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2015年8月

2015年8月15日 (土)

孫崎享×大久保正雄「国家権力の謎、独裁権力との戦い」

MagosakiookuboMagosaki_2014孫崎享×大久保正雄「国家権力の謎、独裁権力との戦い」
孫崎享先生と2014年2月24日、4月8日行った対談を、ここに再録します。1、国家権力の本質とは何か。2、独裁権力と戦う戦略、方法とは何か。3、戦略なき国家、最高指揮官なき国、だまされる奴隷。
「指揮官は、敵の計略を見ぬき挫かなければならない」。敵の計略に欺かれ被支配者を欺く最低の支配者。独裁政権がファシズム国家を築き、言論弾圧、日本国憲法の改悪が必至の状況下にある。諸悪の根源は、自民党、軍産複合体。トロイの木馬(国家滅亡装置)を悦んで受け入れる愚昧な王。命令で動く奴隷国家、カネと地位で動く奴隷国家。思考力なき奴隷。原爆投下機機長は「上司の命令で原爆投下しただけ」市民20万人を虐殺。
最高の戦略家は、知恵と戦略をもって危機に対応する。最高の戦略家テミストクレスは、サラミスの海戦で強大なペルシア帝国を迎撃。アレクサンドロスは、イッソスの戦いで、ダレイオス3世の60万人のペルシア帝国軍を滅亡。
2015年8月15日
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1、国家権力の本質とは何か
孫崎享「哲学者が考える、国家の本質とは何か?」
大久保正雄「支配者たちが自分の私利私欲をのみを追求する、利権集団である。一部の支配階級による、支配階級のための国家。一部の支配階級のために法律も作られる。国家と国民を敵国にカネで売りわたす国賊が権力の頂点に立つ国。これは、もはや国家とは呼べない。」
孫崎享「権力の本質とは何か?国家権力とは何か?」
大久保正雄「モンテスキュー『法の精神』は三権分立を説いているが、日本は三権分立どころか、行政・司法・立法の権力が一体であるのみならず、6つの権力が一体である。6つの権力が一体化し、独裁権力を構築している。」
大久保正雄「日本の三権の分立は50年前から崩壊している、と法務官僚は言っている。また最高裁判所は、政権のいいなりの奴隷である。と最高裁の瀬木比呂志氏の証言もある。」
大久保正雄「秘密保護法によって、権力者の悪事・犯罪を隠蔽している。新聞、マスコミが、権力の奴隷となって、市民を弾圧している。これは、致命的欠陥である。プラトンは、権力者は悪事を隠すことを2千年前に予言している。(『国家』ギュゲスの指輪)。民主制から生まれるのは最悪の国家形態、独裁制である。(プラトン『国家』第8巻564A)最悪の独裁国家が生まれるのは何故か。日本は、政官財一体化している。だまされる民衆がいる」
孫崎享「現代は、政治のみならず、経済、文化も混迷している。その原因とは?」
大久保正雄「政治のみならず、官僚制、大学、あらゆる分野において、日本は劣化している。
最低の人間が権力の頂点に立つシステムが存在する。最低の人間が頂点に立ち、それを止めさせないシステムが存在する。その背後に、世界を支配する利権階級が存在する。
どの分野でも、最低の人間が頂点に立って、支配している。」
2、独裁権力と戦う戦略、方法とは何か
孫崎享「独裁権力と戦う戦略、方法とは何か?」
大久保正雄「独裁権力と戦う、その方法、戦略は、3つある。1、6つの権力の合体、権力のヘキサゴンを解体することが必要です。6つの権力が一体化した権力は、攻撃困難。
まず、第一に、新聞、マスコミを、権力者の支配から奪還する必要があります。
2、現代は、法人資本主義の時代。法人は税制上、優遇されている。独立した法人を設立して、権力に対抗する牙城を構築すべきである、と考えています。独裁政権は、個人資産を狙っている。3、レジスタンスを結束させる必要がある。独裁権力と戦う、抵抗する力の結集。原発・TPP・集団的自衛権の3つのテーマがある。なぜ、野党共闘出来ないのか?
独裁権力を倒す決定的な戦略戦術を、世界中の思想家のだれも考案できていない。
孫崎享「地中海の都市国家の歴史において、独立国の条件とは何ですか?」
大久保正雄「敵の謀略を見ぬく指揮官が存在すること、未来を見通す戦略、敵国にだまされて国の富・知恵を奪われないこと、自国の法律、自国の通貨、自国の政治を自国で決定できること、国家と人間を敵国に売る支配者が存在しないこと。
孫崎享「プラトン学者からみると、現代の民主政治はどう見えるか?」
大久保正雄「日本は、正統性のない権力がこの国を独裁的に支配している。プラトン『国家』で分析すると、僭主政(テュランニス)、または、堕落した民主政、衆愚制です。官僚支配は、名誉支配制(ティーマルキア)、特権階級の支配です。プラトン『国家』は、民主政から最悪の政治形態、独裁制が生まれると予言している。優れた者の支配(アリストクラティア)から、名誉支配制国家、寡頭制国家、民主制国家、僭主独裁制国家へと堕落する。(『国家』第8巻第3章~第5章)」
3、戦略なき国家、最高指揮官なき国、だまされる奴隷
孫崎享「哲学者が考える、あるべき国家の姿、理想の国家とは?」
大久保正雄「知恵ある優れた人が人の上に立って支配することが必要条件。知恵の優れた人(アリストス)の支配(アリストクラティア)、中国古典が言う仁徳ある人が人の上に立つ支配。未来を見通す最高の戦略家、指揮官、古代ギリシアのテミストクレスのような最高司令官が導く戦略ある国家。テミストクレスは、10年後のペルシア帝国襲来を予見して、200隻船を建造した。ルネサンス、イタリアの戦国時代、世界観(Vision)をもった戦略家、コジモ・・デ・メディチ、ロレンツォ・デ・メディチ。ロレンツォは、シクストゥス4世によるフィレンツェ包囲の陰謀を破り、戦争を阻止した。アレクサンドロス大王は、世界最高のペルシア帝国を滅亡させた。」
大久保正雄「戦争は、一部の支配階級による、富(=税金)の収奪。人民を生け贄にする搾取である。戦争で死ぬのは、奴隷階級である。日本の指揮官は、敵の謀略によって操られている。さらに、民は盲目。盲目の国民は、だまされる奴隷階級。(白川靜『字統』藤堂明保『漢字語源辞典』。)
<敵の計略を見抜くことほど、指揮官にとって重要な事はない。この事ほど優れた資質を要求される能力もない。>マキアヴェッリ。<長期にわたって支配下におかれ、その下で生きることに慣れてしまった人民は、何かの偶然で転がり込んできた自由を手にしても、それを活用することができない。動物園で飼われた猛獣に似て、原野に放たれてもどう生きてよいのか分からず、再び簡単に捕獲されてしまう。>マキアヴェッリ
「人間存在の秘密は、たんに生きることにあるのでなく、何のために生きるかにある。善く生きること、美しく生きることが、人間存在の意味を決める。自分自身の存在が、美しくなること、そのために歩いていくことである。」つづく。
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出典 孫崎享×大久保正雄『プラトン哲学で分析する現代政治の混沌』
孫崎享対談【ニコ生(2014/04/08 22:00)】大久保正雄氏による「プラトン哲学で分析する現代政治の混沌」http://nico.ms/lv175350566
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