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2018年6月

2018年6月 9日 (土)

ミラクル エッシャー展、奇想版画家の謎を解く8つの鍵・・・迷宮の旅人

Escher2018Escher_belvedere_1958大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第147回
森の緑陰を歩いて美術館に行く。不思議な迷宮、エッシャー「上昇と下降」1960、「滝」1961、「ベルヴェデーレ、物見の塔」1958。奇想版画家、エッシャーは、なぜ、建築不可能な建築、無限を閉じ込めた有限を描きつづけたのか。迷宮の旅人の謎。
イタリアの迷宮都市、アマルフィ海岸の迷宮、アルハンブラ宮殿。運命の女に出会う。
1922年—1937年、24歳から39歳まで、イタリア、スペインを旅する。1922年、アルハンブラ宮殿に出会う。1923年、イタリアでイエッタに出会う。
1922年-24年、イタリアを旅する。1923年、25歳のとき、イエッタ・ウミカーと出会う。運命の女。イタリアの旅、スペインの旅で、建築不可能な構造物、無限を有限のなかに閉じ込めた建築、無限模様に魅せられる。
版画家は、世界で最も美しい海岸、アマルフィ、アルハンブラ、迷宮都市に魅せられ、バッハの無限旋律に耽溺し、現実と非現実の狭間を彷徨い、迷宮の謎に挑みつづけた。
「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。汝が深淵を覗き込むとき、深淵もまた汝を覗き込んでいる。」『善悪の彼岸』146節。
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【エッシャー 迷宮の旅 アルハンブラ】1922年、スペインの旅でアルハンブラ宮殿に出会う。1924年、旅行先のイタリアで出会ったイエッタ・ウミカーと結婚。1926年、長男ジョージが生まれローマに移り住む。1930年、風景画の最高傑作『カストロバルバ』制作。1935年長男がイタリア少年国粋党の制服着用を義務づけられファシズムを嫌いスイスに移住。だが、スイスの雪景色に倦怠する。南の海に憬れ、自らスペイン南部にいたる船旅を計画。旅行中スペイン、グラナダのアルハンブラ宮殿で、ムーア人のアラベスク模様を見て感銘を受ける。1937年、39歳アルハンブラ宮殿の再訪、以後、作風は一変する。繰り返し模様の作品に挑戦しはじめる。エッシャー(Maurits Cornelis Escher 1898-1972)は、73歳まで、迷宮に挑みつづける。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
大久保正雄『藝術と運命との戦い、運命の女』
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展示作品の一部
エッシャー「アマルフィ海岸」1934、「サンジミニャーノ」1922、「地下聖堂での行列」1927、「カストロヴァルヴァ アブルッツィ地方」1930、「水没した聖堂」1929、「バベルの塔」1928、「昼と夜」1938
エッシャー「上昇と下降」1960、「滝」1961、「相対性」1953、「メタモルフォーゼⅡ」1939、「ベルヴェデーレ、物見の塔」1958
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参考文献
大久保正雄『藝術家と運命との戦い、運命の女』
シュールレアリスムの夢と美女、藝術家と運命の女
https://bit.ly/2vikIlL
クロード・モネ『日傘の女』・・・藝術家と運命の女、カミーユの愛と死
https://bit.ly/2JcRwVI
藝術と運命との戦い、藝術家と運命の女 印象派、ジョルジュ・スーラ
http://bit.ly/2vfh8dP
http://bit.ly/2zgVKGe
――
8つのキーワードを通して説く、奇想版画家の「謎」。「科学」「聖書」「風景」「人物」「広告」「技法」「反射」「錯視」の8つの観点からエッシャーの作品に迫ります。
20世紀のオランダ、ヨーロッパ芸術のなかで、エッシャーは極めて独特な位置に立つ芸術家。20世紀を代表する奇想の版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャー(Maurits Cornelis Escher 1898-1972)。“視覚の魔術師”と呼ばれる。独特の構図と唯一無二の技法を使った「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」の作品で有名だ。コンピュータの存在しない時代に発想した、緻密で数学的なアートワークは人々を驚かせた。広報資料より
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★ミラクル エッシャー展、奇想版画家の謎を解く8つの鍵
生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展
上野の森美術館、2018 年6 月6 日(水) - 7 月29 日(日)
あべのハルカス美術館、11月16日(金)~2019年1月14日(月・祝)

2018年6月 3日 (日)

「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」・・・絶対権力者が手に入れられない秘宝

20180530Louvre2018大久保 正雄『旅する哲学者 美への旅』第146回
アレクサンドロス大王は、20歳で復讐を果たして人生の旅に旅立つ。ペルシア帝国を滅ぼし、バビロンにて33歳で死す。ナポレオンは、51歳で絶海の孤島セント・ヘレナで死す。王妃マリー・アントワネット、コンコルド広場にて処刑、37歳。波瀾の人生の果てに、若くして死す。人生の戦いに勝利した偉大な王、何を手に入れたのか。価値ある生とは何か。人生の冒険に破れた詩人。人生の戦いに破れた哲人、理念を追求する。輝く天の仕事をなし遂げる人。絶対権力者が手に入れられない4つの秘宝がある。
――
【偉大なる大王の死】アレクサンドロス3世、33歳。ダレイオス1世66歳。ダレイオス3世60歳。ラムセス2世92歳、子供100人を残す。ハトシャプスト女王49歳。アクエンアテン王29歳。ツタンカーメン18歳。美しき宗教改革者ネフェルティティ63歳。絶対権力者が手に入れられない4つの秘宝がある。
【フランス革命の死】マリー・アントワネット37歳。ルイ16世38歳。ロベスピエール36歳。ダヴィッド77歳。ナポレオン51歳。1804年、ナポレオン法典制定、帝位につく。ナポレオン1世となる。
【ルネサンスの死】1492年、ロレンツォ・デ・メディチ43歳。1478年4月26日、ジュリアーノ・デ・メディチ25歳。アンジェロ・ポリツィアーノ39歳。ミランドラ31歳。フィチーノ62歳。ボッティチェリ65歳。ミケランジェロ88歳。シクストゥス4世70歳。1499年プラトンアカデミーの思想家、死す。1600年、ジョルダーノ・ブルーノ52歳。
【復讐する精神】アレクサンドロスは、父王フィリッポス2世を側近貴族によって暗殺、復讐を果たして人生の旅に旅立つ。紀元前336年、アレクサンドロス20歳。織田信長は、織田信行の二度目の謀反に復讐を果たし、人生の冒険に旅立つ。弘治三(1557)年、信長24歳。
【ナポレオン】余の栄誉は40回の戦勝ではなく、永久に残るのは余の民法典である。
ナポレオン、身長168。27歳でイタリア遠征軍司令官に抜擢され、第1次対仏大同盟を崩壊させ、イギリスとインドの通商を絶つため、エジプト遠征。1800年第2次対仏大同盟を解体、終身統領となる。1804年、ナポレオン法典制定、帝位につく。ナポレオン1世となる。1810年、オーストリア皇帝の長女マリー・ルイーズと結婚。1812年、ロシア遠征挫折。1813年、諸国民戦争に敗れ、エルバ島に流刑。1815年、エルバ島を脱出し、帝位につく。ワーテルローの戦いで破れ、絶海の孤島セント・ヘレナ島に流される。51歳で死す。
【第六天魔王 織田信長】信長は武田信玄に対する返書にて「第六天の魔王信長」と署名した。天正元(1573)年4月20日フロイス『日本史』。信長40歳。「三界(無色界、色界、欲界)」のうち、欲界の最上天が「第六天(他化自在天)」であり、その欲界を支配しているのが「第六天魔王」である。
*「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい。」Utilitarianism.1861
“It is better to be a human being dissatisfied than a pig satisfied; better to be Socrates dissatisfied than a fool satisfied.” Utilitarianism.1861
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 美のイデアへの旅』
大久保正雄『藝術と運命との戦い、運命の女』
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展示作品の一部
「アレクサンドロス大王の肖像」、通称《アザラのヘルメス柱》2世紀前半、リュシッポスによる原作(前330年頃)に基づきイタリアで制作イタリア、ティヴォリ出土 大理石(ペンテリコン産)
ディエゴ・ベラスケス「スペイン王妃マリアナ・デ・アウストリア」1652
アントワーヌ=ジャン・グロ「アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)」1796年
クロード・ラメ「戴冠式の正装のナポレオン1世」1813年
アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの工房「戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像」1827年
ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)「女性の肖像」、通称「美しきナーニ」1560年
セーヴル磁器製作所(ルイ=シモン・ボワゾに基づく)「フランス王妃マリー=アントワネットの胸像」1782年 ビスキュイ(素焼きの硬質磁器)
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「フランス王子、オルレアン公フェルディナン=フィリップ・ド・ブルボン=オルレアンの肖像」1842年
サンドロ・ボッティチェリと工房「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」1480-1490年頃 ロレンツォ・イル・マニフィコの従兄弟であった、ロレンツォ・トルナブオーニ(1465-1497)とする説がある。
ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房「マラーの死」1794年頃 油彩/カンヴァス
「青冠をかぶったアメンホテップ3世」在位前1391-1353
子はアメンホテプ4世アクエンアテン王。老王アメンホテプ3世は、若く美しいネフェルティティを迎えるが自身は病に苦しみ、ほとんど政治は正妃のティイに任せ、彼女は、父との不仲で中央から遠ざけられていた、12歳の息子のアメンホテプ4世を呼び寄せ、ネフェルティティと結婚させる。
「神官としてのアウグストゥス帝」
「トガをまとったティベリウス帝」
「胴鎧をまとったカラカラ帝」
フランシスコ・デ・ゴヤ「ルイス・マリア・デ・シストゥエ・イ・マルティネス」1791
ジュゼッペ・アルチンボルド「春」1573年 油彩/カンヴァス
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参考文献
大久保正雄『地中海紀行』53回アレクサンドロス大王1
フィリッポスは、アレクサンドロスの妹の結婚式で、暗殺された。
マケドニア王国 フィリッポス2世の死 卓越した戦略家
https://t.co/xcCI2H0le5
大久保正雄『地中海紀行』54回アレクサンドロス大王2
アレクサンドロス帝国の遺産はどこに残されたのか
王妃オリュンピアス アレクサンドロス帝国の謎
https://t.co/GqhV2l84wK
大久保正雄「旅する哲学者 美への旅」第73回
ハプスブルク家 マリーアントワネット 革命に散る
https://t.co/LsGpsWXdsT
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★「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」
国立新美術館、5月30日-9月3日
大阪市立美術館、9月22日(土)- 2019年1月14日(月・祝)

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