無料ブログはココログ

« アルチンボルト展・・・ハプスブルク家の皇帝の奇妙な趣味 | トップページ | ボストン美術館の至宝展、東京都美術館・・・陳容「九龍図巻」 »

2017年8月 9日 (水)

シュールレアリスムの夢と美女

Piazzaditalia1955シュールレアリスムの夢と美女、藝術家と運命の女
シュールレアリスムの藝術家は、夢と現実の狭間で生きる。過酷な現実を超えて、夢のような人生を生きる画家がいる。大地と海の狭間に、美術の城を建て、そこで死ぬまで暮らした画家がいる。
藝術家が運命と戦うとき、藝術家を救う運命の女が現れる。ルネサンス以後、愛は貧しき人を救う物語が書かれる。美しき女相続人ポーシャがバサーニオの運命を救う(『ヴェニスの商人』)。「人間の真の姿がたち現れるのは、運命に敢然と立ち向かう時である。」(『トロイラスとクレシダ』)
運命の出会い。運命の女。出会うべき人には必ず出会う。一瞬も遅からず、早からず。内に求める心がなければ、眼前にその人ありといえども見えず。
ピカソ(Pablo Piccaso, 1881-1973)は、7人の女性に出会い、作品の世界に、女性を描いた。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
藝術家は運命と戦う。藝術家は運命に苦悩する。運命との戦いの中から藝術は生まれる。
藝術家は、運命の女と出会う。運命の恋人は女神である。運命の愛から、藝術は生まれる。*大久保正雄『藝術と運命の戦い』
大久保正雄『藝術家の運命と愛』
―――
美は真であり、真は美である。これは、地上にて汝の知る一切であり、知るべきすべてである。
黄昏の丘、黄昏の森。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護霊が救う。美しい魂は、輝く天の仕事をなす。
*大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』より
大久保正雄『永遠を旅する哲学者 イデアへの旅』
―――
【シュールレアリスムの画家たち】Surrealisme
1、ジョルジュ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico,1888-1978)
デ・キリコは、26歳の時、1枚の絵『街の神秘と憂愁』1914が、形而上絵画Metaphysical Paintingとして評価され、90年の生涯を、夢と絵画の現実の狭間で生きる。
美しさの誉れ高い2度目の妻イザベッラの肖像画も沢山残している。
ローマのスペイン広場の家で90歳まで、絵画制作をつづける。
形而上絵画
1910年始め、ミラノを離れてフィレンツェへ移動し、そこでベックリンの作品を下敷きに最初の形而上絵画シリーズ形而上学的な街角"Metaphysical Town Square"を制作。サンタ・クローチェ聖堂で啓示を受けて描き上げた『秋の午後の謎 』『神託の謎』『時間の謎』「自画像」が代表作である。
1920年代にデ・キリコがルネッサンスやバロックの時代に関心を示すようになり、古典的絵画と形而上絵画の間をさまよい、制作をつづける。
晩年の30年間をスペイン広場で過ごしたデ・キリコの住まいは美術館になっている。ローマのジョルジョ・デ・キリコ美術館には、デ・キリコの妻イサベラの肖像画など、主に1940~1950年代の作品が展示されている。デ・キリコ自身の生活の匂いがそこにある。*Casa Museo di Giorgio De Chirico, Roma
主な作品
ジョルジュ・デ・キリコ『神託の謎』(Enigma of the Oracle/Enigme de l'oracle)1910年
『秋の午後の謎』(Enigma of an Autumnal Afternoon/Enigme d'un apres-midi d'antomne)1910年
『時間の謎』(Enigma of the Hour/Enigme de l'heure)1910年
『自画像』(Self Portrait (Autoportrait)/Portrait de l'artiste par lui-même(Autoportrait))1910年
Giorgio de Chirico. The Nostalgia of the Infinite.1911
ジョルジュ・デ・キリコ『街の神秘と憂愁』Melancholy and Mystery of a Street,1914
ジョルジュ・デ・キリコ『イタリア広場』Piazza d'Italia,1913
『イタリア広場』Piazza d'Italia,1955
―――
2、サルヴァドール・ダリ(Salvador Dali,1904—1989)
27歳の時、『記憶の固執』1931を描き、生涯の最高傑作となる。『記憶の固執』は『柔らかい時計』『溶ける時計』とも呼ばれる。ガラが食べていたカマンベールチーズが溶けていく状態を見てインスピレーションを得たといわれる。カタルーニャのカダケスの海を背景に画いている。ニューヨーク近代美術館に収蔵されている。
運命の女、ガラ
1929年夏、ポール・エリュアールが妻とともにカダケスのダリのアトリエを訪ねた。ダリの妻となるガラ・エリュアールとの出会いである。ダリとガラは強く惹かれ合い1934年に結婚。1982年にガラが死去。「自分の人生の舵を失った」。ジローナのプボル城に引き籠もった。1983年5月を最後に絵画制作を止める。1974年、フィゲラスのダリ劇場美術館(Teatre-Museu Dali)を開き、ダリの世界を構築する。
ダリ『茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)』1936
Soft Construction with Boiled Beans(Premonition of Civil War)
ダリ『記憶の固執』La persistencia de la memoria,1931
ダリ『記憶の固執の崩壊』La Desintegración de la Persistencia de la Memoria,1954
ダリ『降りてくる夜の影』1931『謎めいた要素のある風景』1934
ダリ「レダ・アトミカ」Dali,Leda,Atomica,1949
参考文献
『ダリ』知の再発見双書
生誕100周年記念「ダリ展」、上野の森美術館、2006年
―――
3、ポール・デルヴォー
ポール・デルヴォー(Paul Delvaux, 1897~1994)は、困難な運命との苦闘の末、別離した運命の女性と再会する。1929年32歳の時、運命の恋人アンヌ=マリー・ド・マルトラール(タム)と出会う。しかし別離。別れから17年後、恋人と運命的な再会を果たす。1934年「ミノートル展」で、デ・キリコの作品に出会いシュールレアリスムの影響を受ける。『眠れるヴィーナス』の幻想を描きつづける。デルヴォーは、96歳まで優美な白昼夢をヨーロッパの夜の風景に紡ぎつづけた。
ポール・デルヴォー「海は近い」1965 姫路市立美術館
ポール・デルヴォー「水のニンフ(セイレーン)」1937 姫路市立美術館
Paul Delvaux, The sea is near.1965.De zee is nabij – 1965
Paul Delvaux,Water Nymphs, Sirens. 1937
―――
4、ルネ・マグリット
ルネ・マグリット(Rene Magritte,1898‐1967)は、ジョルジョ・デ・キリコの「愛の歌」(1914)に感銘を受け、シュルレアリスムに傾倒する。妻ジョルジェットとともにパリへ引っ越し、アンドレ・ブルトンを中心とするパリのシュルレアリストたちのグループに合流したマグリットは、言葉とイメージの関係を主題とする作品を多く生み出した。Surrealism(1926−1930)時代。69年の生涯を画家として生きる。
ルネ・マグリット「大家族」、1963年、油彩・キャンヴァス 宇都宮美術館
―――
参考文献
ダリ『記憶の固執』・・・スペインの荒涼とした大地
http://platonacademy.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-4ee9.html
マグリット展・・・夕暮れの瞬間、光の帝国
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-6e86.html
ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅・・・夢と現実の織りなす世界
http://mediterranean.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-bc20.html
ベルギー、奇想の系譜、ザ・ミュージアム・・・怪奇と幻想うごめくフランドル 
http://bit.ly/2u6J1nr
デ・キリコ展1920—1950、東京都庭園美術館、1993年
―――
パブロ・ピカソが愛した7人の女性、作品に与え続けた大きな影響
https://matome.naver.jp/odai/2146640490474122401
ピカソが最も恐れた画家「ジョルジョ・デ・キリコ」の不思議な絵
https://matome.naver.jp/odai/2138324132769724701

« アルチンボルト展・・・ハプスブルク家の皇帝の奇妙な趣味 | トップページ | ボストン美術館の至宝展、東京都美術館・・・陳容「九龍図巻」 »

シュールレアリスム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2082986/71375998

この記事へのトラックバック一覧です: シュールレアリスムの夢と美女:

« アルチンボルト展・・・ハプスブルク家の皇帝の奇妙な趣味 | トップページ | ボストン美術館の至宝展、東京都美術館・・・陳容「九龍図巻」 »

最近のトラックバック

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31