2015美術展ベストテン・・・夢幻の国への旅
黄昏の森を歩いて美術館へ行く。夢幻の国への旅。クレオパトラの見果てぬ夢は、砂漠の果てに消えた。始皇帝の夢、地下帝国は皇帝宮殿と共に炎上した。破壊と殺戮。地位の階段を上りつめた悪霊は、地獄の業火で焼かれる。歴史は魂が試される場である。魂を売る官僚、カネで身を売る女、魂を売る研究者は、地獄に墜ちる。波打ち寄せる摩文仁野の断崖で自決したひめゆり学徒隊は、魂の国へ行く。魂に刻まれた言葉は、不滅の命をもつ。(大久保正雄『旅する哲学者』)
大久保正雄『旅する哲学者』より、美への旅
この世には、謎の絵画がある。ボッシュ『快楽の園』、ヴェラスケス『ラス・メニーナス』、『鳥獣戯画』、狩野永徳『洛中洛外図』、レオナルド『岩窟の聖母』。これは見える謎である。この世の苦悩と、夢の国への旅が封じ込められている。だが、眼に見えない謎がある。「美とは何か」「魂とは何か」「生命とは何か」。本質への問いはすべて謎である。(大久保正雄『旅する哲学者』より)
どんなに高度な知識をもっていても、人の痛みを感じることができない人は存在する価値はない。目の前の不正と殺戮に目をつぶる人には、人間の尊厳はない。(大久保正雄『旅する哲学者』)
肉体の眼が衰えるとき、魂の眼が目覚める。美術館は出会いの場所であり、見果てぬ夢の果ての地である。
大久保正雄『旅する哲学者』より、美への旅
1、「クレオパトラとエジプトの王妃展」、東京国立博物館
2、「始皇帝と大兵馬俑」東京国立博物館、東京国立博物館
3、「鳥獣戯画 京都、高山寺の至宝」、東京国立博物館
4、「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」、東京国立博物館表慶館
5、「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」、サントリー美術館
6、「マグリット展」、国立新美術館
7、「ルーヴル美術館展、日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」、国立新美術館
8、「新印象派、光と色のドラマ」、東京都美術館
9、「肉筆浮世絵-美の競艶 ~浮世絵師が描いた江戸美人100選~」上野の森美術館
10、「琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る」、京都国立博物館
「白鳳展―花ひらく仏教美術」、奈良国立博物館
「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」、東京国立博物館
「速水御舟とその周辺 大正期日本画の俊英たち」、世田谷美術館
「グエルチーノ展、よみがえるバロックの画家」、国立西洋美術館
「モネ展、印象、日の出』から『睡蓮』まで」、東京都美術館
「英国の夢 ラファエル前派展」、Bunkamura ザ・ミュージアム
「プラド美術館展」、三菱一号館美術館
「風景画の誕生、ウィーン美術史美術館所蔵」、Bunkamuraザ・ミュージアム
「画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」、三菱一号館美術館
「燕子花と紅白梅 ―光琳デザインの秘密―」、根津美術館
「没後40年 高島野十郎展」、福岡県立美術館
「レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展、タヴォラ・ドーリアノの謎」、東京富士美術館
『夜色楼台図』、与謝蕪村 18世紀
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