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2017年8月18日 (金)

孫崎享×大久保正雄『国家権力の謎』第11回

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孫崎享『日米開戦へのスパイ』、日本の意志決定システム、政権交代について、2017年7月13日対談しました。一部をここに記録します。
戦争末期、大日本帝国が滅びる時に、軍人、官僚たちは、自分の地位をめぐって喧々諤々の議論をしていた。
理念なき政治家、官僚、財界人、学者がこの国にあふれ、国の進むべき道を誤らせている。
――
1、ゾルゲ事件の真相とは何か
大久保正雄
構想40年の著書で、孫崎先生が「最も伝えたいメッセージ」は何ですか。
ゾルゲ事件の真実(1941年9月から1942年4月)とは、何ですか。
治安維持法(昭和16年1941年3月10日)の時代、冤罪事件捏造は常習化した。核心は何ですか。
孫崎享
政治の闇です。ゾルゲ事件は、東條英機による近衛首相追い落とし、日米開戦へと展開することが軍国主義者の意図です。近衛文麿は、東条英機の周到な冤罪事件捏造によって失脚した。
*「ゾルゲ諜報団」組織には、近衛内閣のブレーンとして日中戦争を推進した元朝日新聞記者の尾崎秀実もいた。1944年11月7日のロシア革命記念日に、ゾルゲと尾崎の死刑が執行された。近衛内閣は対米戦争に反対。
――
2、日米開戦の原因は何か。近衛文麿首相失脚の意味。
近衛文麿は、自由主義者、日米開戦は日本にとって圧倒的に不利で、開戦に反対していた。日米の戦力差は、1対10で、日本は必ず負ける。
東条英機たちは「しかし米国は、自由の国なので3年くらいしかもたない。」と主張。
―――
3、冤罪事件を作った検察官僚たちの戦後。
【検察の闇】検察は治安維持法・ゾルゲ事件(実質冤罪事件)の戦前と戦後はつながっている。ゾルゲ事件を担当した二人の検事、井本台吉と吉河光貞は何と、砂川事件(1957年7月8日)の検事、井本台吉は検事総長に出世する。
731部隊の石井四郎隊長(京大医学部卒)、京都大学、東京大学の権威、医学研究者、技官たちは、細菌兵器の人体実験を秘密裡に行った。検察官僚と同じように、戦後復活、栄達する。在日米軍に協力して、戦後の闇に君臨している。
――
4、日本の意志決定システム
知性のない権力者が力で支配し、地位のために政権を支える官僚が支配する。
特権階級の官僚は、自分の地位のために軍事政権を支えた。戦争に行かない特権階級が存在する。法務官僚、検察、東大教授、科学者、医学研究者。
検察は権力の奴隷、マスコミは追及せず。独裁政権、止めるシステムなし。
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5、政権交代は可能か
1993年、細川内閣成立の時、政権交代が達成され、戦後、表に立たなかった階層の人々が復活すると考えた人がいる。カレル・ヴァン ウォルフレンは、政権交代を成功させるかどうかは、日本のマスコミが鍵を握る。マスコミは旧いシステム(*『日本権力構造の謎』)。政権交代を初めて主張したのは、細川護煕「政権交代期成同盟」(中央公論1993)。細川護煕は、近衛文麿に容姿がよく似ている。
*1993年、日本新党、都議選圧勝。細川内閣、誕生。*2009年、民主党、都議選勝利、54議席。鳩山由紀夫代表、8月衆院選で民主党は300議席を超える大勝利。だが工作員によって倒閣された。
検察は権力の奴隷、マスコミは追及せず。独裁政権、止めるシステムなし。
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6、理念なき政治、理念なき国家
国家を指揮するものは、敵の謀を読む先見の明をもたなければならない。暴力を振う者を抑え、弱き者を救い、文化が栄える都市を作るべきである。
社会に巣食う七つの大罪。理念なき政治。労働なき富。良識なき快楽。貢献なき知識。道徳なき商業。人間性なき科学。献身なき信仰。『ガンディー 魂の言葉』
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7、理念を追求する人
曲学阿世の似非学者が栄える国。御用学者は、特権階級である。官僚の唯一の目的は、地位と名誉とカネ。詐欺学者も同じ。三浦るり、藤原帰一は、権力の奴隷。真実を追求しない。
思想家は理念を考え夢みなければならない。理念を追求する人は弾圧される。弾圧を超えて行く人。曲学阿世の偽学者は現実の奴隷である。
大塩平八郎、由比正雪。幸徳秋水、大杉栄、北一輝。思想家は弾圧され、御用学者は保護される。思想家のいない国。哲学者のいない国。
―――
美しい夕暮れ。美しい魂に、幸運の女神が舞い降りる。美しい守護霊が救う。美しい魂は、輝く天の仕事をなす。
大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
―――
参考文献
国家戦略
インパール作戦、兵站なき無謀の作戦。3万人死亡。日本軍の意志決定システムが、現在の日本にそのまま残っている。無能な指揮官、地位だけが人生の目標の官僚。『国家権力の謎』
日本組織は、嫉妬と地位への執着と名誉欲が支配する。「官僚の法則」。優れた者が勝利することはまれである。『旅する哲学者 美への旅』
東条英機は、満州の憲兵隊で功をあげ、出世した。人の弱点を攻撃して出世した。近衛秀麿を失脚させるために、ゾルゲ事件を捏造した。(孫崎享『日米開戦へのスパイ』)
大日本帝国。戦没者230万人。6割「餓死」。無謀な作戦が惨劇招く。毎日新聞。インパール作戦、3万人死亡。兵站なし。インパール、白骨街道。『国家権力の謎』
核の傘は存在しない。ミサイル迎撃不可能。米国議会は、他国を防衛するために自国を犠牲にしない。軍産複合体の利権階級の餌食である。孫崎享『国家権力の謎』
国家の上に立つ者は、先見の明をもち、敵国の計略を見抜き、人民のいのちを守らなければならない。指揮官は自らだまされてはならない。『国家権力の謎』
――
【ヒトラーの大衆扇動術】大衆は愚か者である。 同じ嘘は繰り返し何度も伝えよ。共通の敵を作り大衆を団結させよ。敵の悪を拡大して伝え大衆を怒らせろ。人は小さな嘘より、大きな嘘に騙される。大衆を熱狂させたまま置け。考える間を与えるな。
――
武力を使わず他国を侵略。第1段階、工作員による上層部の掌握と洗脳、第2段階、メディアの掌握、第3段階、教育の掌握、第4段階、抵抗意識の破壊、第5段階、自分で考える力を奪う。国民が無抵抗。スイス政府。『国家権力の謎』
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戦国時代
「天下布武」。七徳の武とは、暴を禁じ、戦を止め、大を保ち、功を定め、民を安んじ、衆を和し、財を豊かにすることが目的。武の七つの徳を備えた者が天下を治めるにふさわしい。『春秋左氏伝』
織田信長の法則。「天才の迂闊と秀才の周到」。織田信長は油断し、光秀は用意周到。優れた者は負け、小人は周到に画策する。大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして人の兵を屈するのは善の善なるものなり。『謀攻篇』
敵の計略を見抜くことほど、指揮官にとって重要なことはない。だが、このことほど優れた資質を要求される能力もないのだから、これに恵まれた指揮官は、いかに称賛されたとしてもされすぎることはないのである。マキャベッリ
人々の嫉妬心が、善きことをしていれば自然に消えていくなどとは、願ってはならない。邪悪な心は、どれほどに贈り物をしようとも、変心してくれるものではないからだ。マキャベッリ
民とは何か。【語源】おさめられる人々。権力をもたない大衆。【象形】ひとみのない目を針で刺すさまを描いた。目を針で突いて目を見えなくした奴隷。『字統』『字訓』
大日本帝国陸軍は、優れた指揮官がいたが、失脚させられた。(山内昌之『嫉妬の世界史』)嫉妬の国、小人が跳梁する国。小者は、人の欠点を突いて立身出世する。『国家権力の謎』
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理念を追求する人
人は外面を見てだまされる。人が本当に見ることができるのは心によってだけである。本質は、目で見えない。『旅する哲学者 美への旅』
メディチ家は理念を追求した。理念を追求する者は弾圧される。弾圧を超えて理念を追求する人々。プラトンが復活するのはルネサンスの500年後。『旅する哲学者 美への旅』
織田信長「天下布武」。武力によって征服するにあらず。階級社会の枠組みを根底から破壊することである。織田信長の参謀、妙心寺派の僧、沢彦宗恩による語。『旅する哲学者 美への旅』
研究には、研究のための研究と創造的研究がある。創造的学問する人は弾圧される。はじめて遂行する人は革命的であり虐められる。弾圧されても理想を追求する人。
『旅する哲学者 美への旅』
戦国史、親子は敵、兄弟は最大の敵。天下布武、下剋上の中から、織田信長の知恵と戦略は生まれた。安土城は、天下一の藝術の結晶。大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
―――
美を探求する人
外極めて美にして、内極めて醜なるものあり。 北村透谷『万物の声と詩人』
身を切るような孤独を知っている者だけが、人生の美しさを真に享受することができる。クシシュトフ・キェシロフスキ『ふたりのベロニカ』
友よいとしの我友よ 色香ゆかしき白百合の心の花と咲き出でし世に香ぐはしく馨るらむ
『旅する哲学者 美への旅』
ほとんどすべての芸術や文学の仕事は、それまで名前をもっていなかった事柄に、名前をつける事です。名前をつけられれば、人間はその事柄と関係をもてるようになる。ミヒャエル・エンデ『芸術と政治をめぐる対話』
外面をみてだまされる人々。人が本当に見ることができるのは心によってだけである。本質は、目で見えない。『旅する哲学者 美への旅』
人間の真の姿がたち現れるのは、運命に敢然と立ち向かう時である。シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』
天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である。ナイチンゲール
どんなに高度な知識をもっていても、人の痛みを知らなければ人は存在する価値がない。『旅する哲学者 美への旅』
―――
巧言は徳を乱る。口先ばかりで誠意のない言葉は人を惑わし信頼をなくして徳の妨げになる。*細川護煕『跡なき工夫』
光悦の茶碗が好きなのは、ただ茶碗としての造形美に魅かれるだけではなく、光悦の生き方に共鳴するところが大きい。細川護煕『跡なき工夫』
人間存在の秘密は、たんに生きることにあるのでなく、何のために生きるかである。美と善なくして存在の根拠なし。大久保正雄『旅する哲学者 美への旅』
2017年8月18日

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