★ロンドン・ナショナル・ギャラリー展、
国立西洋美術館、2020年6月18日~10月18日
国立国際美術館、2020年11月3日(火・祝)~2021年1月31日(日)
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